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投資初心者がのぞいた株の世界|#9(第1章)

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📖第1話から読める連載まとめ(目次ページ)

株式投資に興味を持ったものの、最初は何から始めればよいのか、まったく分かりませんでした。

投資の本や雑誌を買い、インターネットで調べてみる。しかし、そこに並ぶのは専門用語や複雑なチャート、企業分析の数字ばかり。正直なところ、読むだけで疲れてしまうこともありました。

当時は、今のようにYouTubeで分かりやすく解説してくれる投資系ユーチューバーもいませんし、SNSで気軽に情報を発信するインフルエンサーもほとんどいない時代でした。

また、身近に株式投資に詳しい知り合いや会社の先輩もいませんでした。職場では株の話題が出ることはあっても、具体的に「どう始めればいいのか」を教えてくれる人はいなかったのです。

結局、頼れるのは本屋に並ぶ専門書だけでした。

ただ、その専門書も、難しいことをさらに難しく書いているような印象でした。PERやROE、財務分析の指標、マクロ経済の話。とりあえず最後まで読んでみるものの、「なんとなく分かった気になる」だけで、実際に何を買えばいいのかまでは見えてきません。

まったく理解できないわけではありません。しかし、「理解した」と「実際に行動できる」は別物でした。

金融業界に勤めていたこともあり、銀行や証券会社の仕組み、金融商品の大まかな分類については、なんとなく把握していました。

まったくの素人というよりは、「少しかじっているけれど、実際には何もやっていない」という中途半端な状態だったのです。

システム部門に所属していたこともあり、日々データや数字に触れる環境にいました。業務では常に数字を基に判断します。そのため、チャートや財務情報そのものに抵抗はありませんでした。

けれど、「自分のお金を実際に動かす」となると、話はまったく違います。

数字として見るのと、資金を投じるのとでは、重みがまるで違うのです。

当時は残業が多く、手取りは月50万円近くありました。忙しすぎてお金を使う機会も少なく、貯金は順調に増えていました。

「この一部を使って、まずは少額から始めてみよう」

そう考えられる余裕はありました。

私は、とにかく始めてみることが大切だと思いました。ただし、一気に多額の資金を投入する勇気はありません。

そこで選んだのが、「自分にとって身近な分野から始める」という考え方でした。

金融業界で働いている以上、銀行、保険、証券、カード会社といったビジネスモデルは理解しています。仕組みが分かっている企業であれば、ニュースも業績もイメージしやすいはずだ。

そう考え、私は「金融株」に目を向けることにしました。

「自分が知っている世界なら、きっと判断もしやすい」

そんな素朴な理由から、私は最初の投資先を絞り始めたのです。


次回(第10話)は、実際に私が選んだ「リーマン後の金融株」についてお話しします。なぜ“安そう”という感覚で買うことになったのか。そして、その判断は正しかったのか。初めての売買の舞台裏を振り返ります。

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