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何処へ行く「インフレ」国家・アメリカ

 最後は誰に売り渡すか? - マーケットはさながら「爆弾渡しゲーム」|損切丸  "ゲーム" はまだまだ続くようだ。「利下げ」で「時間」を買うことになる

 大方の予想通り「ジャクソンホール」でパウエルFRB議長は9/17FOMCでの▼0.25%「利下げ」を示唆し、米株価もビットコインも急反発。新たな ”カンフル剤” 注入を諸手を挙げて歓迎している

 FX(外国為替市場)は様相が違う。「円安」がそうであったように相対取引のFXでは「量」が増える通貨は売られる。市場は素直に「ドル安」で反応

 では「金利」はどうか。こちらは議長コメントの通り極めて "慎重" 。確かに「中立金利」(筆者推定@3.5%)を上回っている状態なので9月▼0.25%「利下げ」はほぼダン・ディール(Done Deal、終わった取引)。一旦「買い」=金利低下で反応するのは致し方ないが、イールドカーブを見ると「スティープニング」(長期>短期金利の傾斜化)が進む。将来の「インフレ」に備えようという訳だ

 10月以降の「利下げ」についてはあくまで指標次第という判断だろう。9月FOMC直前にはCPIの発表 ↓ もあるし、内容次第では3割ぐらいは「利下げ」無しも念頭に置いた取引になる

 9/11 8月米CPI(年率) 予想+2.9% 前月 +2.7%

 「スティープニング」と比肩するようにTIPS(物価連動債)もラリー。一時@2.45%程度まで下げていた5年BEI(予想物価率)も再び@2.5%台へ

 ここから先一番問題になりそうなのがアメリカの「信用」である

 兎にも角にもFRBが "Tariff Man" の「利下げ」圧力に屈した格好になり、当のご本人は今後図に乗る可能性が高い。「奴らはプレッシャーをかければ折れる」。そうでなくとも次期FRB総裁に "年内▼1%利下げ" なんて候補をずらっと揃えるくらいだからプレッシャーは強まる一方。頭の中は「借金」の利息で一杯だ。まるで倒産寸前の不動産会社のよう(苦笑)

  "期待通り" (?)米経済がリセッションに陥ってくれればまだいい。問題は "逆の目" が出た時 ≓「インフレ」の再点火CPIが+3%、+4%と上昇傾向を示す中で大幅「利下げ」を強行すれば「スタグフレーション」あるいは「ハイパーインフレ」が現実のものとなる。「通貨安」+「株高」はそういうケースのスタンダードでもある ↓

 「S&P」や「オルカン」を保有している「新NISA」勢はヤキモキしていることだろう。せっかく株価が急反発したのに円建では「ドル安」で相殺。思ったように儲からない。これは日本人に限らず、欧州等米国外の投資家も同じ悩みを抱えている。米国債、ビットコインも然り。今は資産価格上昇が通貨下落を若干上回っているが、これもどこまで続くかわからない

 ではアメリカ人は盤石かといえばそうでもない。株価等の資産価格上昇は物価や不動産価格、あるいは家賃の上昇を伴うため「収入」がそれに追いつかないと生活苦に拍車がかかる。日本に比べ家計が株を持っている比率が高いとはいえ「お金」のない家計は恩恵を受けられない。その辺は日本と一緒で「インフレ」はいわゆる「貧富の差」を拡大させる

 「インフレ」回避には方法が3つある:

 1.自国通貨を売る
 2.株や不動産を買う
 3.金利上昇に備える、i.e. 借金する、米国債ショート

 この中で一番怖いのが1.ドル安≓「キャピタルフライト」元「資金繰り」担当の「損切丸」が言うのも何だが「お金」がなくなる恐怖というものは筆舌に尽くしがたい。脂汗がじわっと背中を伝わっていく感じ。これが過ぎると3.金利は上昇2.株価は上がらなくなる。まさに 「株」と「金利」の "チキンラン"|損切丸 今のアメリカはその前段階にも映る

 何処へ行く「インフレ」国家・アメリカ

 30年以上米国市場に関わってきたが、ブラックマンデー(1987)LTCM危機(1998)、リーマンショック(2008)、コロナ危機(2020)と株価暴落に見舞われる度に不死鳥のように蘇ってきた。ただその方法は一貫して「借金」→「インフレ」。だが今回はその「借金」が40兆ドルに達し利払いが国の防衛予算(▼130兆円)を超える異常事態。だからこんなに心配(苦笑)

 株式市場の時価総額が60兆ドルに膨張しているアメリカは「株価維持」が "経済の礎" と化している。まさに「株本位制」。ビットコインも時価総額が2兆ドルを超え、i.e., 東証7.1兆ドル、ドイツ証取2.2兆ドル、韓国証取1.7兆ドル、最早これも維持せざるをえない状況だ。問題は "どうやって?"

 かく言う日本も2026年度の概算要求が120兆円に膨張するというからアメリカの事を言っている場合ではない。「お金持ち」にはわからない -「収入」があると「お金」を使ってしまう "魔力" |損切丸 でも指摘したが、「昭和世代」は支出を減らすという発想がない歳出削減=政治的敗北と捉えている節があり、デフレで家計を切り詰めてきた平成以降の世代とはそもそも考え方が違う。それが現在の政治・経済状況の混迷を生んでいる。この状況では "贅沢" を▼20兆円ぐらい切り込まないと立ち行かないだろう

 俯瞰してみれば「借金漬けの世界」をどうするのか、マーケットは問い続けている。これだけ「お金」が世の中に溢れてしまっては元金利トレーダーの「損切丸」には「金利」が上昇していくようにしか見えない「預金」大好きの日本人と違って欧米の「お金持ち」は「インフレ」を下回る「金利」には見向きもしないからだ。かといって高過ぎる株価、不動産、ビットコイン...。本当に世界はどうするのか。答えが見えてこない

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