note1.5万フォロワーのライターが伝える「構成」の考え方。日記を最後まで読まれるエッセイに変えるための工夫
「気づけば、最後まで読んでいた......!」
そんなエッセイには、エピソードの展開に自然と引き込まれ、次の一文へと読み進めたくなる“流れ”があります。その読み心地を支える要素のひとつが、文章の「構成」です。
2026年6月15日、個人の情報発信をサポートする「パーソナル編集者®︎」のユーザーコミュニティ「ペンクラブ」では、作家・ライターのゆぴさんと代表のみずのによる「第16回noteコンサル会」を開催しました。
文章全体の流れや構成の見直しは、ひとりではなかなかむずかしいもの。イベントでは「説明はあえて削る」「時には自分自身にカメラを向けてみる」など、客観的な視点を持ってnoteをブラッシュアップするためのアドバイスが飛び交いました。
そんなコンサル会の様子の一部をお届けします!
登壇者プロフィール

いしかわゆき(ゆぴ)
Webメディア「新R25」編集部を経て2019年にライターとして独立。取材やコラムを中心に執筆する。ADHDとHSPを抱えながら、生きづらい世界をいい感じに泳ぐために発信を続ける。著書『書く習慣~自分と人生が変わるいちばん大切な文章力~』は4.5万部超でベストセラーに。その他著書に『ポンコツなわたしで、生きていく。』『聞く習慣』『ADHD会社員、フリーランスになる。』など。
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みずのけいすけ
goodbuff inc.代表。企業と個人のブランディング支援をしている。2006年、明治大学政治経済学部を卒業後、広告代理店でのプランナー勤務を経て、株式会社マイナビでメディア運営に従事。2018年、note株式会社に入社後、プラットフォームの急拡大期にディレクターとして関わり、2021年に独立。これまでに、のべ500社以上の情報発信をサポート。法人のメディア運用や、SNS活用法のアドバイスを行っている。
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あえて説明を削ることで、ストーリーのサビを目立たせる
まずは、hanaさんの子育てエッセイから見ていきましょう。
「子育て中、特に下の子が産まれてからの大変な日々を助けてもらったお笑い芸人についてつづったnoteです。同じように子育てで大変な思いをしてきた方々と、この気持ちを分かち合いたくて、より広く届けるためのアドバイスを聞きたいです」とコメントいただきました。
ゆぴ:今はお笑い芸人の紹介がメインになっているので、エッセイとして仕上げるなら「お笑い芸人との出会いが、自分の子育てをこんなふうにラクにしてくれた」というストーリーに軸を置いたほうがhanaさんの想いが伝わりそうだと感じました。

たとえば、今の導入はお笑い芸人の紹介のフリとしてはばっちりですが、hanaさんがどう悩んでいたかを書いたほうが、書きたい方向性に近づくはず。
みずの:子育てがどれだけ大変なのか、サラッと書いても想像してくれるひとはいるけど、より届けることを意識するなら、hanaさんなりの大変さをちゃんと伝えてあげたほうがいいと思います。
それが、「お笑い芸人に子育てを助けてもらった」という部分のフリになります。「苦しんだ」「大変だった」というフリがあるから、「助かった」がカタルシスにつながるんです。

ゆぴ:あと、本文中にたくさん貼ってくれているネタ動画のURLも、最後にひとつ貼るぐらいでいいんじゃないかな。まずは文章に集中してもらって、みんなが「そんなに助けられたお笑い芸人っていったい…?」と気になったタイミングでひとつ貼るとか。
本当に気になった方は自分で調べてくれるので、まずは自分のストーリーを読み切ってもらうことを優先したほうがいいと思います。
みずの:後半の「おかあさん、めんばーのすいみん用流して?」という息子さんのセリフがかわいいし、エピソードの温度感が伝わってくるからこそ、お笑い芸人の話は思い切ってコンパクトにできるといいですね。

自分が一番伝えたいことを補足するために必要な情報は書いたほうがいいけど、説明しすぎると自分の話が目立たなくなってしまうんですよね。一旦書き切ってから、「これはなくても伝わる」と思う説明はどんどん削っていきましょう!
ゆぴ:最後に、タイトルもブラッシュアップしたいです。今は「メンバー」と入っていますが、「メンバー」を知らないひとが見たら、おそらくピンとこないから…固有名詞を外して「とあるお笑い芸人」ぐらいの抽象度にしてみるのはどうでしょう?
「とあるお笑い芸人の“歌ネタ”が、わたしの子育ての救世主となった話」なら、ストーリーも伝わるし、「メンバー」を知らないひとにも届くと思います!
💡noteのポイント
・伝えたいメッセージの“いいフリ”をつくるために、エッセイのリード文ではエピソードの前日譚を書いてみる
・ストーリーを伝えるために必要な説明以外はあえて削って、サビやメッセージを目立たせる
エピソードごとに“ブロック分け”してみると、読みやすいエッセイになる
つづいては、ぴかるさんから公開前のnoteについてのご相談です。「近所の銭湯でよく一緒になるおばあちゃんとの関わりについて書きました。日記ではなく、エッセイとして読んでもらえるよう、公開前にアドバイスがほしいです」とコメントいただきました。
ゆぴ:一つひとつのセリフやシーンの描き方はすてきなので、エピソードを整理したらもっと読みやすくなると思います。
▼現在のエッセイの流れ
①銭湯でおばあちゃんと喋っているシーン
②おばあちゃんがお風呂上がりに“いいもん”をくれる話
③ぴかるさんの週3銭湯生活が一時休止中だという話
④おばあちゃんから“ものすごくうれしいもの”をもらった話
②と④は「ものをもらう」パートとしてひとまとめにして、①→②&④→③とするのはどうでしょう?
よく行く銭湯にこんなおもしろいおばあちゃんがいて、お風呂上がりには毎回“いいもん”をくれて、この前はこんなにうれしいものをもらっちゃって。そして最後に「最近、私が銭湯生活をお休みしているから、会えていなくてちょっと寂しいんだよね」と余韻を残す流れです。
何シーンかを積み重ねていくエッセイは、そのまま書くと取っ散らかりやすい。そういうときは、ある程度ブロック分けしてみると構成しやすくなると思います。
第三者について語るエッセイの流れは、エッセイストの長瀬ほのかさんのnoteが参考になるんじゃないかな。1つのnote記事のなかに、4つぐらいのエピソードが連なったエッセイで、最初と最後が「本棚」でつながっている構成がおしゃれ。
みずの:構成の妙ですね。あと、エピソードごとに仮の見出しを付けてみると流れを考えやすいです。公開時に不要であれば、見出しをとっちゃってもいいので。
ゆぴ:もうひとつ、ぴかるさんのnoteで気になったのが、おばあちゃんの話と同じくらい銭湯の話もたくさん出てくること。銭湯についても盛り込みたい気持ちはわかりますが、やっぱり今回のnoteでは「おばあちゃん」にフォーカスを当て続けたほうが没入感が生まれそうだと感じました。
みずの:読後感を「おばあちゃんとの関わり」にしたいんですよね。銭湯の話は、スピンオフとして別のnoteでしっかり書くのもありだと思う。
構成は少しテコ入れするぐらいだと変化を感じづらいので、削るなら思い切って半分ぐらいの長さにしてみることをおすすめします。やっぱり残したいと思ったらまた今のバージョンに戻せばいいので、短縮バージョンも試してみてもいいかもしれません!
💡noteのポイント
・エッセイの構成を考えるときには、エピソードごとに仮見出しをつけてみるとわかりやすい
・構成やエピソードの取捨選択に悩んだら、「どんな読後感を抱いてほしいか」に立ち戻る
事実に対してどう思ったのか。エッセイには書き手の解釈を入れてみる
最後は、れもんさきさんです。noteでは、元保育士の視点を活かした長期的な子どもの観察記録や日記を中心に書いています。
今回のnoteについては「書くことで娘をより知れたという点で満足しているものの、娘を捉えるまなざしを読者にも伝えるうえでは、もう少し工夫ができそうだと感じています」とコメントいただきました。
みずの:いい写真だな…。

内容も書き手の温度感が伝わってきてすてきだと感じますが、はじめましての読者には少し情報が足りない部分があるかも。
たとえば、娘さんの年齢。タイトルには「1歳2ヶ月」と入っているけどリード文にもいれておきたいですね。れもんさきさんがどんなひとなのかも、ひとことでいいので目次の前に伝えておくと、読み進めてもらえそうです。
ゆぴ:タイトル「夕方、毎日同じ場所に現れる虹と日々反応が変化していく娘。|1歳2ヶ月の娘の探求キロク」も工夫したいですね。
れもんさきさんのnoteで一番読まれている「1歳の娘が見ている世界を尊重すると、私の世界まで豊かになった」は、タイトルから書き手の変化や読後感が想像できます。この方向性でチューニングしてみるのがいいんじゃないかな。
みずの:この記事のなかで、れもんさきさんの心が動いたハイライトをピックアップしてタイトルに入れてみるのはどうでしょう。読者に「私、ここがぐっときたんだよね」とプレゼンしてみるイメージです。
ゆぴ:あと、本文も「こんな娘を観察しました」という事実は伝わるんだけど、記録を超えた読み物にするなら、娘さんを観察したれもんさきさんの“解釈”をもう少し知りたいです。観察してみてどう思ったのか、どんなことを想像したのか。
みずの:タイトルでも本文でも、自分のまなざしに写ったものだけでなく、時には自分自身にカメラを向けて書いてみると、立体感があるエッセイになると思います!
💡noteのポイント
・書き手の変化や記事の読後感を想像させるタイトルは興味を引く
・事実とセットで書き手の視点や解釈を書いてみると、エッセイに立体感が生まれる
個人の日記を最後まで読まれるエッセイに変えるヒントが多数登場した今回のイベント。「書いてみたものの、うまく伝わらないかも」と感じたときには、ぜひ、このnoteで書かれているヒントに立ち戻ってみてください。
次回は、2026年7月13日(月)12:00~13:00に開催します。チャット参加や公開前のnoteの持ち込みも大丈夫です。ランチタイムのついでに、お気軽にご参加ください!
※「パーソナル編集者®」ユーザー限定のイベントです
