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育児をN●Kナレーション風で実況したら、なぜか感動した。

こんにちは。
私は小児の理学療法士をしているアラサーです。
今日は少し趣向を変えて書きます。
N●Kドキュメンタリー風に月曜日の様子をお届けします。

午前6時58分。
静寂の中、アラームが鳴る。
親は目を覚ます。
正確には、目が開いた。
眠れていたかどうかは、定かではない。
昨夜、子どもが2時に起きた。
3時にも起きた。
4時半にも起きた。
そのたびに親は起き上がり、
背中をさすり、水を飲ませ、また横になった。
トータルの睡眠時間は、おそらく4時間を下回る。
「これが、現代の育児である。
睡眠不足は、育児において最も基本的な条件のひとつだ。
親たちは、この状態で毎日を回している。」

午前7時04分。
親は子どもの部屋へ向かう。
起こすためではない。
生存確認である。
子どもは眠っている。
穏やかな寝顔だ。
昨夜あれだけ泣いた生き物と、
同一人物とは思えない。
しばらく、その顔を見つめる。
怒りが、静かに溶けていく。
「子どもは、深く眠る。
親は、浅く眠る。
それでも親が子どもの寝顔を見に行くのは、
怒りをリセットするためかもしれない。
意識的かどうかは、わからない。
ただ、親たちは毎朝そこへ向かう。」

午前7時12分。
起こす時間が来た。
「起きて。」
返事はない。
「起きて。」
布団が、深く被られる。
「起きて。」
小さな唸り声が聞こえた。
それだけだ。
親は布団をめくる。
子どもは目を開けない。
しかし体は、少し動いた。
これを、起床と呼ぶかどうかは議論の余地がある。
「子どもの覚醒には、平均して8分から15分かかる。
これは発達上、自然なことである。
前頭葉がまだ育っていないため、
急な切り替えが苦手なのだ。
しかし親に、その15分を待つ余裕があるかどうかは、
また別の問題である。」

午前7時21分。
子どもが起きた。
機嫌は、悪い。
理由は不明である。
おそらく本人も不明である。
親は朝食を用意する。
トースト、ヨーグルト、バナナ。
昨日も同じメニューだった。
子どもが食べるものが、これしかないからだ。
子どもは、バナナだけを食べた。
トーストには、触れなかった。
ヨーグルトは、スプーンで叩いた。
「いただきます」は言わなかった。
「親は、今日も黙って片付ける。
声に出したいことは、たくさんある。
でも朝の機嫌が悪い子どもに言葉をぶつけても、
事態は悪化するだけだということを、
親はすでに学習している。
この判断力は、育児を通じて身につくスキルである。」

午前7時43分。
着替えの時間である。
親がシャツを差し出す。
子どもは、受け取らない。
親がもう一度差し出す。
子どもは、床に座る。
親がもう一度差し出す。
子どもは、別の方向を向く。
親は深呼吸する。
3秒。
それだけで全然違う。
経験から得た知恵だ。
「自分でできる?」
子どもの目が、少し変わった。
自尊心に、火がついた瞬間である。
シャツを受け取る。
腕を通す。
頭が引っかかる。
もがく。
もがく。
もがく。
親が手を貸そうとする。
「じぶんでやる!!!」
手を引く。
もがく。
もがく。
脱げた。
いや、脱いだのではなく、外れた。
方向が逆だ。
「この着替えの攻防は、平均して4分32秒続く。
記録は、17分。
親は、その日のことを今も語らない。」

午前7時58分。
玄関にたどり着いた。
靴を履く。
右足、入った。
左足、入らない。
もう一度。
入らない。
靴を投げた。
親、拾う。
もう一度渡す。
今度は入った。
ドアを開ける。
外に出る。
「トイレ行きたい。」
「!!!!!!」
「この『トイレ行きたい』は、
出発直前に高確率で発生することが確認されている。
小児の理学療法士として申し上げると、
これは膀胱の感覚が発達途上であり、
直前まで尿意を認識できないことが多いためだ。
意地悪ではない。
本当に、直前までわからないのだ。
しかし親の心境については、ここでは割愛する。」

午前8時09分。
改めて、外に出た。
子どもは走り出す。
昨夜あれだけ泣いて、
今朝あれだけ機嫌が悪かった子どもが、
今は全力で走っている。
親は後ろから歩く。
その背中を見ながら、
何かを感じている。
怒りではない。
疲れでもない。
うまく言葉にならない、
あの感じだ。
「毎朝、同じことが起きる。
毎朝、親は諦めない。
走る背中を見ながら、
また今日も来てしまったと思う。
それを、育児という。」

午後6時34分。
親が帰宅する。
ドアを開けた瞬間。
「おかえり!!!!」
子どもが走ってくる。
全速力で。
ぶつかってくる。
その重さと温かさが、
今朝のことを、静かに上書きする。
子どもは、今しかない。
怒っていた朝も、
トイレで遅刻しそうになった瞬間も、
靴を投げた玄関も、
全部、今日だけのことだ。
「こうして、また一日が終わる。
明日も、きっと同じことが起きる。
それでも、ドアを開けたときに走ってくるあの子のために、
また明日も起き上がる。
これが、育児である。」

小児の理学療法士として最後に一言
ドキュメンタリー風に書きましたが、
これ、全部本当のことです。
睡眠不足で起き上がり、
機嫌の悪い子どもに向き合い、
着替えに5分かけて、
玄関でトイレ宣言を受け止める。
誰も撮影しない。
誰も実況しない。
誰も表彰しない。
でも確かに、毎日起きていることです。
そしてそのすべてに、
発達の理由があります。
深く眠る子どもは、脳が育っています。
機嫌が悪い朝は、感情を調節する練習中です。
着替えに時間がかかるのは、手先と自律心が育っています。
トイレが直前なのは、感覚が発達途上だからです。
毎朝の戦いは、
子どもの成長の現場でした。
今日も一日、本当にお疲れ様でした。

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