ある日、我が子が障がい者になったら。
こんにちは。
私は小児の理学療法士をしているアラサーです。
今日は、少し重たいテーマで書きます。
その日は、突然来る
この仕事をしていると、
こういう親御さんに出会います。
昨日まで普通に走り回っていた子が、
ある日突然、歩けなくなった。
健診で「異常なし」と言われていたのに、
1歳半を過ぎてもまだ歩かない。
「うちの子、なんか変かな」と思っていたら、
診断名が告げられた。
その瞬間のことを、
お母さんたちはよく覚えています。
先生が何を言っていたか、
あまり頭に入ってこなかった。
隣に夫がいたのに、
なぜか一人でいるような感じがした。
帰りの車の中で、
信号が赤になるたびに泣いた。
ある母親の話
以前担当した子のお母さんのことを、
今でも思い出します。
(※複数の方のエピソードを合わせて、特定されない形で書いています)
診断がついて、リハビリに来始めた頃のことです。
毎回、笑顔で来るんです。
「今週はこんなことができました」
「先生、これ見てください」
明るくて、前向きで、
私はすごいお母さんだなと思っていました。
ある日、リハビリが終わって、
廊下でばったり会ったとき。
「大丈夫ですか?」
なんとなく聞いてみたんです。
そしたらお母さん、
少し間を置いて、こう言いました。
「大丈夫じゃない日のほうが、多いかもしれないです」
その言葉が、刺さりました。
ずっと大丈夫なふりをしていたわけじゃない。
でも、大丈夫じゃないと言える場所が、
どこにもなかったんだと思いました。
なぜ、言える場所がないのか
ここで少し、立ち止まって考えたいです。
なぜ、このお母さんは
「大丈夫じゃない」と言える場所がなかったのか。
夫に言えなかった。
親に言えなかった。
友達に言えなかった。
障がいのある子を持つ親は、
「強くいなければいけない」という空気の中に
置かれやすいです。
周りも、どう声をかけていいかわからない。
本人も、弱音を吐いたら崩れそうで怖い。
結果、一人で抱える。
これは、その家族の問題じゃないです。
障がいのある子を持つ親が
孤立しやすい社会の構造の問題です。
相談できる窓口は、
制度の上では存在しています。
でも、「制度があること」と
「使いやすいこと」は、
全然違います。
情報が少ない。
たらい回しにされることがある。
そもそも相談する気力が残っていない。
支援が必要な人ほど、
支援にたどり着けない。
この現実を、
現場にいると毎日感じます。
「受け入れる」って、どういうことか
よく「受け入れることが大事」と言われます。
でも私は、
この言葉が時に残酷だと感じることがあります。
受け入れるって、何ですか。
障がいがあることを喜べということじゃないです。
「これでよかった」と思えることでも、ないと思います。
ただ、
その子がその子であることを、見ていくこと。
昨日より今日、今日より明日、
その子の世界が少し広がることを、
一緒に探していくこと。
それが、私が現場で見てきた
「受け入れている」親御さんたちの姿です。
最初から受け入れられた人なんて、
一人もいなかったです。
みんな、時間をかけて、
泣いたり怒ったり落ち込んだりしながら、
少しずつ、そこに来ていました。
そしてそれは、
その親御さん一人の努力で
たどり着いたわけじゃないです。
話を聞いてくれる人がいた。
同じ立場の親御さんと出会えた。
子どもの小さな成長を一緒に喜んでくれる人がいた。
その積み重ねで、少しずつ変わっていった。
「受け入れること」は、
一人でするものじゃないと思っています。
社会が、もっと変わらないといけない
障がいのある子を持つ家族への支援は、
まだ全然足りないです。
きょうだい児への配慮が足りない。
夫婦間のすれ違いへのサポートが足りない。
親が一人の人間として休める仕組みが足りない。
「障がいのある子の親」というだけで、
何かを諦めなければいけない場面が、
まだたくさんあります。
それは、その家族が弱いからじゃないです。
社会が、まだその家族を
ちゃんと支えられていないからです。
私は理学療法士として、
目の前の子どもの体を診ることしかできないです。
でも、
その子の親御さんが孤立しないように、
「大丈夫じゃない」と言える場所に
少しでもなれたらと思いながら、
毎日仕事しています。
最後に
もし今、
我が子の診断を受けたばかりの方が
この記事を読んでいるなら。
泣いていいです。
混乱していていいです。
先が見えなくていいです。
それは当たり前のことです。
そして、一人で抱えないでほしいです。
リハビリでも、
支援センターでも、
同じ立場の親御さんのコミュニティでも。
あなたの「しんどい」を、
ちゃんと受け取ってくれる人は、います。
その子のことを、
こんなに心配できるあなたは、
もう十分、いい親です。
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