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五輪コーチが選ぶレジスタンストレーニングの臨床応用



臨床のリアルと迷い

スポーツ外来や現場において、行われるレジスタンストレーニング。

トレーニングの選択と競技特性のギャップに悩むことが多い部分です。
また、筋力の向上とパフォーマンスに直結しないことも多いです。
今回は、ブラジルのオリンピックコーチたちが実際にどのような意図でトレーニングを選択しているのかをまとめてみました。

知見の整理と道標

今回の報告はブラジルのオリンピックスプリントおよびジャンプのコーチ陣が採用しているレジスタンストレーニング手法を調査したものです。
彼らがスピードとジャンプ能力を最大化するために選択している手法には、明確な傾向があります。

  • トレーニング手法の選択
    可変抵抗トレーニング(VRT)が約80%と最も多く、次いでエキセントリック(63%)、コンセントリック(58%)と続きます。
    疲労蓄積期には代謝コストの低いアイソメトリック(37%)も活用されています。

  • スクワットの深さ
    100%のコーチがスクワットを処方しています。
    特にスプリントのトップスピード向上には、浅いスクワット(膝関節屈曲0〜60度)が実施されています。

  • ハムストリングスの損傷予防
    ノルディックハムストリングスやスティフレッグ・デッドリフトが、筋構造の適応や大腿二頭筋長頭への選択的な刺激として評価されています。

  • 体幹(コア)トレーニング
    長時間行うのではなく、30分以下の短時間セッションで骨盤・腰部のコントロールを高めることが、パフォーマンス向上と損傷予防に直結するとされています。

臨床への落とし込みと深掘り

まず、どの段階のトレーニングなのかを考えましょう。
現状として、最大筋力を高める時期なのか、それとも調整としてパフォーマンスを高める時期なのかで、行う内容が変わってくると思います。
スクワットはまさに目的に合わせてその方法を変化させる必要があるトレーニングです。
「浅いスクワット」はスプリントのトップスピード時の姿勢に近く、浅い角度で高負荷・高速度の力発揮を促すスクワットが、特異的なパフォーマンス向上に直結します。

次に、障害予防の観点です。
ハムストリングス損傷予防は特に重要視されます。
レッグカールのような単関節運動は左右差の改善や初期のリハビリには有効ですが、競技特異的ではありません。
復帰に向けては、SLDで損傷しやすい大腿二頭筋長頭を刺激し、ノルディックハムストリングスで遠心性収縮への耐性を高めるという、目的別の使い分けが重要です。

そして、体幹トレーニングも重要です。
ただ漠然と時間をかけてはいません。
質の追求が求められます。
練習時間の限られたアスリートにとって非常に実用的なアプローチです。

締め

スクワットはフルが全てではありません。
目の前のアスリートがどのようなトレーニングが必要であるかをしっかり判断しましょう。

行うトレーニング一つ一つが、よりグラウンドでの動きに直結するようにしましょう。

参考文献

Loturco, Irineu, et al. Resistance Training Practices of Brazilian Olympic Sprint and Jump Coaches: Toward a Deeper Understanding of Their Choices and Insights (Part III). Journal of Human Kinetics 90 (2024): 183-214. doi: 10.5114/jhk/182888.

ブラジル人オリンピックスプリントおよびジャンプコーチのレジスタンストレーニングの実践:彼らの選択と洞察のより深い理解に向けて(パートIII)

ではでは。
#整形外科 #理学療法士 #リハビリテーション

ご覧いただきありがとうございました。

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