見出し画像

”依存症”のそばで生きるときのこころに留めておくと良いこと



薬物依存症の家族を抱える方から、少し前に
いただいた質問から。

「家族は何からはじめたらよいですか?」


愛する人のためにできることを探してきた
はずなのに、気がつけば疲れ果て、出口が
見えなくなってしまった…。


かつて、覚醒剤依存症の元夫を支えようと
必死だった頃、同じことを自分自身にも
問いかけていました。

どうすれば止められるのか。
どうしたら助けられるのか。

その答えを探して走り続け、気がつけば
心も体もボロボロ。


今振り返ると、
最初の一歩は「本人をなんとかすること」ではなく「家族が壊れないこと」だった、と気づきます。


ここでは、その気づきにつながった5つの
視点を体験を交えながらお伝えします。


答えはひとつではありません。

ただ、共通して言えるのは、
家族が壊れてしまわないことが最優先”
だということ。

回復の入口を一緒に見つめてみたいと
思います。





①「もう限界かも」と思ったあなたへ

――家族が壊れる前にできること


依存症の渦中にいると、
家族は「頑張らなきゃ」「支えなきゃ」と
自分を奮い立たせます。

夜中に何度も電話が鳴り、出れば「捕まるかも」の被害妄想。

帰ってこない夫を待ちながら、胸が詰まる思いを抱えて仕事にも行かないといけない…

家に帰ると、二人の子どもを抱えて一人で
面倒をみる体力の限界…

その頃のわたしは「まだ頑張れる」「母親だから耐えなきゃ」と、自分を奮い立たせ続けていました。


でも、ふとした瞬間に「もうダメだ…」と心がささやく。


だからこそ言いたいのは、そんなとき、その
声は無視しないでということ。

限界を感じることは「弱さ」ではなく「SOSのサイン」。
まずは自分の心身を守ること。

睡眠をとる、信頼できる人に話す、相談窓口につながる。

どれも小さなことですが、それが
“家族が壊れないための第一歩”になります。



②「助けたい」が「苦しい」に変わったとき

――心の中で何が起きている?


最初は「なんとか助けたい」という
一心だったはずです。

わたしも渦中は「この人を助けたい」と
必死でした。
でも、繰り返される嘘や裏切り、約束を守らない姿に、気づけば「苦しい」「もう嫌だ」という気持ちが膨らんでいく。

でもその背景には、
助けたいのに助けられない無力感
自分を苦しめていたのです。

助けたいのに助けられない。
愛しているのに届かない。


そのジレンマこそが、家族を最も消耗させ
ます。
「苦しい」と感じるのは、あなたが冷たくなったのではなく、人として当然の反応。

心が悲鳴をあげている合図なんです。



③「あなたのせいで」

――その怒りと悲しみの下にある本音とは?


「あなたのせいで家族がめちゃくちゃだ!」
そう叫んだことが何度もあります。

叫んだ直後に押し寄せるのは、どうしようも
ない虚しさと罪悪感。

本当は怒りたいんじゃなくて、泣きたかったんです。

「もうこれ以上、わたしを傷つけないで」
「わたしだって大事にされたい」

その願いが伝わらない悲しみが、怒りに変わっていただけでした。

その感情の奥には、切実な願いがあります。
怒りの下には、深い悲しみと愛が隠れているのです。


気持ちをため込むほど、怒りは強くなります。
だからこそ、信頼できる場で本音を吐き出す
ことが大切。

わたしは家族会での出会いを持てたことが、
心を守る大きな支えになりました。

専門機関や家族会、カウンセリングは、
「安心して感情を出せる場所」になりえます。


下記マガジンもご覧ください▽


④「わたしの人生を生きてもいいですか?」

――共依存という苦しい愛のかたち


「本人のため」と思って行動してきたのに
いつの間にか自分の人生がなくなってしまった…
それが共依存です。

わたしも、依存症者を支えることに必死に
なりすぎて、気づけば自分の人生がどこかへ
消えていました。

共依存は、愛情が深いからこそ陥りやすいもの。
その苦しさは「自分を犠牲にしても愛を示さなければならない」と思い込んでしまうところにあります。

でも、本当に大切なのは “自分の人生を生きていい” という許可を自分に出すこと。

あなたが自分の人生を取り戻すことは、決して
「見捨てる」ことではなく、むしろ、健全な距離をつくることが、相手の回復にとても大きな力になります。


詳しく知りたい方はこちらも合わせて
お読みください▽


⑤「見捨てるわけじゃない」ってどういうこと?

――線引きの始め方


家族の回復に欠かせないのが「境界線を引くこと」。

境界線とは「ここから先は本人の課題」
「ここまでは家族ができること」と線を引く
こと。

例えば、借金の肩代わりをしない、暴言を受けたらその場を離れる、嘘を見抜いても追及しすぎない。

これらは冷たい態度ではなく
相手を依存症から守らないための愛情”です。

「見捨てるわけじゃない」とは、ただ距離を
置くだけでなく
“家族も健康を守りながら関わる姿勢”
持つこと。

境界線は一気に完璧に引けなくても大丈夫。

少しずつ「これはしない」と決めていくことで
回復への土台が整っていきます。

わたしもその繰り返しで、自分の生活を取り戻し、家族も落ち着きを取り戻していきました。


おわりに


「家族は何からはじめたらよいですか?」
その答えは、まず自分を壊さないことです。

家族が元気でいることは、依存症者本人に
とっても希望になります。
一人で抱え込まず、同じ経験を持つ人や専門家とつながってください。

回復は決して一瞬では訪れません。
でも、あなたが「わたしの人生を生きていい」と感じられるようになること。
そこから、家族も本人も少しずつ変わり始めます。



特に多かった他のご質問です。

違う視点からの参考になればと
願っています▽


いいなと思ったら応援しよう!

おさゆ【ピアサポーター】 よろしければ応援いただけるととても嬉しいです!いただいたチップは、クリエイターとしての学びに使わせてせていただきます。