有価証券担保ローンという仕組みを知る|#48(第3章)
第47話で、債券の仕組みや商品について理解が進み、バラバラだった知識が少しずつつながり始めました。
「債券は、安定した収入を作るための投資として使える」
そう感じ始めたことで、自分の中で債券の位置づけがはっきりしてきました。
そしてその流れの中で、もう一つ気になっていた仕組みについて、改めて調べてみることにしました。
それが、「有価証券担保ローン」でした。
元証券マンのYouTubeの中でも触れられていたこの仕組みは、保有している株式や債券などの金融資産を担保にして、資金を借りることができるというものです。
最初に聞いたときは、「資産を担保にお金を借りる」という点だけが印象に残っていましたが、改めて調べていく中で、その本質的な意味が少しずつ見えてきました。
ポイントは、「資産を売らずに活用できる」という点にあります。
通常であれば、現金が必要になったときは、保有している資産を売却する必要があります。しかし、有価証券担保ローンを使えば、資産を持ったまま、それを担保にして資金を調達することができます。
つまり、資産を減らさずに、資産を活かすことができる。
この考え方は、不動産投資で経験してきたものとよく似ていました。
自分の資金だけではなく、外部の資金(他人資本)を活用して、資産を拡大していく。
それを金融資産でも実現できる仕組みがあるということに、強い興味を持ちました。
そして、さらに調べていく中で、もう一つ重要なことに気づきます。
それは、「どの資産を担保にするか」が非常に重要だということです。
有価証券担保ローンでは、担保に入れる資産によって、借りられる金額の割合(担保掛け目)が異なります。
ここで、債券の特性が非常に活きてきます。
債券は、株式や投資信託と比べて、一般的に価格の変動が小さい資産です。もちろん、金利の変動によって価格は上下しますが、株式のように大きく変動することは少なく、比較的安定した値動きをする傾向があります。
この「ボラティリティの低さ」は、担保として見たときに大きな強みになります。
価格の変動が小さいということは、担保価値が大きく崩れにくいということです。
そのため、金融機関からの評価も高くなります。
実際に調べていくと、野村信託銀行の場合、外国債券の担保掛け目は60%とされていました。
一方で、株式や投資信託はおおよそ50%程度です。
この差は、一見すると小さく見えるかもしれませんが、実際の運用を考えると非常に大きな違いになります。
同じ1億円の資産でも、債券であれば6000万円、株式であれば5000万円程度までしか借りられない。この違いは、そのまま資産運用の効率に影響してきます。
つまり、債券は「収入を生む資産」であるだけでなく、「担保としても優秀な資産」だったのです。
ここで、自分の中で一つのイメージがはっきりと見えてきました。
債券で安定した利息を受け取る。
その債券を担保に資金を借りる。
そして、その資金を使って、さらに資産を積み上げていく。
この流れが成立すれば、単なる投資ではなく、「仕組み」として収入を積み上げることができるのではないか。
さらに、タイミングも非常に良いと感じていました。
自分がこのことを調べていた2025年当時、アメリカの政策金利は高い水準にありました。
その影響もあり、ドル建ての債券は比較的高い利回りで購入できる状況でした。
つまり、今このタイミングで債券を組み込めば、安定した利息収入を確保しやすい環境にあったのです。
債券の特性、担保としての優位性、そして市場環境。
それぞれバラバラに見えていた要素が、ここで一気につながりました。
そして、こう思うようになりました。
これは単なる投資ではなく、収入を作るための仕組みとして成立するのではないか。
不動産で学んだ考え方が、ここで金融資産にもつながった瞬間でした。
債券は、ただ保有するだけの資産ではない。
組み合わせることで、さらに大きな力を持つ可能性がある。
そう感じたことで、自分の中での位置づけが大きく変わりました。
次回(第49話)は、有価証券担保ローンを活用する前提で金融機関を比較する中で、なぜ野村信託銀行を選ぶことになったのか、その判断の過程について書いていきます。
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