違和感は、あなたを守るためにある
このシリーズを書きながら、私自身も「気のせいだ」と片付けてきた違和感が、実は何度も自分を守ろうとしてくれていたのだと気づきました。
だから今回は、このシリーズの締めくくりとして、「違和感は何のためにあるのか」を改めて考えてみたいと思います。
あなたはこれまで、どれくらいの違和感を無駄にしてきたのか。
ここまで違和感シリーズを読んできてくれたあなたへ。
最後に、一番伝えたいことがある。
説明できないからと、なかったことにした違和感。
否定されそうで、言葉にしないまま飲み込んだ違和感。
「自分がおかしいだけだ」と、自分を責めて終わらせた違和感。
数えてみると、思っているよりずっと多いはずだ。
多くの人は、違和感を「面倒なもの」「気にしすぎな自分の欠点」として扱ってきた。
でも本当にそうだろうか。
違和感は、欠点でも面倒なものでもない。
それは、これまであなたを守ってきた警報だ。

違和感を強く覚えやすい人ほど、実は生きづらいのではなく、これまで多くの場面を無事にくぐり抜けてきた人だという見方もできる。
小さな引っかかりに気づき、距離を取り、深く傷つく前に離れる。
その積み重ねが、感度の高さとして残っているだけだ。
覚えているだろうか。
「違和感を無視した日の共通点」で書いたように、私たちは「気づけなかった」のではなく、「気づいていたのに先延ばしにした」だけのことが多い。
たとえば、初めて会った相手の受け答えに、ほんの一瞬だけ引っかかりを覚えたとする。
その場では「初対面だから」と流したものの、後日、同じ引っかかりが別の場面で繰り返され、「やっぱりそうだったか」と気づく。
このとき最初の違和感を無視した人と、記録だけでもしておいた人とでは、後から動ける速さがまったく違う。
「違和感が消える人と消えない人の差」で見たように、違和感には情報不足から来るものと、価値観の違いから来るものがある。
前者は時間とともに解け、後者は時間が経つほど輪郭がはっきりする。

この違いを知っているかどうかが、違和感を信じられた人と、無視してしまった人を分けている。
信じられた人は、違和感の正体を見極めようとし、無視した人は、違和感そのものを「なかったこと」にしようとする。
ここで誤解しないでほしいのは、違和感をすべて即座に信じて動くべきだという話ではないということだ。
「違和感を『保留』できる人の強さ」で書いたように、判定を急がず保留できることも、成熟した対応のひとつだ。
情報が足りない段階で無理に白黒つけると、正しかったはずの直感まで歪んでしまう。
大事なのは、保留するかどうかではなく、保留している間に何を観察していたかだ。
「分かれ道は『保留の質』にあった」で見たように、同じように保留していても、観察を続けた人と、ただ結論を未来の自分に丸投げしただけの人とでは、その後の精度がまったく変わってくる。
つまり、違和感を無視するかどうかを分けているのは、才能でも運でもない。
観察を続けたかどうか、それだけだ。

次に違和感を覚えたとき、1分だけ確認してみてほしい。

あなたは今、
・違和感を説明できないからと、なかったことにしていないか →YES/NO
・否定されそうで、言葉にすることをやめていないか →YES/NO
・何を確認すべきかを決めないまま、ただ時間だけが過ぎていないか →YES/NO
・同じような違和感を、これまでにも別の場面で感じたことがあるか →YES/NO
3つ以上当てはまるなら、優先すべきなのは「正しさ」を証明することではなく、その違和感を無視しないことかもしれない。
ここまで、5本にわたって「会った後の違和感」というテーマを見てきた。
無視してしまう心理、消える違和感と消えない違和感の違い、保留することの強さ、保留の質で分かれる結果、そして違和感そのものが自分を守るための機能であること。
違和感は、白黒の答えを出すための道具ではない。
自分のペースで、自分の感覚を見極めていくための道具だ。
急いで結論を出さなくていい。
保留していい。
観察を続けていい。
ただ、気づいていた自分を、これからは無視しないでほしい。
ここまで、5本のシリーズを読んでくださり、本当にありがとうございました。
このシリーズが、あなた自身の違和感を少しでも大切にするきっかけになれば嬉しいです。
このシリーズの続きは、LINEで先にお知らせしています。
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過去の記事はこちら↓
違和感を無視した日の共通点-違和感シリーズ①
違和感が消える人と消えない人の差-違和感シリーズ②
違和感を『保留』できる人の強さ-違和感シリーズ③
分かれ道は『保留の質にあった』-違和感シリーズ④
