子どもの発達に「遅れ」という言葉を使うのをやめてほしい
こんにちは。
私は小児の理学療法士をしているアラサーです。
「発達が遅れています」
この言葉を、
仕事の現場で聞くたびに、
少し止まってしまいます。
遅れている。
その言葉の重さを、
受け取った親御さんはどう感じるのか。
今日はそれを、
小児PTとして正直に書きます。
「遅れ」という言葉が前提にしていること
「発達が遅れている」という言葉には、
前提があります。
「正しいペース」が存在する、という前提です。
この月齢ならこれができるべき。
この年齢ならここまで育っているべき。
それに対して、この子は遅れている。
でも私は、この前提に少し違和感があります。
発達の「正しいペース」とは何か。
それは平均値です。
大勢の子どもを測って、
平均を出して、
その平均を「正常」と呼んでいる。
でも平均値は、
全ての子どもに当てはまる正解ではないです。
平均より早い子も、
平均より時間がかかる子も、
どちらも「その子のペース」で育っています。
「遅れ」という言葉が親御さんに与えるもの
仕事で親御さんから相談を受けるとき、
「発達が遅れていると言われた」という言葉とともに、
たいてい一緒についてくるものがあります。
罪悪感です。
「私の育て方が悪かったのか」
「もっと早く気づけばよかった」
「私がちゃんとしていれば」
「遅れ」という言葉は、
原因が親にあるような響きを持っています。
でも発達のペースは、
親の育て方だけで決まるものじゃないです。
脳の発達には個人差があります。
感覚の処理の仕方に個人差があります。
体の使い方の発達に個人差があります。
それは親のせいじゃないです。
なのに「遅れ」という言葉が来た瞬間に、
親御さんが自分を責め始める場面を、
現場で何度も見てきました。
「遅れ」じゃなくて「その子のペース」です
私は仕事の中で、
できるだけ「遅れ」という言葉を使わないようにしています。
代わりに使うのは、こういう言葉です。
「この子は、ここに時間をかけているんですね」
「この部分は、もう少し育つのを待ちましょう」
「この子のペースで、着実に進んでいます」
言葉が変わるだけで、
親御さんの表情が変わることがあります。
「遅れている」と言われたとき。
「時間をかけている」と言われたとき。
同じ状況を説明しているのに、
受け取り方が全然違います。
言葉は、見え方を作ります。
早期発見・早期対応は大事です。でも。
ここは誤解してほしくないので、
正直に書きます。
発達の気になるサインに早く気づくことは、
大事なことです。
早く支援につながることで、
その子の生活がより豊かになることがあります。
それは本当のことです。
でも「早く気づく」ことと、
「遅れていると責める」ことは、
全然違います。
「この子には、こういう特性があります。
だからこういう関わりが合っています。」
これが伝えたいことです。
「遅れています」ではなくて、
「この子にはこういう見方が必要です」が、
本当に伝えるべきことだと思っています。
「普通」って何ですか
もう一個、正直に言いたいことがあります。
「普通の発達」という言葉も、
私はあまり好きじゃないです。
普通って何ですか。
平均値が普通なら、
平均より早い子も普通じゃないことになります。
でも誰も「発達が進みすぎています」とは言わないです。
「遅れ」だけが問題にされる。
これは、発達を一方向の直線で見ているからだと思います。
でも実際の発達は、
直線じゃないです。
ある部分は早く育って、
ある部分はゆっくり育つ。
全部が平均通りに育つ子どもなんて、
ほとんどいないです。
「遅れ」じゃなくて、
「凸凹」と見る。
その見方が、
もっと広まってほしいと思っています。
親御さんに伝えたいこと
「発達が遅れています」と言われた親御さんに、
伝えたいことがあります。
それはあなたのせいじゃないです。
そしてその言葉を受け取ったとき、
自分を責める必要はないです。
その子には、その子のペースがあります。
時間をかけている部分には、
ちゃんと理由があります。
遅れているんじゃなくて、
今はそこを育てている時期なんです。
焦らなくていいです。
比べなくていいです。
その子が今日できたことを、
ちゃんと見てあげてほしいです。
最後に
「発達が遅れています」という言葉を、
使う側も受け取る側も、
もう少し慎重になってほしいと思っています。
言葉は、見え方を作ります。
見え方は、関わり方を作ります。
関わり方は、その子の育ちに影響します。
「遅れ」ではなく「その子のペース」。
「普通じゃない」ではなく「その子の特性」。
その言葉の違いが、
親御さんの罪悪感を減らして、
子どもへの関わりを豊かにすると、
私は信じています。
今日も「遅れています」という言葉に
傷ついた親御さんがいるなら、
伝えたいです。
あなたの子どもは、
遅れているんじゃないです。
その子のペースで、
ちゃんと育っています。
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