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オルソケラトロジーで考える、近視治療の選択肢【岡本眼科クリニック】

こんにちは。
愛媛県松山市【岡本眼科クリニック】院長の岡本茂樹です。

「近視の治療」というと、メガネやコンタクトレンズ、あるいはレーシックやICLといった手術を思い浮かべる方が多いかもしれません。
今回は、そうした方法とは少し異なり「夜につけて、昼は裸眼で過ごせる」オルソケラトロジーという治療についてお話しします。

当院では、オルソケラトロジーを2000年頃から取り入れており、20年以上にわたって多くの患者さんを診てきました。
とくに近年は、「視力を矯正する」だけでなく、「近視抑制効果」として注目されています。


◼︎オルソケラトロジーとは

オルソケラトロジーは、夜寝るときに専用のハードコンタクトレンズを装用し、朝起きたら外すという治療法です。
寝ている間に角膜の形をわずかに変えることで、日中は裸眼で過ごせる視力を得ることができます。

通常のコンタクトレンズが「日中つけるもの」だとすると、オルソケラトロジーは「夜につけて、昼は外す」レンズです。

使われるのは、厚生労働省が認可した専用のハードコンタクトレンズで、現在では日本でも広く行われている治療法のひとつになっています。

◼︎小児から行える治療という特徴

レーシックやICLといった屈折矯正手術は、原則として18歳以上が対象です。
一方で、オルソケラトロジーはハードコンタクトレンズを装用できれば、小児から行うことが可能です。

もちろん、装用初期には異物感を嫌がるお子さんもいます。
そのため、すべての子どもさんに向いているわけではありませんが「コンタクトが入れられる年齢」であれば、年齢そのものに明確な制限はありません。

◼︎「近視抑制効果」という大きな役割

オルソケラトロジーの大きな特徴のひとつが「近視抑制効果」です。複数の研究でエビデンス(証拠)が示されており、信頼性の高い治療です。

実際に当院でも、小学生や中学生の頃からオルソケラトロジーを継続され、
長期間にわたって近視の進行が緩やかに保たれているケースを多く経験しています。

現在、近視進行を抑える方法として低濃度アトロピン点眼治療もありますが、点眼では視力そのものが良くなるわけではなく、メガネやコンタクトは引き続き必要になります。

オルソケラトロジーは「近視の進行を抑えながら、日中の視力も改善すること」ができます。

◼︎日中は裸眼で過ごせるというメリット

オルソケラトロジーの特徴のひとつが「日中はコンタクトレンズを装用せずに過ごせる」という点です。
夜間にレンズを装用することで視力を矯正するため、起きている時間帯は裸眼で生活できます。

たとえば、
⚫︎サッカーや格闘技など、接触の多いスポーツ
⚫︎水泳など、水中での活動
⚫︎砂やほこりが入りやすい環境での作業

こうした場面では、コンタクトレンズのずれや外れ、異物混入を気にせずに済みます。
目に何も入っていないことで、ケガのリスクを減らせるという点も大きなメリットです。

特に成長期のお子さんや、スポーツに力を入れている方にとっては、「視力のことを気にせずに思い切り動ける」という安心感は、日常生活の質を大きく高めてくれます。

◼︎可逆的な治療であるという安心感

オルソケラトロジーのもう一つの特徴は、治療をやめれば元の状態に戻る「可逆的な治療」であるという点です。

レンズの使用を中止すれば、角膜の形は時間をかけて徐々に元に戻ります。
レーシックやICLのように、目の構造が恒久的に変わる治療ではありません。

この「元に戻せる」という性質は、大きなメリットです。

⚫︎まずは近視治療を体験してみたい
⚫︎成長期の間だけ近視の進行を抑えたい
⚫︎将来「手術」という選択肢を残しておきたい

こうした考えをお持ちの方にとって、一方通行ではない治療であることは、大きな意味を持ちます。

治療を選ぶ際に大切なのは「今どうするか」だけでなく、これから先の人生をどう考えるかです。
その意味で、オルソケラトロジーは、将来の選択肢を狭めずに近視と向き合える治療だと考えています。

◼︎オルソケラトロジーの注意点とデメリット

オルソケラトロジーはコンタクトレンズ治療です。
そのため、レンズの洗浄や管理方法を守らないと、角膜感染症のリスクがあります。

また、当院では3ヶ月に1回の定期検診を行い、視力の状態やレンズの状態、角膜の健康を確認しています。
定期的な通院が必要になる点は、デメリットのひとつでもあります。

費用については自費診療となり、当院では初年度にレンズ代を含めた費用がかかり、2年目以降は年間の管理料が必要になります。

◼︎適している方・適していない方

【オルソケラトロジーが適している方】
⚫︎−5D程度までの中等度近視
⚫︎強度でない乱視を伴う近視
⚫︎小児・学生で近視進行を抑えたい方
⚫︎日中は裸眼で過ごしたい方

【オルソケラトロジーが適していない方】
⚫︎近視が非常に強い場合
⚫︎レンズの装用がどうしても難しい場合
⚫︎定期通院が難しい場合

もちろん効果には個人差がありますが、当院では多くの方が0.8〜1.0以上の視力が得られるており、手術などの選択肢に比べたら個人差が少なく効果が出ると感じています。

◼︎治療の流れ

オルソケラトロジーは、段階を踏みながら慎重に進めていく治療です。
当院では、次のような流れで行っています。

① 診察・検査

まずは診察と各種検査を行い、
・近視や乱視の度数
・角膜の形や健康状態
・オルソケラトロジーの適応があるか

を確認します。

② オルソケラトロジーの説明と合意「インフォームド・コンセント」

検査結果をもとに、オルソケラトロジーの仕組みやメリット・注意点を説明します。
ご本人や保護者の方が十分に理解・納得されたうえで、次のステップに進みます。

③ テストレンズの装用

オルソケラトロジーを希望される場合は、テストレンズを数日間装用していただきます。
実際に夜間装用してみて「視力がどの程度改善するか」「装用に無理がないか」を確認します。

④ オーダーメイドレンズの作成

テストレンズで効果や装用感に問題がなければ、対象の患者さんの目に合わせたオーダーメイドのハードコンタクトレンズを作成します。

⑤ 装用開始後のフォロー

レンズ装用開始後は「1週間後」「1ヶ月後」「その後は3ヶ月ごと」を目安に定期検診を行います。視力の変化や角膜の状態、レンズのフィット具合を確認し、必要に応じてレンズのカーブや度数を微調整します。

◼︎オルソケラトロジーを検討されている方へ

オルソケラトロジーは、
「手術を行わない近視治療(視力矯正)」
「近視抑制効果のある治療」

として、信頼性の高い治療です。

治療が適しているかどうかは、診察や検査を通して確認していく必要があります。

興味がある場合は、まずはオルソケラトロジーを実施している医療機関に相談してみてください。
検査を受けたうえで、ご自身やお子さんに合った治療か確認することが、後悔しない選択につながります。

これからも当院では、お一人おひとりの目と生活に向き合いながら、無理のない、誠実な医療を提供していきたいと考えています。

岡本眼科クリニック
院長 岡本 茂樹


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