連載#14│あとがき
ここまで読み続けてくださった方には
心より感謝申し上げます。
わたしは、長い年月にわたり
薬物依存症のパートナーとともに生き
その関係の中で「共依存」という見えない
沼にはまり込んでいました。
17年という歳月の中で、わたし自身の心が
壊れかけ、迷い、もがきながらも、それでも
歩みを止めずにここまできた体験を、全13章に
わたって書かせていただきました。
この連載で一番伝えたかったこと。
それは、依存症になった当事者をどうにか
しようとすることが本質ではなく
自分の人生を取り戻すことが何より
大切だということ。
つまり
過去と他人は変えられない。
でも、自分と未来は変えられると
いうことです。
◇
当時のわたしは生きづらさを抱えながら
相手に尽くすことで「自分の存在価値」を
証明しようとしていました。
でもその根底には「愛されたい」「役に立ちたい」
「見捨てられたくない」といった、幼い頃から
心の奥にすり込まれていた想いがあり
誰かの問題を「自分の問題」として
背負ってしまう…
手を差し伸べすぎて、自分がどんどん
すり減っていく…
それが、優しさや愛のカタチだと
信じ込んでいました。
本当の愛とは、犠牲になることでは
ありません。
本当の優しさとは、自分自身の心にも
光を当てることです。
共依存は「わたし」が「わたし」であることを
見失い、相手の人生に入り込みすぎてしまう状態。
それは、誰かのせいでも、自分の弱さでもなく
無意識に学習してきた「癖」だっただけでした。
当時、周囲からよくこんなことを
言われました。
「そんなにその関係がしんどいなら
離れたらいいのに」
「やめたらいいのに」
あなたは、そんなふうに簡単に言われた
経験はありませんか?
パートナーであれ、親子であれ、関係の中で
「なぜか苦しい」「なんか不自然」と感じていたり
頭ではわかっていても、それをうまく言葉に
できずにいたり…
離れるなんて、口で言うほど容易くないのが
共依存の難しさ…
そして、そんなふうに思った経験があるなら
あなたはきっと、責任感が強くて、心優しくて、
愛情深くて、困ってるひとを見ると助けに
なりたくて…
そんな方ではないでしょうか。
でもだからこそ、まずはやっぱり
気づくことなんです。
自分の気持ちを丁寧に見つめ直すこと。
少しずつ「わたし」に焦点を
当て直していくこと。
それが、本当の意味での回復の
はじまりになります。
そして、共依存の関係から離れるというのは
ただ物理的な距離を取ることではなく
こころの境界線を引くこと。
自分自身の人生を歩むと決めること。
それには、時間も、葛藤も、何度も揺れる心も
すべて必要なプロセスです。
たとえ今、真っ暗なトンネルの中にいるような
気持ちだとしても、かならず光はあります。
どんな経験も、どんな痛みも、あなたの人生に
とって無駄なものはありません。
わたしはこの体験を通して、ようやく
「わたし自身」の人生を歩めるようになりました。
決して楽ではなかったけど、だからこそ
あなたも「あなたの人生」を生きていい。
他の誰でもない「あなた」という存在を
大切にしてほしい。
そう伝えたいんです。
この連載が、どこかの誰かの希望の光に
なりますように。
そして、これからの人生がより自分らしく
より健やかに、より自由に広がっていきますように。
必要な人に届いていけば嬉しいです。
最後までお読みいただき
本当にありがとうございました。
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