「能力不足」を感じていた40代が「強み×AI」で社長プレゼンまで辿り着いた話
お疲れ様です、ぽんずです。
先日、上場プライム企業のグループ会社を束ねる社長に向けて、AI新規プロジェクトのプレゼンをする機会がありました。グループの総大将、です。
高卒で転職6回、入社して1年の40代のワイが、です。30代後半から40代前半まで「仕事の能力不足」を本気で感じていた40代が、ここまで辿り着いた話を書いてみます。
入社1年で上場プライムの社長プレゼンが回ってきた日
きっかけは、担当役員へのプレゼンの打ち合わせでした。プロジェクトチームが急に呼び出されて、集まったメンバーで「誰が担当する?」という話になったんです。
シーンと静まり返る、いつもの時間。
「AIで仕事が速くなったら、もっと仕事が増えた」記事でも書きましたが、会議で資料作成担当の話になると場が静まる、あの現象です。そして誰かが「じゃあ、今回もぽんずさんで」と言う。もはや様式美です。
今回もいつも通り、ワイが拾いました。
ただ、少しいつもと違ったのは、その後です。担当役員との打ち合わせが進むうちに、話はスケールアップしていきました。気づいたら「これ、グループ会社を束ねる親会社の社長に直接プレゼンしよう」という話になっていたんです。
いや…、ちょっと待てよ、と。
担当役員向けに作るつもりで、企画も構成も組み始めていた。それが、親会社の社長向けにすり替わっている。しかも持ち時間は1時間。聴衆は社長に加えて、常務、執行役員、部長クラスが10名強。企画から構成、デザイン、資料化、当日のプレゼンまで、すべて一人で担当しました。
普通に考えて、これはおかしくないですか。
高卒で転職6回、入社してまだ1年の40代です。少し前までパワポの副業で細々と稼いでいた人間が、なぜか上場プライム企業のグループを束ねる社長の前に立つことになっている。
この展開を以前のワイが聞いたら、「いやいや、無理っしょ」と笑っていたと思います。でも現実として、その場は回ってきた。
当日どうなったかは、また別の機会に書きます。今日書きたいのは、そこに辿り着くまでに何をやっていたか、という話です。
得意のパワポを封印せずにAIと掛け合わせた結果
今回のプレゼンも、いつもの型で組み立てました。
ワイの資料の作り方は決まっています。AIと壁打ちして論点を整理し、構成を一緒に考えて、パワポの仕上げはワイが自分で作る。最後に誤字脱字、ストーリーと論理の飛躍をAIにチェックしてもらう。この流れです。
会社で使えるのは、Claude、Gemini、ChatGPTの3つ。それぞれに得意分野があるので、場面で使い分けています。
今回のプレゼンで一番意識したのは、数字で語ることでした。
相手はグループの総大将です。ふわっとした施策の話をしても、判断しようがない。だから、数値目標と金額、期間を資料の中心に据えました。その場しのぎで出した数字じゃなく、現実的で実現可能、かつストレッチの効いた数字。ここを外すと、投資判断する側からしたら「絵空事」に見える。
この「ストレッチの効いた現実的な数字」を組み立てるところで、AIとの壁打ちが一番効きました。
「この目標、社長目線だと守りすぎに見えないか?」「この金額感、グループ規模から考えて妥当か?」「3年で到達する前提だけど、2年目までに見せられる成果は何か?」。こういう問いを投げて、何度もラリーしました。途中で諦めずに往復し続ける感覚は、日々の発信でClaude(くろ)と磨いてきたものがそのまま効いていると思います。
構成が固まった後のパワポ化は、ワイの領域です。ここはAIに任せません。1枚ごとに「この数字を持ち帰ってほしい」というメッセージを置いていく。パワポで食ってきた時間の蓄積が、この場面でそのまま出ました。
前回の記事で「AIに作らせるより一緒に考える」と書きましたが、今回のプレゼンはまさにその応用編でした。AIが叩き台を作るんじゃなくて、ワイが主導権を握って、AIを思考のパートナーとして脇に置く。難度が上がるほど、この使い方の価値が出ると感じています。
そして、資料ができあがった後の最後の数メートルは、別の筋肉でした。
段取り力と調整力の話を以前書きましたが、想定質問の洗い出しや関係者への事前共有は、まさにそっちの領域です。AIが手伝ってくれるのは資料作成まで。登壇当日に向けた準備は、やっぱり自分の足で走るしかありませんでした。
あとから調べたら「タレント・スタック」という概念だった
このプレゼンが終わった後、ふと思ったんです。
「ワイ、一つひとつのスキルで見たら、誰も驚かないレベルなのに、なぜ社長プレゼンまで辿り着いたんだろう?」と。
パワポは得意と言っても、パワポ職人ほどじゃない。AIは使い慣れているけど、プロンプトエンジニアと名乗れるレベルではない。数字を扱う経理の経験はあるけど、財務のプロじゃない。プレゼン経験も、マネジメント経験も、それぞれ単体ではそこまで目立つものじゃないです。
でも、これを全部一人で回せる人って、意外と少ないのかもしれない。
そう思って調べてみたら、「タレント・スタック」という概念に辿り着きました。
スコット・アダムスというマンガ家が提唱した考え方で、要点はシンプルです。
「一つの分野で世界一になるのは難しいけど、そこそこできる複数のスキルを重ねると、希少な存在になれる」
たとえば「絵が上手い人」は山ほどいるし、「ビジネスに詳しい人」も山ほどいます。でも「絵が上手くて、ビジネスに詳しくて、ユーモアのセンスもある人」は、世界に数えるほどしかいない。スコット・アダムス自身が、その組み合わせで大成功したという話です。
これを知った時、ワイの中で腑に落ちたんです。
パワポ単体では戦えない。AI単体でも戦えない。でも、「パワポ×AI×経理経験×管理職経験×発信経験」と重ねていくと、意外と希少な立ち位置になる。社長プレゼンを一人で回せたのも、この掛け算の結果だったんだと思います。
要するに、40代で感じていた「能力不足」の正体は、スキル不足じゃなくて武器の組み合わせ不足だったんじゃないかと、ワイは理解しています。
一つのスキルを尖らせる努力は尊いし、正解です。でも40代で今から一点突破を目指すのは、正直キツい。それより、今持っている「そこそこ」を数珠つなぎにしていくほうが、現実的な戦い方なんじゃないかと思うんです。
AIに奪われた武器がAIと一緒に何倍にもなって返ってきた話
ここで、少し時間を巻き戻してみます。
ワイには、AIに副業を奪われた経験があります。
2025年11月、NanoBanana Proというツールを見た瞬間、パワポ副業からの撤退を決めました。案件が減ったわけじゃない。仕事はまだ普通にあった。でも、「これはもう勝てない」と悟ったんです。月10万円の副収入が消える判断でしたが、迷いはありませんでした。
その時に気づいたことがあります。ワイの副業を終わらせるのは、AIそのものじゃなくて、AIを使いこなす人間だということ。
だったら、奪われる側にいるより、使いこなす側に回る。そう決めました。
そこから約半年、Xとnoteの毎日更新を続けて、日々Claude(くろ)と対話を重ねてきました。発信のたびに、自分の経験を言語化する。壁打ちの精度を磨く。AIとの呼吸を整える。
今回の社長プレゼンは、その延長線上にありました。
撤退したはずのパワポが、AIと組んで、社長プレゼンの武器になっている。奪われたと思った武器が、AIと一緒に何倍にもなって返ってきたんです。
もちろん、この展開はワイ一人の力で起きたことじゃありません。
転職6回でボロボロだったワイを拾ってくれた部長が、「よその会社がお金と時間をかけて育ててくれた」と言ってくれた。高卒と転職6回をマイナスじゃなく財産として扱ってくれた。あの一言がなければ、今のポジションはありません。
拾ってもらった後にやったことは、振り返ると意外と地味でした。
小さい仕事を拾って、誰もやらない調整役を引き受ける。数字を扱う経理の感覚を錆びさせないように、本業でも数字を追いかける。そして、毎日noteで言語化を続ける。
「日の当たらない時間の過ごし方」という記事でも書きましたが、目立たない時間の積み重ねが、後で繋がる。撤退を決めた時期も、発信を積んだ時期も、全部が今回のプレゼンに乗っかっていた感覚があります。
40代は、ゼロから新しい武器を取りに行くより、持っている武器を組み替える時期なのかもしれません。一度手放したはずの武器も、AIと組めば、案外いい相棒になるものです。
まずは自分の強みを棚卸しするところから始めてみてほしい
ここまで読んで、「自分にはパワポみたいな強みなんてない」と思った方がいるかもしれません。
でも、たぶんあるんです。気づいていないだけで。
ワイがおすすめしたいのは、まず自分の「そこそこできること」を3つ書き出してみることです。
職場で頼られるのは、たとえばこんな作業じゃないでしょうか。
「あの件ならあなたに聞けば」と同僚に頼られる作業
「それ、詳しいですね」と言われた経験がある領域
苦労せず手が勝手に動くこと
尖ったスキルじゃなくていいんです。むしろ、自分では凡庸だと思っていることのほうが、他人から見ると価値があったりします。
3つ書き出せたら、次はそのうちの1つをAIに投げてみてください。
「この作業、AIと組み合わせるとしたらどうすればいい?」「この経験を、今の時代に活かすとしたら何ができる?」と聞いてみる。完璧な答えが返ってこなくていいんです。AIと往復しながら、自分では見えていなかった組み合わせを掘り起こすのが目的なので。
ハードルを上げる必要はありません。
いきなり社長プレゼンを目指す必要もないし、副業で稼ぐ必要もない。まずは「自分の強み×AI」で小さく試してみる。そこから何が起きるかは、やってみないとわからないです。
ワイの場合も、スタート地点は「パワポ×AIで何ができるか試してみよう」くらいの軽さでした。そこから発信を続けて、壁打ちを磨いて、気づいたら社長プレゼンの準備をしていた。それだけです。
「能力不足の正体」のまとめ
今回は、能力不足を感じていた40代のワイが、強み×AIで社長プレゼンまで辿り着いた話を書きました。
辿り着いた答えはシンプルです。40代で感じる「能力不足」の正体は、スキル不足じゃなくて、武器の組み合わせ不足。そしてその組み合わせに、AIを一つ噛ませると、景色が変わる。
ゼロから新しい武器を取りに行かなくていい。今持っている「そこそこ」を数珠つなぎにしていく。それだけで、意外と遠くまで行けるものです。
それでは、お先に失礼します。
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