見出し画像

不思議の国・日本 - 各国の「文化」が反映する通貨相場

  "自民が単独過半数うかがう"

 本日(1/29)日経平均(先物)で面白い動きがあった。 ↑ 自民圧勝の報を受けて海外市場で日経平均先物が@54,000円台まで急騰。強烈な "バラマキ" が起こると踏んだのだろう。だが東京市場が開けてみると現物は前日比マイナスで一時@53,000円すれすれまで下がった。結局@53,600円台まで押し戻されたが海外の先物トレーダーはさぞ肝を冷やしたことだろう

 これは国内勢があまりの圧勝だと与党が増税(あるいは歳出削減)路線に戻るのではないかと危惧したから。T首相がイギリスのSッチャー首相を標榜するなら有り得ない話では無い。筆者の肌感もこれに近い。ドル円買い(円安)で臨んだ向きも一緒で頭を抑えられている

 不思議の国・日本

 "Sell JGB!!" (日本国債を売れ)

 日本に赴任したトレーダーがまず口にしたのがこれ。欧米国債金利に比べあまりに低いJGBの金利を見て売りたい衝動が抑えられなかったらしい。だが戦績は惨憺たるもので邦銀勢の厚い「お金の壁」に阻まれて連戦連敗。日本人の "貯金は善" 教育など知らなかったのだろう。どんなマーケットもそうだが「なぜそのプライスになっているか?」を精査せずに安易に思い込み ≓ 主観で相場に臨めば上手くいかない

 米ドルとか英ポンド(Pound Sterling)、あるいは独マルクなどの「金利」を担当して痛感したのは、それぞれの通貨相場には各国の「文化」が反映していること。Yダヤ資本主導でトラップだらけのドル、政治で滅茶苦茶に動く "Crazy Sterling" 、1度始まったらとことん 売り(買い)が続く頑固なマルク等々。だが非合理な理屈で動くという点では「円」が最強。何しろ「みんなで渡れば怖くない」とばかり一方方向に傾く

 ベッセント米財務長官:「(為替介入)絶対にしていない」

 NY市場ではこれで一時@154円台まで飛んだらしいがそれはあくまで一時的なもの。筆者は今回の▼8円ものドル円の動き、もっと構造的なものと理解している。理由はいくつかある ↓

 1.「円キャリートレード」の需給

 金利差狙いで一説には3,000兆円までレバレッジで積み上がっているといわれているが、その需要が飽和してしまった可能性がある。頼みの金利差も+5%→+3%割れと魅力も薄れており今後も縮小は確実。ポジションを縮小する向きが出てきても不思議では無い

 2.ドル離れ

 
それでも「米ドル」買いますか?|損切丸 等々で解説してきたが、最近の "Tariff Man" は常軌を逸している。高齢富裕層の「名誉欲」の強さについては経験が無いので(笑)伺い知る事は出来ないが、個人のために国策を振り回されては堪らない。冷徹な「お金」の世界 - マーケットを覆う "Tショック" と金利の「本質」|損切丸 で「ドル離れ」が起きるのは当然

 3. いよいよ「円」の実質金利がプラスに|損切丸

 
昨日(1/28)の40年債入札も好調 ↓ だったしやはり@4%近い利回りは魅力的。 ↑ 「ドル離れ」の状況に鑑みると受け皿として最大の市場はJGB。国内投資家も生損保・年金を中心に買いに動くことが推定され、円買い需要の増加+円売り需要の減少≓外債投資の減少が見込まれる

 最高落札利回り @3.72% < 市場予想 @3.745%
 応札倍率 2.76倍 >前回 2.59倍、過去12カ月平均 2.53倍

 こういう背景があってドル円は売られ始めており「レートチェック」はきっかけに過ぎない。加えていうなら支持率低下で中間選挙が危ぶまれるご老人が歴史に名を残そうとかねがね噂されている「マール・ア・ラーゴ合意」でドル安誘導を宣言する可能性だってある。張本人をFRBの理事に送り込んでいるのだから。とにかく現米政権は何をやらかすかわからない

 昨日FRBは久々に「政策変更無し」だったが、こちらも政治動向に揺さぶられる展開が続く。「中立金利」≓@3.5%までは仕方なく下げてきたが、今後の利下げについては不透明(無い可能性すらある)。政権の支持率低下に伴って米国内のパワーバランスが変ってきた可能性も高い

 1つ気になっているのがTIPS(米物価連動債)の動向。5年TIPSを見ると一時@2.3%台まで落ち込んでいたBEI(Break Even Interest rate、予想物価率)が@2.5%台に盛り返してきた。CPIなどの指標に疑義がある米国だが、実際の物価動向は金融機関、投資家は別の方法で検証しているはず。TIPSを買うというのはそういうこと。昨秋以降関税分の値上げ転嫁が明確になったとの報もあるしインフレが戻ってきているのかもしれない

 イギリス、オーストラリアなどコモンウェルス諸国(旧英植民地)ではCPIの反騰もあり(こちらはアメリカほど疑義は無い)、利下げどころか利上げ機運も生まれてきた。+2.1%まで下がった日本もまだまだインフレは続きそうだしECBも「次は利上げ」と言い出している。 "Tariff Man" がどれだけ足掻こうと世界情勢の変化は避けられない

 問題はこういう様々な要因が交錯する中で 2026年、「お金」はどこに向かうのか - 怖いのは「お金」の逆回転|損切丸 まず "逆回転" しそうなのが「円キャリートレード」。金(GOLD)の暴騰もこのコンテキストの中にある。まだまだ気の抜けない相場が続く

いいなと思ったら応援しよう!

この記事は noteマネー にピックアップされました

noteマネーのバナー