ほとんど参加できなかった私に、note部が残したもの|おーつーnote部修了生 葉七さんインタビュー
「毎日書いていたのに、ある日ピタッと書けなくなったんです」
そう話してくれたのは、note部(※)0期に参加した葉七さん。娘さんの小学校入学という大きな環境変化があり、気付けば書けない日々が続くようになっていました。
note部に参加したものの、仕事や子育てに追われ、コミュニティ内のイベントに積極的に関われたわけではありません。
それでも卒業後、葉七さんは再び「書くこと」へと向き合い始めます。そこには、noteが思いがけず「内省する時間」となり、今もなおメンバーとの緩いつながりが続いているという、不思議な変化がありました。
——ここからは、葉七さんへのインタビューを通して、ご自身の世界観を大切にしながら「書く」ことと向き合う姿をたどります。
聞き手/冨田 裕子(おーつー)・note部主宰
※ note部:おーつーnote部の略称。noteで発信する人たちが集まり、「自分の本音と繋がること」を目指す3か月間の伴走型オンラインコミュニティ。これまでに0期〜2期を開催。
毎日書けていたのに、ピタッと筆が止まった

——よろしくお願いします!note部に入る前は、どんな状況だったのでしょうか?
葉七:以前はnoteを毎日更新していました。でも、娘が小学生になるタイミングで、その準備に追われ始めた3月頃から、ピタッと書けなくなったんです。一度書く習慣が途切れると、書けなくなってしまって。
もともと私は書くのに時間がかかるタイプなので、隙間時間を見つけてパパッと仕上げることができなかったんです。
——そんな中で、note部への参加に不安はなかったですか?
葉七:不安はなかったですね。主宰のおーつーさんがnote部メンバーを募集しているのを見て、直感で「えい」と入った感じです。おーつーさんが作家の末吉宏臣さんをサポートしている姿も知っていたので、これはもう「行け」だなと思いました。
それに、募集人数が10人程度という少人数制だったのも、決め手でした。大人数だと置いてかれそうな不安があったので、ちょうどいいかなと。
ほとんど参加できていなかった、それでも居場所はあった

——実際に入ってみて、どんな感じでした?
葉七:正直に言うと、結局その3か月間も、あまり書けなかったんです。本当はメンバー同士で語り合う「note感想シェア会」や、一緒に書く「もくもく会」にも参加したかったんですが、時間が合わず、できずじまいで。後からDiscordを見ては、「参加しとけばよかったなあ」と思うこともありました。
——参加できないことで、気後れを感じることはありませんでしたか?
葉七:それは、ありませんでした。note部のイベントに出たり、発言したりできなかった私に対しても、「その場にいてもいいよ」という雰囲気があって、本当にありがたかったです。誰も否定的なことを言わず、チクッと心が引っかかるような思いもしませんでした。
「参加しなきゃいけない、やばい」というプレッシャーはなく、「参加したい」という自主性を尊重してもらえる。とても居心地がよかったです。
むしろ、私は毎日投稿している人に励まされていました。引っ張ってもらえたり、挑戦している姿に勇気をもらったり。「みんな、そのままでいいんだ」と思える場所でした。
卒業してからの方が、なぜか書き始めやすくなった

——note部を卒業してからは、変化はありましたか?
葉七:はい。実は、note部にいた頃よりも、今のほうがサクサク書けるようになったんです。自分の中で「こうやって書こう」という構成のパターンが何となくつかめてきて、書き出すまでのスピードがパパっと速くなりました。
——最初のエンジンをかけるハードルが下がったんですね。最近はどんなふうに書いていますか?
葉七:頭の片隅で、ちょこちょこと考えています。家事の合間や、子どもを送り出した後の帰り道に、「これ、noteに書けるかな?」「どこから繋げようかな?」って。ただ、下書きから公開ボタンを押すまでは、まだ迷いがあります。「締まらない」「オチがないかも」と感じると、なかなか納得できなくて。
——公開を迷うのは、なぜなのでしょうか?
葉七:人から見られることに、すごく気を遣ってしまうんです。「読む価値がなかった」とか「読まなきゃよかった」と思われたくなくて。有益なことを盛り盛りに書くつもりはないけれど、せめてタップしてくれた時間の分くらいは、「読んでよかった」と思ってもらえる及第点のものを出したいと思っています。
——読者思いゆえの、理想の高さかもしれません。
葉七:そうかもしれません。唯一、迷わず「エイやっ」で出せるのは、英語学習アプリ『Duolingo』の記事です。自分の学習記録なので、スクショを貼って、話し言葉でバーっと書いてまとめちゃう。習慣化することで週に一回はnoteを書けるし、日記的な要素もある。自分の振り返りにもなっています。
自分の書きたいパターンに気付く。noteは、感情の逃がし方を教えてくれた

——葉七さんのnoteを見ていると、日々の思考が今日も続いていると感じます。
葉七:noteを書こうとすると、自然と「自分の内側のこと」を深く考えるようになりますね。嫌なことを言われたときも、それをそのまま書くのではなく、一度「自分ごと」として振り返ってみる。すると、「なぜ、自分は嫌な気持ちになったのか」という自分の癖が見えてきます。
「ああ、今も同じところでつまずいてるな、結局そこへたどり着くのね」って(笑)。書くことで客観視できるようになると、感情の「逃がし方」が見つかるんです。
——日常の捉え方が、少しずつ変わってきたんですね。
葉七:そうですね。ずっとモヤモヤしているより、「これはこう考えればいいんだ」と、スッと流せるようになりました。だから、少しでも学びを見つけて、自分なりに納得感のある「書いていい記事」にしたい。それは、私にとって一種の免罪符のようなものかもしれません。
——葉七さんが普段惹かれる文章も、そういったスタンスのものなんですか?
葉七:短めのエッセイで、題材は重いけれど軽いタッチで書いてあるものは、つい読んでしまいます。サクッとさらっと読めるが、心に残るもの。その人が本当はどういう気持ちでこの言葉を選んだのか、つい背景を想像してしまいます。すっごく悲しい歌詞を、あえてアップテンポで明るく歌う曲も好きです。
——明るい曲調に乗せた、悲しい歌詞。その意外性があるからこそ、より悲しさが際立つ感じがします。
葉七:そうなんです。「頑張っているんだな」って思っちゃうんです。本当は辛いのかもしれないけど、「わかってくれよ」と嘆くのではなく、明るく振る舞いながら、自分を励ましている。そんな姿に、私は惹かれるのかもしれません。
——先ほど、「本当は、明るいことだけを書いていたい」とお話しされてましたね。そこに接点がある気がします。
葉七:そうですね。私はnoteを書くときは、最後は上を向けるような読後感を大事にしたいと思っています。小説でも、問題は解決していなくても、「私は前を向いて歩いていくわ」という終わり方が好きなんです。
なんやかんやあっても、読み終えた後に「ずん」と気持ちが重くなるのではなく、最後は「よし」と一歩踏み出せる。そんな世界観を、これからも大事にしていきたいですね。
終わったのに、今の方がメンバーとつながっている気がする

——卒業してからの方が、メンバーのnoteをよく読んでいると伺いました。
葉七:そうなんです。あの3か月間以上に、今の方がメンバーの更新を楽しみにしています。自然と仲間意識があるのか、「今日も頑張ってらっしゃるなあ」と勝手に勇気をもらっています。
——修了生の交流会にも、参加されてましたね。
葉七:カチカチと仕事しながら、耳だけで参加しました。皆さんの「大変ですよね」というおしゃべりがお茶会のようで、楽しかったです。私にとってnote部は「一人社長がいっぱい集まる事務所」のようなイメージ。それぞれが自分の道で自立していて、「あなたはそっちで頑張ってるのね。いいわね、いいわね」と応援し合える。その心地よさが、今も続いています。
「こうじゃなきゃ」と、つい思ってしまうあなたへ

——最後に、どんな人にnote部をすすめたいですか?
葉七:一人で書いていて、「これでいいのかな」と迷っている人ですね。note部に入ってよかったことは、「これをやっちゃダメ」とか、「こうじゃなきゃダメだ」という思い込みがなくなったことです。以前は「もっとちゃんとしなきゃ」と構えていましたが、今は短いつぶやきも、立派なnoteだと思えるようになりました。
——今もメンバーとつながっている感覚はありますか?
葉七:ありますね。0期の人の投稿を見ると、「あ、書いてる」と思って、つい読んでしまいます。あの期間をあの人数で過ごしたからこそ、今もメンバーの記事を見るとグッと想いが乗るのかなって思います。
(おしまい)
【プロフィール】
葉七(はな)
東北在住。在宅勤務で働きながら、小学生の娘を育てる一児の母。noteでは「葉七🫧𝚑𝚊𝚗𝚊 」として、日常で感じたことや、心地よい暮らしをテーマに発信している。
生活環境の変化をきっかけに一度執筆から離れるが、note部卒業後、あらためて「書くこと」と向き合う。現在は、自身の思考を言葉にしていくスタイルを少しずつ確立し、ほぼ毎日更新中。どんな題材でも、読み終えた後に上を向けるような読後感を大切にしている。
英語学習を続けるための工夫も好評で、日常会話を聞き取れるようになることを目指す等身大の記録は「楽しんで学べるのはいいですね」と読者から親しまれている。
執筆/石川 えりさ
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