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男子東大生の私がインカレサークルに入れなかった理由【コロナ世代】

インカレサークルという甘美

今年ももうすぐ終わりである。ノンサーの大学1年生の中には、4月の新歓の時期にサークルへ入らなかったことを後悔している人もいるのではないだろうか。

特にインカレサークル―難関大学の男子学生と女子大の女子が交わる空間―。そこにはあまりにも甘美な響きがある。中高時代に勉強を頑張ってきた男子学生であれば、興味や憧れを持たないことは不可能だろう。同級生が女子大の女の子たちといちゃいちゃ楽しそうにしているのを尻目に、直帰する毎日。嫉妬で狂いそうになるはずだ

かくいう私も、インカレに入り損ねたタチだ。 私のサークル選びについては、下の記事を読んでほしいのだが、新歓に行ったもののインカレではなく、学内体育会に入るという、今思うと明らかに間違った選択をしてしまった。

そして、この選択ミスに気付きだしてから大学3年生の終わりごろまで、インカレに入らなかったことを後悔し、嫉妬感情に苦しんだ。さすがに最近はその感情もほとんどないが。

しかし、仮にいま私が大学1年生として、もう一度新歓を受けられたとしても、同じ結果になる気がする。インカレに入る可能性は低いだろう。 今回は、その理由について私の体験談を交えて説明する。また、かつての私と同じようにインカレに入り損ねた男子大学生に向けて、現実的な打開策を提案しようと思う。

コロナ禍の「ぼっち」が挑んだ新歓

前提として、私が大学に入学した2020年度はコロナ禍真っ盛りであった。 4月に予定されていた新歓イベントは軒並み中止、前期はサークルの活動自体が全面禁止という状況だった。夏休みくらいからようやく活動が再開され、それに伴って新入生向けのイベントも復活し出した時期である。

本来、東大にはテント列という、駒場キャンパスで全サークルが一堂に会して行う新入生向けの一大イベントがある。しかしこの年は、各サークルが独自で新歓期間を設定し、1年生が自らSNSなどで情報を集めて応募するという形式にならざるを得なかった。 ぼーっとしていたり、受け身なタイプだったりすると、この波に完全に乗り遅れてしまう。そのため、2020年度入学組には大量のノンサー民が発生したのだが、それはまた別のお話。

しかし意外なことに、私はこのイレギュラーな新歓の波にうまく乗ることができた。合計3つのサークル・部活のイベントに参加したのである。高校卒業から半年程度しか経っておらず、今より遥かに「ぼっちコミュ障」であった当時の自分としては、かなりの偉業だといえる。中高6年間のうだつのあがらない生活から何とか抜け出したい、という強い思いがあったのだろう。また私は、受験勉強や就活など、マジョリティが経験することを、冷笑せずに真面目に取り組めるという長所があるため、それが作用したのかもしれない。

私が参加したのは、以下の3団体であった。

  • マイナースポーツのインカレサークル①

  • マイナースポーツのインカレサークル②

  • マイナースポーツの学内限定体育会

ここで言うマイナースポーツとは、すべて同じ種目である。東大にはその競技の団体が、インカレ2つと体育会1つの計3つ存在した。昔から興味はありながら気軽にはできないスポーツだったので、大学入学を機に始めたいと思ったのだ。

参加方法はどこも同じで、事前にGoogleフォームで練習参加希望の旨を伝え、当日、練習場所や集合場所に行くというものだった。今思うと、当時の私はよくもこのハードルを乗り越えられたものだ。中高時代、ほとんど誰とも会話していなかったというのに。

それぞれの団体について、詳しく振り返ってみる。

マイナースポーツのインカレ①

東大と東京女子大(東女)を中心に活動している少人数なサークルであった。それ以外の大学の人や東大女子も在籍しており、インカレ特有のガツガツした派手な雰囲気はなく、まったりしていた。男女ともに地味でおとなしい系の人が多く、自分でも馴染めそうな気配があった。 とは言っても、チー牛風の東大男子と地味な東女の先輩同士が、公然といちゃつくという「インカレならではの風景」も当然あり、少し引いてしまったが。

しかし、まったりしすぎているが故に新歓活動が低調で、今入会しても同期の東大男子が自分しかいないとのことだった。「このままいくと次期会長になれるよ」などと調子の良いことを言われたが、当時はコロナ禍で学内の繋がりが希薄だったため、同期がいないことは致命的だった。もっと東大生との交流をしたかったのだ。

マイナースポーツのインカレ②

同じスポーツのもう一つのインカレにも参加した。こちらはインカレ①とは異なり人数も多く、いかにもなインカレの雰囲気であった。東大生の中では垢抜けていて陽キャっぽい男子と、清泉女子大・聖心女子大・日本女子大あたりの少し派手目な女子大生が、華やかにガツガツと戯れていた。面白いことに、マイナースポーツというニッチな分野のくせに、明確に「陰キャサークル(①)」と「陽キャサークル(②)」に分かれていたのである(所詮マイナースポーツなので、強豪テニサーやダンスなどのガチ勢に比べれば、陽キャ度はたかが知れていると思うが)。

ノリが陽キャっぽくて明らかに馴染めなさそうだったのが大きいが、その日に起こった2つの象徴的な出来事が、私に入会を断念させた。

1つ目は、聖心女子大の先輩ら(2女)と我々東大男子1年生複数人が休憩時間に交流する機会があったのだが、みんなが「昨日見たドラマ」「高校時代に好きだった人」「高校時代の部活」などの話題でキャッキャしていたのに、私は一切会話に加われなかったことだ。その空間において、娯楽禁止家庭出身・恋愛未経験・運動部未経験の私は、明らかに異質な存在であった。無キャという言葉も知らなかった(まだ存在しなかった?)時代である。

2つ目は東大の先輩(3男)から、「君みたいなタイプはインカレ①のほうが向いているよ」と言われたことだ。純粋なアドバイスだったのかもしれないが、暗に「君のような陰キャはうちに要らない」と言われている気がした。

これまでの私の人生経験では対処できない世界が、そこにあった。 この状況に居たたまれなくなった私は、練習終了後、ひとり逃げるように帰宅した。練習場所であった赤羽あたりから最寄り駅までとぼとぼ帰った夜の街並み、1人で食べたジョナサン。そのすべてが、今でも記憶に鮮明に残っている

合理的な選択だったが、、、

そういうわけで、どちらのインカレも自分には違うと感じていた。11月に入り、そろそろ決めなきゃなという時期に見つけたのが、同じスポーツの学内限定の体育会であった。 学内限定なので東大生しかいないし、インカレに入らないような真面目な人や、おとなしい人も多かった。インカレ①②の懸念点が明らかに解決されているので、これに入らないという選択肢はなかった。

この意思決定は、これだけ見ると明らかに合理的で正しい。当時の私のコミュ力や人生経験、求めていることを踏まえた「最適解」を選んでいる。だからこそ、仮にもう一度新歓を受けられたとしても、私は同じ選択を繰り返すと思うのである。

しかし当時の私は、東大生しかいない組織特有の競争的・官僚的な雰囲気を考慮できていなかった。体育会の拘束時間の多さもナメていた。2020年当時、イブリースさんや東大卒の人生を考える会さんの記事があったら良かったのに、と強く思う

ノンサー民の逆転戦略

ここまで、私がインカレに入らなかった経緯を説明した。私の人生はもう変えられないので、ここからは私と同じようにインカレには入りそびれた現役大学生にアドバイスをしたい。

①2年次入会をする

もしあなたが今1年生であるなら、2年生で入会することを勧める。実際、私が所属していた体育会にも2年生から入った人が何人かいた。今更馴染めないんじゃないかと思うかもしれないが、1年後に同じことで後悔するのは明白である。だったら早ければ早いほど良い。長期的に見れば1年の差は誤差だといえるだろう。文化系のサークルであれば、特に2年入会のハードルは低いはずだ。

しかし、馴染めず2年で入会してもすぐ辞めてしまう人もいるので注意が必要だ。そのサークルの主活動に自分が向いているかを検討すると良い(例えばスポーツであれば、その競技が苦手だと「2年入会」という気まずさもあり、どうしても定着しにくくなる)。

②マッチングアプリを始める

結局これが言いたかったのかと思われるかもしれないが、正直なところ、インカレに対する憧れや嫉妬を解消する手段として、これが最短ルートである。 特にコミュニティが固定化していて、新たな出会いに期待できない大学3年生以上にお勧めである。というのも、インカレに対する複雑な感情は、主に「彼女ができない」という事実に由来するからだ。

純粋にそのスポーツがしたい、休日に遊びに行ける男女一緒のコミュニティが欲しい、というだけであれば、学内サークル、外部スクール、学科やクラス、バイト先などでも十分可能だ。逆に、不特定多数と女遊びがしたいなら、インカレであっても普通は実現不可能だろう。 要は、「東大と女子大という学歴差を生かして女の子にちやほやされつつ、最終目標として彼女が欲しい」という男子学生のありふれた欲望を満たすための装置が、インカレサークルなのである。

よって、最短で彼女を作り、リアルを充実させれば自然とこの感情は和らぐ。そして彼女を作ることだけを考えたら、マッチングアプリが最適であり、バイトやボランティアなどを通じた新たなコミュニティ構築は遠回りなのだ。

しかも、大学3年くらいになると、同じような思考を経た女子大生もアプリに流入してくる。 日本女子大や東京女子大に通っていて、1年生の頃は東大早慶のインカレの新歓に行ってみたが、大人しい性格ゆえに陽キャな雰囲気に圧倒されて入会しなかった層。あるいは入会したが、あまり馴染めずすぐに辞めてしまった層。 彼女たちは大学1、2年のうちは恋愛に興味がなかったり、コミュニティ内恋愛を志向したりするのだが、女子しかいない環境でどうにもいかず焦りだし、大学3年くらいからアプリに参入してくる。

こういう層が、我々無キャにとっての狙い目である。 我々男子と似たような価値観・性質を持っているため、あっさりインカレの雰囲気に溶け込んだ女子大生よりも、むしろ相性が良いといえるだろう。

また、アプリであれば年上や社会人など、普段接することのない属性とも出会える。「インカレでは経験できないことができている」と自分を納得させることもできる。まあその結果が、先日書いた記事のようなザマなのだが、それすらも「経験を通して自分はまた一段と大人になったのだ」と俯瞰すれば良いのである(笑)。

まとめ

結論を言おう。入れるものなら、インカレには入ったほうがいい。 「入ってみて合わなかったから辞める」のと、「入らずにいつまでも後悔する」のでは、前者の方が100倍マシだ。

大学院修士2年で就職を控えている現在だと、インカレに対して、流石にもう何の感情もない。 だが、それでも1つだけ、私が解消できない後悔がある。

それは、「もしあそこで入会して馴染めていたら、関わっていたはずの彼女たち」のその後の人生を、観測できないという点だ。 インカレの女子大生たちは、その後どのような人生を歩むのか。「インカレで高学歴男子と付き合っても、就活くらいの時期であっさりフラれる」なんて話を聞くが、それは真実なのか、それとも選ばれなかった男たちのルサンチマンが生んだ妄想なのか。その答え合わせをする資格が今の私にはない。

転校が多かった私が、小中学校のかつての同級生のその後を知ることができないように、交わらなかった世界線の物語は永遠にブラックボックスだ。 もし彼女たちの人生の軌跡をこの目で見ることができていれば、このnoteも、より多面的で考察の深い記事が書けただろう。ネタの宝庫をみすみす逃したという意味でも、やはり惜しいことをした。

だからこそ、まだ間に合う1年生や2年生には、食わず嫌いせずに一度はその世界を覗いてみてほしいと思う。 仮にそこで馴染めなかったとしても、あるいは私のように最初から入る勇気がなかったとしても、今はマッチングアプリという代替手段もある。私の失敗談を反面教師にして、皆さんが後悔のない、納得のいく学生生活を送れることを願っている。


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