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連載#13│当事者も家族も生きたい人生を生きていい



痛みを分かち合える場所と
新たに得ることのできた知識を"道具"とし

忘れたくないことや、気づいたことの
アウトプットと現実世界での実践。

とにかくその繰り返し。


そんな実践の繰り返しでは
できたこと、できなかったこと…

できたときに感じた感情…
できなかったときに感じた感情…

それらを道標に、たくさんのなぜ? を
自分自身に投げては、無意識にあるものを
見つけるための内観に明け暮れました。


だんだんと起きる問題のみを見るのではなく
全体からその問題を見ることができるように
なると、様々な自分が明らかとなっていきました。


見落としていたものや、見たくなかったものに
向かいながら、なぜ生き辛かったのかが、絡まった
糸が解けていくように気づけるようになったある日…

ふと意識が向いた先に、全く見えていなかった
別世界が、まるで霧が晴れるようにうっすらと
浮かび上がってくるような感覚と同時に

奥深くから、力強く大きな叫び声が聞こえた
気がしました。



それは

わたしにも、わたしの生きる人生がある!!
わたしにも、わたしの生きたい人生がある!!



そう聞こえた瞬間、ようやく囚われから
解放されたような、とても身軽い体感を捉えながら

「わたしの人生」という世界は、本当はずっと前から
すぐそこにあったのに、そこに目を向けれていなかった
のはわたし自身で

狭い世界に閉じ込めた自分を、様々な出来事を
通して呼び覚ますための道のりだっただけ、と
気づきました。

だとしたら、全てが神の計らいだったのだと
受け入れることで、ようやく本当の意味で
自分以外のことに関して”無力”だということを
認めたのです。

その時、はっきりとわたしは顔を上げ
胸を張って、真っ直ぐ光に向かって立ち上がった
自分の姿が浮かんだのでした。



内観をはじめて、どれくらい経ったでしょうか。

流れる月日の中で、気づきはじめたことに
チャレンジを繰り返しながら

少しづつ…
本当に少しづつ…

”わたし” は

なにを感じてる?
どう感じてる?
どうしたい?

幾度となく自分と対話を繰り返しながら
”わたし”を主体に、考えていること、感じて
いること、思っていることに意識を向けた日々…


振り返ると、パートナーの薬物問題を抱えてから
12年が過ぎようとしていました。


その頃、とある男性から好意を示されたことが
きっかけになって、こんな意識がふと頭を
過ぎったのです。

それは
”わたし”を大切にすることが一番大切
だということ。


その男性からの申出を受ける気は
ありませんでした。

ただ、好意を伝えてくれたそのひとに、微かでは
あったけど、確かにそのとき、ときめきを感じたことを
捉えたことで

意識を他に向けることが自分の助けになることを
そのとき知った気がしたのです。


わたしは、薬物依存症者となってしまっても尚、
愛して止まなかった司に、別れを告げました。

メールで、好きなひとができたと正直に伝えると
考え直してほしいという返信…


そのとき彼は、地元から離れたダルクに
お世話になり、その後そこでも上手くやれずに
故郷から離れた場所にいました。


心がかき乱れました。


引き戻されそうになる自分をそれでも
奮い立たせ、静かに腹を括り、そのままわたしは
返信をしませんでした。

その後、彼からは一度も連絡はこなかった。



既に籍はなかった司と、終わりました。




その後も、共依存に陥りやすい考え方や
思い方の癖を手放すことは簡単では
ありませんでした。


距離を起き、離れたことで徐々に正気を
取り戻していきましたが、それでも、完全に
そこから抜け切り、自分を取り戻すのに
5年の歳月がかかりました。


離れてから2年が経った頃、ふと気づいたんです。


彼と以前一緒に寝ていたダブルベッドで
別れを告げたにもかかわらず、ハタと気づいたこと…


ずっと半分のスペースで寝ていました。


そのことに気づいたとき、ひとりで笑って
しまったけど、どれだけ自分を見失い、どれだけ
依存が重症化していたか…


今から20年以上も前は、共依存からの脱出に
今ほど 情報もなく、なぜそうなるのか…

どうやってそこから抜け出すのか、の
根本的な解決になかなか繋がれない時代でした。

手探りでその道のりを進むしかなかった時代…


今は、当事者も家族も多くの情報が得れる時代と
なり、また、同じ問題を抱えた家族が共に回復
できる場も本当に増えました。


それでも、法に触れる薬物の問題は
抱えてしまった家族にとってはとてつもない
苦しみの入口となり、カミングアウトに勇気が
いります。


少しでもその”勇気”の支えとなればと、問題を
抱えた当初からの、小さな心の機微や変化の
体験を連載で綴ってみました。



◇◇一番役にたった道具は”離れる”ことだった◇◇


わたしの場合は、自分を取り戻すのに
一番役にたった道具は”離れる”ということでした。


関係嗜癖である共依存に陥ると、不健康な関係性を
手放すことは容易ではなく
そして、新たな関係を育むことにも、幾度となく 
その癖が顔を出そうとします。


癖づいたそのパターンによって傷ついてしまう
無意識にあるものに気づき、癒し、そんな自分も
許してあげることが、共依存からの回復に
なによりも大切だったと知りました。

そして、自分自身が幸せになってよいことを
自分に許可してあげること。


当事者も家族も、みんな自分の生きたい人生を
生きていいんです。

そのうえで、自分以外の人にできることは
真の愛情を持つことだけ。

そして、自分自身についての変わる可能性に
目を向ける。


今は本当にあらゆる情報を得ることのできる
時代となりました。

必ず光は射し込むことを信じて、どうかひとりで
悩まずに、あなた自身が回復に向けた分かち合いの
場を見つけてほしい。


依存症者の回復を手助けするのに必要なことは
何よりもまず、家族や身近な人が感情面で成長
しながら、自分自身の回復を始めることでした。

Just For Today
”今日一日”

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※本記事は、許可なく複製・複写・転載・流用することを固く禁じます。




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