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慢性的な肩峰下疼痛症候群と中枢感作〜運動×MWMの有効性〜

参考文献

Deniz V, Kelle B. Mobilization with movement plus exercise versus exercise alone for patients with central sensitization associated with chronic subacromial pain syndrome: a sham-controlled randomized clinical trial. BMC Complement Med Ther. 2025 Jul 28;25(1):289. doi:10.1186/s12906-025-05028-0.

慢性肩峰下疼痛症候群に伴う中枢感作患者に対する運動療法と運動療法を組み合わせたモビライゼーションと運動療法単独の比較:模擬対照ランダム化臨床試験

とりあえず内容を知りたい方はここ(論文の要約)

慢性肩峰下疼痛症候群(Subacromial Pain Syndrome: SPS)に中枢性感作を合併する患者に対して、運動療法とモビライゼーション・ウィズ・ムーブメント(MWM)を組み合わせた介入が、運動単独あるいは模擬MWM(sham-MWM)と運動の組み合わせよりも効果的であるかを検証した、模擬対照ランダム化試験です。

対象は慢性SPSかつ中枢感作が疑われる成人63名で、3群(MWM+運動群、sham-MWM+運動群、運動単独群)にランダムに割り付けられました。
主要アウトカムは中枢感作評価尺度(CSI)、圧痛閾値(PPT)、Q-DASHでした。

結果としては、3週間の介入直後ではいずれの指標においても有意差はありませんでした。
3ヶ月後では、MWM+運動群が他の2群に比べて、広範囲の圧痛閾値(特に三角筋・腕橈骨筋・大腿直筋・前脛骨筋)において有意な改善を示しました。

ポイントと感想

SPS×中枢感作

慢性的に肩の痛みを訴える患者では、痛みの持続期間が長期化し、明確な器質的異常が乏しい場合に、中枢性感作を考慮した方が良いと思います。
この研究では、中枢性の感作に関して物理的介入(MWM)による感作の緩和効果を検証した点に意義があると思います。

MWMの効果は少し時間がかかるか

MWMは関節可動域の改善や疼痛軽減に用いられる印象です。
中枢感作のような神経系の可塑性を伴う疼痛状態に対して、どこまで影響を及ぼせるかが注目ポイントです。

この研究では、短期的(3週間)には大きな変化は認められませんでしたが、3ヶ月の中期評価においてPPTに明確な改善が認められています。
MWMによる感作抑制や神経調節効果は少し時間が必要な可能性があります。

また、器質的な異常が乏しいという判断がどの様にされているのかも気になるところです。画像上は何もなくても、関節には何かしらの異常が発生している可能性もあるのかもしれませんね。

ではでは。

#理学療法士 #整形外科

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