子どもがおもちゃで遊ぶ真の理由、ご存知ですか?
こんにちは。
私は小児の理学療法士をしているアラサーです。
突然ですが、質問です。
子どもって、なんでおもちゃで遊ぶと思いますか。
楽しいから。
まあ、そうなんです。
でも実は、それだけじゃないんです。
小児PTの視点から見ると、
「え、そういう理由があったの?!」
ってなることが山ほどあります。
今日はそれを全部書きます。
積み木で遊ぶとき、子どもの脳と体は大忙し
積み木って、地味に見えて
実はすごいおもちゃです。
つかむ、持ち上げる、そっと置く。
この一連の動作の中に、
「どのくらいの力を入れるか」の調整、
「どこに置けば崩れないか」の空間認識、
「目と手を同時に動かす」協調運動、
全部入っています。
特に「つかむ」という動作。
これ、実はかなり高度な動きです。
生まれたばかりの赤ちゃんは、
手全体でものを握ることしかできないです。
それが少しずつ発達して、
親指と人差し指でつまめるようになっていく。
積み木の小さなパーツを
指先でつまんで積み上げる動作は、
その発達の集大成みたいなものです。
崩れた瞬間に「あーー!」って声出すやつ、
あれ、体で物理を学んでいます。
重力を、手で感じています。
ボールで遊ぶとき、体幹と予測能力が育っている
ボールって転がるし、
弾むし、
予測できない動きをします。
それを追いかけることで何が育つか。
まず、体幹です。
ボールを追いかけるとき、
子どもは無意識に体重移動をしています。
左に転がったら左に重心を移す。
右に来たら右に構える。
この連続した重心移動の中で、
バランスを保つための体幹が鍛えられています。
次に、予測能力です。
「このボールはどこに飛んでくるか」を
瞬時に計算して、
そこに体を動かす。
これ、脳科学的には「予測的姿勢制御」と言います。
難しい言葉ですが、
要するに「先読みして体を準備する力」です。
この力って、
スポーツだけじゃなくて
日常生活のあらゆる場面で使います。
段差を降りる前に体を準備したり、
人混みの中でぶつからないように歩いたり。
ボール遊びは、
その土台を作っています。
リハビリ室でもボールはよく使います。
子どもが楽しそうに追いかけているとき、
私はめちゃくちゃいろんなことを観察しています。
ままごとで遊ぶとき、人間にしかできないことをしている
ままごとって、
地味にすごい遊びです。
「これがお皿で、これがスプーンで、
今から料理して、誰かに食べさせる」
一見ただのごっこ遊びですが、
これ実は、人間にしかできない認知能力を使っています。
「目の前にないものを、あるかのように扱う」
これを「象徴機能」と言います。
石ころをお肉に見立てる。
積み木をケーキに見立てる。
これができるのって、
実は2歳前後から発達し始めます。
この時期に象徴機能が育つことで、
言葉の発達にもつながっていきます。
言葉って、
「りんご」という音が
実際のりんごを指すことを理解する力が必要です。
それって、
「目に見えないものを頭の中で扱う力」
と同じ構造なんです。
ままごとで遊んでいる子どもは、
言語能力の土台を作っています。
「ただのごっこ遊び」、
全然ただじゃないです。
おもちゃの取り合いは、実は学びの現場
お友達とおもちゃで遊ぶとき、
子どもは同時にいろんなことを学んでいます。
「待つ」こと。
「貸す」こと。
「一緒に何かを作ること」。
取り合いになっているのを見て、
「また喧嘩して」って思うかもしれないですが、
あれ、
社会性を学んでいる最中です。
特に2〜3歳の時期は、
「自分のもの」という概念が芽生える時期です。
だから取り合いが増えます。
これ、発達的にはむしろ正常です。
「自分」と「他者」の境界線を理解し始めているサインです。
そこから少しずつ、
「貸してあげたら喜ばれた」
「順番を守ったら自分も遊べた」
という経験を積み重ねて、
社会のルールを体で覚えていきます。
止めすぎなくていいです。
ある程度、見守っていいです。
「できた!」の瞬間が、脳に刻まれている
これが実は、一番大事かもしれないです。
積み木が高く積めた。
ボールを遠くに投げられた。
ままごとで「おいしい!」って言ってもらえた。
この瞬間、
子どもの脳内では
ドーパミンが分泌されています。
ドーパミンは「快感物質」とも呼ばれますが、
実はそれだけじゃないです。
「またやりたい」
「もっとうまくなりたい」
という意欲の源でもあります。
つまり「できた!」の体験が、
次の挑戦への原動力になっています。
そしてこの積み重ねが、
「自分はできる」という感覚、
「自己効力感」になっていきます。
自己効力感が高い子は、
困難なことに直面したとき、
諦めにくくなります。
だから、
できたときに一緒に喜ぶことは
すごく大事です。
大げさなくらいでいいです。
親の「すごい!」が、
子どもの自信になります。
理学療法士として、現場で感じること
リハビリ室には、
いろんなおもちゃが置いてあります。
ただの遊び道具じゃないです。
「この積み木は指先の分離運動が必要だから、
この子の今の発達段階に合っている」
「このサイズのボールだと、
両手で抱えることになって
体幹がちょうどよく使われる」
「ままごとセットを使うことで、
この子の象徴機能がどこまで育っているか確認できる」
そういうことを考えながら選んでいます。
子どもが無心で遊んでいる横で、
私はめちゃくちゃいろんなことを観察しています。
だから高価なおもちゃじゃなくていいです。
シンプルなもので十分です。
積み木、ボール、ままごとセット。
これだけあれば、
発達に必要なことはほぼカバーできます。
大事なのは、
一緒に遊ぶ時間です。
おもちゃがどんなに良くても、
隣で笑ってくれる大人がいるかどうかで、
遊びの質は全然変わります。
最後に
子どもがおもちゃで遊ぶのは、
楽しいからだけじゃないです。
指先で体の使い方を覚えて、
ボールで体幹と予測能力を育てて、
ままごとで言語と想像力の土台を作って、
取り合いで社会性を学んで、
「できた!」で自信を積み上げている。
全部、遊びの中でやっています。
「ちゃんと勉強させなきゃ」より先に、
「思いっきり遊ばせる」が大事です。
我が子がおもちゃで遊んでいる姿を見るとき、
この記事を思い出してもらえたら嬉しいです。
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