いざ「アンコン」!―「挑戦」の舞台で武者震い(前編) 【自分史を紐解く 第2部④】
こんばんは!
低音に静かな情熱を注ぐアラフィフ、チューバ吹きのサンチです。
前回、自分史(中学編)③では、初めての夏合宿の思い出は、練習よりも、むしろ練習後のレクリエーションにあった!というお話をしました。
※前回のお話が気になるという方はこちらをどーぞ!
今夜は、中学の吹奏楽部のとき、初めて挑んだ「アンサンブルコンテスト」についてお話したいと思います。
中3の5月か6月頃に、チューバパートのY先輩から、
「サンチくん、今年はバリチューでアンコン出ることになったよ!」
と声をかけられました。
耳慣れない単語の連続に、「はい?」と思わず聞き返す私。
まず、「バリチュー」とは、「バリ・チューバ・アンサンブル」の略であり、ユーフォニアム(バリトン)2本、チューバ2本で編成される金管四重奏のことをいいます。
そして、「アンコン」とは、「アンサンブル・コンテスト」のことで、各中学・高校の吹奏楽部が木管、金管、打楽器の小編成のアンサンブルで演奏技術等を競う大会になります。
吹奏楽コンクールのように課題曲があらかじめ決まっているということはありません。
審査員の前で自分達で決めた曲を審査員の前で演奏し、金賞、銀賞、銅賞のいずれかで評価されることになります。
アンコンは、地区大会→県大会→ブロック別大会→全国大会と計4段階のステージが設けられており、各大会で金賞を取った団体の中から選抜され、上位の大会に勝ち上がっていく流れとなっています。
今回私達が挑戦するのは、一番最初の地区大会になります。目標は、地区大会銀賞以上です!
毎年部員の中で有志が希望したときは、地区大会に出ることになっていたそうで、今年はY先輩中心にバリチューならやれる!と希望を出したみたいです。
以前、自分史を紐解く③でもお話したことがありますが、私が当時過ごしていたのはあくまで勉学優先の中高一貫男子校。
部活動は趣味の延長程度のゆるーいノリ、演奏披露の機会も文化祭、春の定期演奏会など数回のみでした。
また晴れ舞台となる定演等についても、全日本吹奏楽コンクールを目指すようなレベルの高い吹奏楽部であれば必須となる、パート別のオーディションといったものも特段行われず、部員であれば全員舞台に上がることができました。
良くも悪くもプレッシャーのかからない、のどかな環境。強い不満はありませんが、Y先輩にチューバ沼に誘われ、練習が楽しくなってきていただけに、物足りない気持ちも若干ありました。
そんな自分が初めて「コンテスト」という厳しい世界で、腕試しができる。
これは私が中学入学以来、勉学以外で初めての「挑戦」でした。
しかも、今回のバリチューのメンバーのうち、私は中3の最年少。少なくともアンコンに挑戦できる戦力と先輩方にみなしてもらえたことは、私にとって何よりのモチベーションでした。
メンバーは以下の4人。3人が高校生ということで高校生の部で出場することになりました。
◎1stユーフォ
S先輩(高2):技術と音量ピカイチのユーフォニウムパートリーダー。Y先輩と仲が良い。熱血漢だが結構毒舌。
◎2ndユーフォ
М先輩(高1):S先輩と比較すると音質はとても柔らかい感じだが技術は同じく高い。クールなイケメン。確かエレキギターも弾けた。
◎1stチューバ
Y先輩(高2):チューバ愛溢れる我らがパートリーダー。ただチューバ練習にかまけすぎて留年の危機
◎2ndチューバ
私(中3):元相棒を引っさげてやる気満々。最年少だが、図体は一番でかい(現在より体重がプラス15kg超(!))。
演奏曲は、アーサー・フラッケンポールのバリチューバ用の名曲「Pop Suite」の第1楽章(Rock)と第3楽章(Rag)でした。
上の動画で聞いていただくと分かるんですが、Rockの冒頭、ビートの効いた格好良いチューバソロで幕を開けます。
こちらは2ndチューバ、すなわち私のパートなんですよね。
そもそも主旋律、しかもソロなんて吹いたことのない私にとっては、とてもプレッシャーのかかるところです。
だがしかし!
当時の私は、Y先輩のCD耳コピ練習法を見様見真似で盗み、ソロ曲にも少しずつ取り組んでいたところでしたので、
お、これまでの練習の成果が見せられるぞ!
と、経験が浅い故の怖いもの知らずもあって、ノリノリで練習に取り組み始めました。
まずは曲をCDで繰り返し聴きつつ譜読み。
その後少しずつ4人でのアンサンブル練習の時間を取り始めました。
普段の大編成での練習の前後に20〜30分ずつ。
4人で合奏してみて、それぞれの考えを述べ合う、そんな感じで始まりました。
今回のコンクール出場は、吹奏楽部としての正式な活動とは別の自主的なチャレンジということで、顧問の先生方も、手取り足取り指導することなく、基本我々に任せるスタンスでした。
良くも悪くも自由にのびのび練習できたわけで、それも今振り返ると良かったのかもとも思っています。
しかし、練習を重ねれば重ねるほど、普段の大編成とは違うアンサンブルの難しさを痛感することになりました。
まず、「1パート1人」の責任感が重いこと。
普段の大編成であれば、自分の隣にY先輩がいて同じ譜面を吹いてくれているので、安心感があります。また、そもそも演奏者の人数がたくさんいるので、仮に自分が少し演奏をミスったとしても、そこまで目立たずに済むことも多いです。
しかし、アンサンブルは1人1パートが基本。ごまかしは一切効きません。ソロはもちろん、全員でハーモニーを奏でているときも、1人が音を外せばそれだけで音楽は大きく毀損されてしまいます。頭では分かっていたものの、4人で合奏したときに責任の重大さを私も日に日に認識するようになりました。
もう一つの難しさは、テンポ感を合わせることです。
当然ながら、アンサンブルには、演奏を引っ張ってくれる指揮者さんはいません。
曲の始まりやテンポの変わり目(リタルダンドなど)では、誰かが合図(アインザッツ)を出し、全員がそれに合わせて、文字通り息を合わせる必要があります。
普段の演奏以上に、メンバーのブレス(息を吸うタイミング)やアイコンタクトや楽器の動きに、常に意識を尖らせなければなりません。
特に第3楽章(Rag)は、「ラグタイム」と呼ばれるメロディとリズムのシンコペーションによる軽快な曲調が持ち味。各パートのテンポ感が少しでもズレてしまうと一気に曲がギクシャクしてしまいます。
中盤の各パートがメロディを次々と引き継いでいくところが曲の見せ場の一つなんですが、まさにテンポ感の共有が生命線です。これが合わない✕2…
練習後、S先輩も若干いらつきながら、
「このままじゃ俺ら、100%銅賞だぜ。やばくね?」
と呟きました。
私も、このままでは、目標の金賞なんて夢のまた夢という感じがしました。
練習を開始して1ヶ月半。夏を迎えても一向に手応えをつかめない我らバリチューアンサンブル。
はたして秋のアンコン地区大会を無事迎えられるのでしょうか?
このお話の続きは、次回の後編にてお話したいと思います(自分史シリーズ初の前後編ですね✨️)!
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
次回「自分史を紐解く 第2部⑤:いざ「アンコン」(後編) 」
乞うご期待!
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