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「早くして」って、今日も言ってしまった。何回言えば気が済むんだ、私は。

こんにちは。
私は小児の理学療法士をしているアラサーです。

今日もやってしまいました。
「早くして。」
言いたくないんです。
本当に言いたくないんです。
でも出てくるんです。毎朝。
・靴下が見つからない
・コートのファスナーが閉まらない
・玄関で突然「お腹すいた」を言い出す
・靴を片方だけ履いて止まる
・出発2分前にトイレに行きたくなる(なんで今!!!)
「早くして」
「もう行くよ」
「なんで今それするの」
「昨日も言ったよね」
「聞いてる?!」
5回言いました。
昨日も5回言いました。
明日もたぶん5回言います。

私が仕事で聞いてきた「朝がしんどい」の話

少し仕事の話をします。
小児の理学療法士として、育児に悩む親御さんと関わっていると、
「朝がどうしても回らない」という話は、本当によく出てきます。
「毎朝出発までに怒鳴ってしまう」
「保育園に預けたあと、車の中で自己嫌悪になる」
「なんでうちの子だけこんなに時間がかかるんだろう」
そういう話を聞くたびに、私は毎回思います。
これ、この人のせいじゃないな。
朝の支度がうまくいかない子には、ちゃんと理由があります。
感覚が敏感で着替えに時間がかかる子。
切り替えが苦手で遊びから支度に移れない子。
睡眠が浅くて、朝の時点でもう疲れている子。
「早くして」が効かなかったのは、
子どもの性格でも、親の声かけでもないことが多いです。
その子の体と、朝という時間帯の組み合わせが、そもそもきつかっただけ。
これを聞くたびに、他人事じゃないと毎回思います。

「早くして」が1ミリも効かない理由
「急ぐ」という行動には、実はかなり高度な処理が必要です。
・今の状況を把握する
・残り時間を逆算する
・やることに優先順位をつける
・自分の動きをコントロールする
これ全部、前頭葉がやります。
そして前頭葉は、25歳くらいまでかけてゆっくり育ちます。
つまり「なんで急げないの」は、「なんでまだ身長160cmないの」と同じくらい無茶な話です。
今はそういう時期。構造的に。

親が「早くして」と言うとき、その一言に全部入ってます。
・あと何分しかない
・保育園の受け入れ時間がある
・駐車場が混む
・仕事が始まる
・昨日も同じことがあった
・今月で何回目だこれ
でも子どもに届くのは、「早くして」という音だけです。
しかも朝は眠い。体もまだ起きていない。
子どもは今この瞬間しか処理できていない。
毎朝の玄関で起きているのは、情報量の格差です。

「早くして」を言ってしまう親は、余裕がないんじゃない。余裕がある状況じゃないんです

自分の準備もある。
出勤時間もある。
保育士さんへの連絡帳もある。
昨日の夜ちゃんと寝れていないのに、今朝も全部回さないといけない。
そんな状態で「早くして」が出てくるのは、ギリギリの綱渡りをしている証拠です。
短気なんじゃないです。
限界のラインで毎朝踏ん張っているからです。
怒りたくて怒っている親なんて、ほとんどいないです。
追い詰められた結果として出てくる言葉が「早くして」であり、怒鳴り声です。
これは性格の話じゃなくて、負荷の話です。

じゃあどうするか。完璧な答えはないけど、これだけ
①前夜に1個だけ移す
朝のしんどさの原因は「やることが多い」だけです。
全部解決しなくていい。1個だけ前夜に移す。
・カバンの中身の確認
・着ていく服を決める
・靴下を玄関に出しておく
これだけで、朝の「早くして」が1回減ることがあります。

②「早くして」より「終わりを見せる」
「早くして」は子どもには情報が少ないです。
「靴を履いたら出発できるよ」
「あと2個終わったら行けるよ」
子どもは「急ぐ」は苦手でも、「あと〇〇」には反応できます。
終わりが見えると動きやすくなる。これは脳の仕組み的にそうです。

③機嫌の悪い日は、最初から諦める
眠そうな顔で起きてきた朝。
昨夜崩れていた日の翌朝。
そういう日はどんな工夫も難しいです。
それはこっちの声かけが悪かったんじゃない。
今日の条件が悪かっただけです。
「今日は難しい朝だった」で終わっていいです。

最後に

「早くして」を毎朝言ってしまう親に伝えたいのは、
それは親失格の証拠じゃないということです。
仕事で何百組もの親子と関わってきて、思うことがあります。
朝に崩れる子がいて、追い詰められる親がいて、
でもその親はみんな、必死に今日を回そうとしていた。
「早くして」はその綱渡りから出てくる言葉です。
完璧な朝なんてなくていいです。
今日も出発できたなら、それで合格です。
ていうか、それだけで十分すごいです。

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