違和感を「保留」できる人の強さ
会った瞬間は楽しかった、だが帰り道あるいは次の日の朝思い返すと違和感があった。
その違和感を、どうすればいいのか分からずに、ただ持て余したことはないだろうか。
伝えるべきなのか。
それとも、気にしすぎなだけなのか。
答えが出ないまま、時間だけが過ぎていく。
そんな自分を「優柔不断だ」と責めてしまう人は少なくない。
多くの恋愛アドバイスは、「違和感があるならすぐ伝えるべき」か「違和感があるなら距離を置くべき」のどちらかを勧める。
どちらもはっきりしていて、分かりやすい。
でも実際には、その場ですぐに判定できるほど、違和感はシンプルではない。
「白黒つけて動くべきだ」という考え方には、ある思い込みが隠れている。
それは、迷っていること自体が悪いことだという思い込みだ。
でも本当は逆で、判定を急がず保留できることの方が、成熟した対応であることが多い。
即断できる人が優れているわけではない。
情報が足りない段階で無理に結論を出すと、正しかったはずの直感まで歪んでしまうことがある。
すぐに伝えなかったこと、すぐに距離を置かなかったことを、後になって悔やむ人は多い。
でも保留していた時間そのものが、無駄だったとは限らない。
保留している間、人はただ止まっているわけではない。
同じ違和感が別の場面でも繰り返されるかどうかを、無意識のうちに観察している。
一度きりの違和感なのか、パターンとして繰り返される違和感なのか。
その判断材料は、保留した時間の中でしか集まらない。
すぐに白黒つけていたら、この判断材料そのものを手に入れられなかったはずだ。
もちろん、保留にも限度がある。
明らかに繰り返される違和感を、いつまでも「様子見」で放置してよいわけではない。
大事なのは、保留を「先延ばしの言い訳」にしないことだ。
保留してよい違和感と、早めに伝えるべき違和感は、確かに重なり合っていて、きれいに線を引けない場合も多い。
それでも構わない。
判断がつかないという状態そのものを、そのまま認めていい。
次に会う前に、1分だけ自分に聞いてみてほしい。
・同じ違和感を、これまでに2回以上感じたことがあるか →YES/NO
・その違和感について、まだ相手に一度も聞いていないか →YES/NO
・「まあいいか」で終わらせず、頭の片隅に残っているか →YES/NO
YESが2つ以上あれば、それはもう「保留の限界」に近づいているサインかもしれない。
そうでなければ、まだ焦って結論を出す必要はない。
違和感を持て余すことは、弱さではない。
むしろ、簡単に白黒つけないという選択そのものが、自分の感覚を大切に扱っている証拠だ。
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