高過ぎて買えない? -「お金持ち」は「お金」が減るのが大っ嫌い
(参照) 高過ぎて売れない? - 分かれ道は結構紙一重|損切丸
AI半導体銘柄の株価を見ていると、正直もう見るのも嫌になるくらい畏るべき相場が続いている。韓国KOSPI指数も日経平均も振り回されっぱなし
特に2銘柄 ↓ が時価総額 ≓ 5兆ドルの6割を占める韓国株式市場は半導体銘柄の独壇場。サムスン電子(2兆ドル)とSKハイニックス(1兆ドル)だけで指数が動いてしまう。それぞれここ1年で約6倍、10倍に膨らめばKOSPI指数が倍以上になるのは致し方があるまい


そういう*歪な市場構造だけにヘッジファンドも攻め易い。半導体銘柄と指数をダブルロング(買い)で臨めばあっと間に大儲け。市場規模も中規模で動きが増幅されやすい。最近は韓国株絡みで資金提供を断る金融機関も出てきたようだが、こうなると止められない
*HFT(High Frequency Trades、高頻度取引)やAIプログラムについて投資銀行業界の内情を何度か書いてきたが、基本的には "実需の買い" を増幅するだけ。秒単位で先回り買い→利食い売りを繰り返し最後に "実需の買い" にぶつけるHFTはリスクを負わない。リスクを負うのは "実需の買い" ≓ 投資家であり、構図としては自らの利益は確定させてアパートを売りつける業者に似ている。世の中はそういう構図だらけ。ちなみに売り相場でHFTが作動しない技術的理由は「現物」を持たないから。ショート(売り)にした株をレポ(貸借)で借りなければいけないが、そこには信用リスクの壁がある。加えて売り相場が加速するのは業界的好ましくないという事情もある
いつまでこんな相場が続くのか?
参考になりそうなのが同じような時価総額で急騰→下落の道筋を辿ったビットコイン(BTC)。1枚@3万ドル程度から2025年に@12万ドルを付けるまで約2年を要したが、その後は1年掛けてズルズル半値近くまで下落

金先物(GC)を見るとやはり1年近くかけて@5,300ドル台まで上げた後、半年で▼23%程下げている。同じペースを維持すれば1年で半値の@2,600~2,700ドルまで落ちる予測も成り立つ。BTCと同じ "パターン"

面白いのは下落相場にはHFTもAIプログラムも作動しないためダラダラ下がり 作られた相場 -「ブーム」の後は "ほったらかし"|損切丸 になる。気がつけば半値。銀行も証券会社も何の補償もしてくれないし "実需の買い" ≓ 最終投資家だけが取り残される( "カボチャの馬車" と同じ構図)。BTCもGCも "パターン" が極めて似ている
AIの特性は膨大な「過去」のデータを蓄積し「学習」する事。BTC、GCの "パターン" を「学習」したAIが半導体銘柄で同じ戦略を繰り返し、KOSPIで反復している可能性は高い。最終リスクを個人など最終投資家に負わせ、その間で莫大な利益が上がるならどこまでも同じ手法を繰り返す。違うのは市場だけ。インフレヘッジとか業績とか色々御託を並べているが、結局そういう事ではないのか?
「日経平均@7万円」- 違和感の正体|損切丸 も同じ構図。例えば注目のキオクシア ↓ は1年間で50倍(!!)。指数もこれに引っ張られる

「まともじゃ無い」がこれが今の相場。正気を保ちながらついていくしかあるまい。問題はKOSPIも日経平均もどこがBTCの@12万ドルやGold(GC)の@5,000ドルに当たるのか
鍵になるのはやはり "実需の買い" ≓ 最終投資家
端的に言えば個人投資家等がどこで「高過ぎて買えない」となるか。そういえばBTCは1枚@1,000万円を超える辺りから買いが鈍ったし、今のキオクシアも個別で買うには最低1,000万円ぐらい要る。そうなると買える層は限られてくる。ちょっとやそっとでは手が出ない金額だ。都心のタワマンなんかもそうで最近は売値と買値の乖離が目立つ。50年ローンなるモノも登場

では「お金持ち」はどうか。確かに彼らは「お金」が減価するインフレが大っ嫌いで不動産や株に換えたりする。だがそれも値段の問題。高値掴みして「お金」を減らすのはもっての他であり、そういう博打じみた手は打たない。金利の上がってきた今なら 投資は "こっそり" 手掛けるもの - ぶっ壊れたJGB|損切丸 で国債・社債に逃げる手もある。基本的には "増やすより減らさない"
残るはETFや「新NISA」等の指数連動型の投信を買っている個人投資家等だがこれにも限界がある。2025/9に63兆円まで積み上がった「新NISA」は2025年末には71兆円に達している。さすがにペースが落ちてきたが政府目標(57兆円~2027)は既に上回っており、うち「オルカン」等の外国株投資はFX市場での「円売り」に直結

おそらく "半導体祭り" の後はまたどこかで "祭り" を創り出すのだろうが
「お金」は無限に増える訳では無い。世界中の「借金」が5京円を超え、FRBやECB、日銀が利上げに動くなら尚更。その辺はAIの "パターン" を注視しつつ、日々の相場変動に目を凝らす必要があろう。いつ何時BTCやGoldの二の舞になるとも限らない。まあ、それでも相場は続くのだが…


