FIREを目指すには時間が足りないと気づいた日|#23(第1章)
前回は、インカムがないという問題について書きました。
積み立てていた世界経済インデックスファンドは順調に増えていましたが、配当のようなインカムはありません。将来は資産を取り崩して生活していく必要があり、その方法にはどうしても違和感がありました。
ただ、私の中にはもう一つ気になっている問題がありました。
それが「時間」です。
資産は確実に増えている。
それは間違いありませんでした。
2019年ごろには、金融資産も6,000万円台になっていましたし、積立投資の仕組みも完全に生活の一部になっていました。数字だけ見れば、資産形成はとても順調だったと思います。
ただ、改めてエクセルで資産の推移をシミュレーションしてみると、あることに気づきます。
資産は確実に増える。
しかし、それには思っていた以上に時間がかかるということでした。
2019年当時、私の金融資産はおよそ6,000万円台でした。
仮にこの資産を年4%で運用しながら、これまでと同じように毎月15万円の積立を続けたとします。
当時、定年まではちょうど20年ほどありました。
その条件で計算してみると、20年後の資産はおよそ1億8,000万円台になるという結果でした。
もちろん、資産はしっかり増えています。
数字だけ見れば、決して悪い結果ではありません。
ただ、その結果を見て私が最初に思ったことは、「結局、定年まで働くことになるのかもしれない」ということでした。
当時の私は、資産が増えていくにつれて、「できれば早めに仕事を辞めて、もう少し自由な時間を増やしたい」という気持ちが少しずつ強くなっていました。
そんな心境だったこともあり、このシミュレーション結果は、少し現実を突きつけられたような気持ちにもなりました。
さらに、この資産を将来取り崩して生活するとしたらどうなるのかも計算してみました。
仮に20年後の資産が約1億8,000万円になったとして、一般的に言われている4%ルールで取り崩した場合、年間で使えるお金はおよそ720万円になります。
そこから税金を差し引くと、実際に手元に残る金額は600万円弱ほどでした。
この金額を見て、私は少しがっかりしました。
当時の年間の生活費をざっくり計算してみても、この金額では足りず、十分とは言えなかったからです。
つまり、このままの資産形成のペースでは、「お金に困らない生活」は成立しない(今の言葉でいうと「FIRE生活」は出来ない)、そう感じていました。
資産は増えている。でも自由な時間はまだまだ手に入らない。そのためには働き続けて、積立の原資を出し続けなければならない。
今振り返ると、ちょうど今世間で言われている「FIRE貧乏」に少し似たような感覚だったのかもしれません。
そして私は、この状況をどうにか変えられないだろうかと考えるようになります。
資産形成の方法について、改めて調べ始めたのも、ちょうどこの頃でした。
ただし、一つだけ自分の中で決めていたことがあります。
それは、リスクの高い投資はしないこと。そして、自分が理解できない仕組みの投資には手を出さないことでした。
当時、会社の仕事の関係で、ブロックチェーンやNFTといった新しい技術に触れる機会も多くありました。世の中でも大きな話題になり始めていた時期でしたが、私自身はそれを投資対象にする気にはなりませんでした。仕組みを完全に理解しているとは言えませんでしたし、とにかく価格の変動も大きく、長期的に安心して続けられるものではないと感じていたからです。
私が探していたのは、もっと違うものでした。
これまでと同じように仕組み化できて、日々の価格の上下に一喜一憂する必要もなく、生活や精神面にも影響を与えない。そんな形で、資産を増やしていける方法はないだろうか。
そう考えながら、私は次の一歩を探し始めていました。
次回(第24話)は、資産形成のヒントになった「ある助言」について書きます。
会社員でもできる資産形成の方法として、不動産投資という選択肢を意識し始めた頃の話です。
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