本当に優しい人の見分け方
マッチングアプリで出会った相手が、予定はいつもすぐに合わせてくれた。
何を話しても否定せず、丁寧に聞いてくれた。
これは理想的な相手なのだろう、と素直に思っていた。
でも本当にそうだろうか。
多くの人は、負担の少ない場面でのやり取りだけを見て、その人の優しさを判断してしまう。
予定を合わせてくれる、話を聞いてくれる、否定しない。
たしかにどれも心地よい。
ただ、それらはすべて、相手にとって大きな負担のない場面での話だ。
信頼できるかどうかの本当のサインは、負担が小さい場面ではなく、負担が大きい場面にこそ表れる。
自分にとって都合の良いことばかりを差し出す優しさには、コストがほとんどかかっていない。
コストのかからない優しさは、誰にでも出せる。
本当の優しさかどうかは、相手にとって都合の悪い場面で試されて、はじめて分かる。
以前、まさにこのことを思い知った経験がある。
いつも予定を合わせてくれていた相手に、一度、こちらの都合でせっかく決めていた予定を変えてほしいと頼んだことがあった。
それまでの丁寧な態度からは想像もつかないほど、急に不機嫌な反応が返ってきた。
その後も似たような場面で、同じような反応が何度か繰り返された。
負担の少ない場面での優しさだけを見て、「この人は大丈夫」と決めてしまっていた自分がいた。
その判断のまま関係を続けていたら、もっと違う場面で、もっと大きな失望を重ねていたと思う。
負担の少ない優しさだけを根拠に、相手を信頼しきってしまったことを、今でも少し悔やんでいる。
ただ、それは判断を誤ったというより、その時点では見るべき材料が足りなかっただけだ。
そこまで相手を試すようなことをするのは、意地悪ではないか、と思う人もいるかもしれない。
わざと相手に負担をかけて、反応を見る、という話ではない。
無理に試す必要はない。
優しさの出し方には、人それぞれの個性がある。
負担の少ない場面でしか気持ちを表せない人がいるからといって、それだけでその人の優しさを否定できるわけではない。
日々関わっていれば、相手にとって都合の悪い場面は、自然に何度か訪れる。
予定が急に変わる。
こちらの都合を優先してほしいと頼む場面がある。
意見が合わずにぶつかる場面もある。
そうした自然に訪れる場面での相手の反応を、ただ見ておけばいい。
わざわざ仕掛けなくても、見るべき場面は向こうからやってくる。
次に、あまりにも都合よく合わせてくれる相手に出会ったときは、少しだけ自分に聞いてみてほしい。
・この優しさを、まだ負担の少ない場面でしか見ていないだろうか →YES/NO
・相手にとって都合の悪い場面は、これから自然に訪れそうだろうか →YES/NO
・すでに負担のかかる場面を見ていて、そこでも優しさは変わらなかっただろうか →YES/NO
上の2つがYESなら、まだ判断を急がなくていい。
負担のかかる場面は、これから自然に訪れる。
あわてず、それを見ていけばいい。
3つ目もYESなら、それは本物の優しさだったという証拠だ。
負担のかからない優しさは、誰にでも出せる。
負担がかかっても変わらない優しさだけが、本物だ。
優しさを見極める目もまた、人を見る目の一部だ。
次回は、「信用」と「安心」は何が違うのかについて書いていく。
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