【プレビュー】第7節 ジュビロ磐田 VS RB大宮アルディージャ
前節の磐田のやりかた (VS 北海道コンサドーレ札幌)
前々節の藤枝MYFC戦に引き続き、今季2試合目の磐田の試合観賞。
昨年の磐田はクルークスと倍井という凶悪な両翼を置いた4-2-1-3で、サイド攻撃とクロスからの得点が武器だった。シーズン途中から倍井ら前線にロングボールを送って、スペースを突くやり方も見られたが、基本的にはショートパスを使ったポゼッションスタイルだった感じ。
今季から指揮を取るのは、去年の前半戦にレノファ山口を率いていた志垣監督。山口でもそうだったけど、ロングボールを活用したサッカーを志向する感じ。しかし、開幕からここまで90分での勝利がなく、中々に難しいスタートとなっている。特に札幌戦を含む6試合で3得点は物足りない。

そんな志垣監督が敷くのは4-4-2。
志垣監督は、ペイショットをファーストチョイスに使うかと思ってたけど、前線はグスタボ・シルバ(以下、シルバ)と渡邉の2トップ。開幕直前に海外移籍で退団した倍井に代わり、二列目の主役の角は右SHに入った。
ビルドアップ能力の高いCB江崎は大怪我で離脱中。代わりにCBを組むのは良フィードを披露するファンデンベルフと、横浜FCから加入の山崎。また、CBのイメージが強い上夷が右SBに、大卒ルーキーの吉村が左SBに入った。去年左SBの主力だった松原はベンチにも入っていなかったんだけど、どうしたんだろ?
GKは大ベテランの川島。何気に元大宮戦士。
対するは個人的に今年の試合を見まくることになっている札幌。この試合で4試合目の視聴 (いわきFC戦、大宮戦、長野パルセイロ戦)に。
布陣は開幕から続けている4-2-3-1。GK田川のビルドアップ参加回数は開幕の頃に比べると大分減ったが、代わりにボランチの川原をアンカー気味に落とし、2CBと三角形を作る組み立てなんかをやってた。
またマリオに続き、バカヨコも怪我で離脱とのこと。計算できる1トップ候補の2人が離脱中の中、本来は2列目の青木(元大宮)をFWで起用。バカヨコのようなポストプレー主体ではなく、トップ下の荒野と共に下がってボール受けたりして攻撃を組み立て、SHの白井やスパチョークにシュートを撃たせるような役割が多かった。
磐田の攻撃の主眼は大きく2つって感じ。
① ハイプレスで奪ってからのショートカウンター
4-2-3-1の札幌ということで、磐田の4-4-2はミラーとなるため、ほぼマンマーク気味にプレスを仕掛け、前から奪っていく狙い。奪取にあたって密集はあまり作らず、基本的には一対一で対応する感じ。
上記の通りアンカー気味に下がる札幌のDMF川原に対してはDMF井上が上がって対応、前目のDMF木戸にはDMF金子が下がって対応といったように、役割分担がしっかりされていた。
※引いた時は4-4-2ゾーンブロック守備
② 後方でのパス回しで、相手を引き付けておいてからのロングパス
去年の磐田は前進のためにショートパスを多用していたが、今季は最終ラインで相手を引き付ける目的のために使う事がメインに。そして十分に札幌をDFラインに食いつかせておいてから、前線のシルバらにロングボールを送る感じ。
ロングボールに対しては、前線の高さでキープさせるというかは、裏抜けを活用する狙いが強いため、長身のペイショットではなくシルバがスタメンで起用されているのかな?ペイショットがスタメンならまた違うやり方なのかもだけど。
また、DFラインで回す時、片サイドに寄ってSBが上がった時は、逆サイドのSBはDFラインに残っている事が多かった(3枚残す感じ)。
*シルバは前線で素早いプレスをしまくっていたので、①のやり方においても重要なピースということでスタメンで使われているんだと思う
また、①にしても②にしても、サイドに開いてクロスを送ってフィニッシュを狙うって最終工程が多かったのは共通。磐田のクロス数はリーグ2位だそう。
早めにサイドからアーリークロスをDFとGKの間に入れて、FWをそこに走らせるってやり方も多かった。
前節の磐田の試合展開 (VS 北海道コンサドーレ札幌)
お互いボール保持はしたい感じのチーム同士の戦い。
ただ、札幌はショートパスを繋いで前進するのに対し、磐田はDFラインのパス回しからのロングボールで前進するやり方がメインのため、保持率としては札幌が高くなっていく。
札幌としても磐田のサイドからのクロスの強さは知っており、攻撃時は両SHをワイドに高く張らせて磐田のSBを後方にピン留めし、被カウンター時の保険をかける。
磐田もシルバを狙ったロングボールを何本も送るが、札幌のDFラインのコントロールで、何度もオフサイドになってしまう。また低い位置からのアーリークロスで、DF/GK間にボールをいれるも、中々シュートまで持っていけない。
守備でも前線からマンマークハイプレスで、札幌の前線に規制をかける。
と、お互い硬い感じで中々シュートまで持っていくことができない前半。
磐田は40分の川合のロングスルーパスで抜け出した角のシュートが、田川の左手1本に阻まれたのが最大の決定機に。角のああいった動き、好き。
一方の札幌は、磐田のDFラインのパスミスをかっさらってからの決定機を何回か作るが、ゴールまでは繋がらなかった。
ということで前半はスコアレスドローで終了。
シュート数「磐田: 3 VS 札幌:2」ということで、どちらも攻撃の決め手に欠いたようなデータに。試合の流れ的にも五分五分(やや札幌寄り)なように見えたかな。
支配率は磐田46%ということで、やはりパスでの前進に主眼を置く札幌が上回った形に。
一進一退の前半から、後半は札幌のペースに。
前半はある程度磐田がボールを握る事もできていたが、後半は札幌がボールを握って押し込む時間が多くなる。ただ1試合通した最終的な磐田の保持率は46%で、前半から変化はなかったみたい。前半より後半のほうが札幌がボール持っていたような気がしたんだけどなー。
ということで、引き続きショートパスで磐田を崩しにかかる札幌。開幕戦でうまく行かなかった中央突破の一辺倒ではなく、前線の荒野や青木がボールを受けに広く動いて磐田のマークを剥がし、サイドの白井とスパチョークに預けて突破を図る。パスを出した後の3人目の動きも活発化し、スルーパスからのチャンスも作り出す。
磐田はボールを握ることが中々できず、札幌のプレスの圧に負けて、DFラインでのパスミスやキープミスが多くなり、前に運べなくなる。この辺りの札幌の前からの規制が前半よりよくなっていて、前線のプレスでギリギリのタイミングで磐田にCB→SBのパスを出させて、SBのとこでミスを誘発させるやり方がハマっていた。
2試合見ただけだけど、磐田の得点が伸び悩んでいるのは、DFラインのビルドアップのとこが今ひとつ不安定だからなのかなぁ・・・とかはちょっと思った。足下の技術が高いCB江崎不在の影響も大きいのかも。
磐田は井上のミドルや、セットプレーからのヘディング等、散発的な攻撃に終始し、再現性高い有効な攻撃を打ち出せない。74分にペイショットを前線に入れるも、流れを引き戻すまでには至らない。
磐田は終盤、大森、サフォ、ポラメート(初出場のタイ代表FW)ら前線の選手を入れて攻勢をかける札幌に、ほぼ一方的に押し込まれ続けてしまう。特にパスにドリブルにサフォが右サイドで基点を作りまくり、幾度もチャンスを構築していた。磐田は今にも決壊寸前の様相。
ゴールバーに救われるなど、幾度もの決定的なシーンを凌いでいた磐田だが、ラストのラストに力尽きる。
ATに、またまたサフォが右サイドで頑張って起点となり、細かいパスを繋いで磐田のマークを完全に混乱させ、高尾がペナ侵入。クロスをCBながら上がっていた西野が決めて、札幌が劇的な決勝点をあげた。
耐えていた磐田は最後の最後で得点を献上し、0-1の敗戦。
最終スタッツはシュート「磐田:9 VS 札幌: 14」と、最終盤押し込んだ札幌が上回ったが、印象以上に磐田のシュートも多かった感じ。
ゴール期待値は「磐田: 0.62 VS 札幌: 1.60」と、こちらは札幌のWスコアとなった。
磐田 注目選手
16 FW グスタボ・シルバ
昨季はトップ下をやっていたシルバ。シーズン前はSHをやるんじゃあないかなって思ってたけど、ここまで2トップの1角を務めている。
守備では前線からプレスを厭わず、2度追い・3度追いを献身的にやってくれる。相手に寄せるスピードもめちゃくちゃ速い。
構える相方の渡邉と比較し、わりかし自由に動き回る事が多く、その快速を活かして前線でロングボールによる裏抜けも虎視眈々と狙い続けてた。
39 MF 角 昂志郎
昨季はルーキーながらトップ下でスタメンを掴み、クルークス退団後は右WGで出場を続けた、磐田の攻撃を支えるMF。ヴァンフォーレ甲府にレンタル中の福井とは筑波大の同期。
パス、ドリブル、クロスと、どれも高水準な物を見せてくれるが、個人的には去年トップ下でパスのハブ役となっていた印象が非常に強い。パスを受けてからの反転も早いんだよね。
今季は倍井がいなくなった中、右SHで出場。サイドに張るだけでなく、中にも入っていってフィニッシュに絡む事も。
大宮 展望
前節はブロックに引きこもった藤枝MYFCを破れなかった大宮。今節はまた違った戦い方をしてくる磐田とのアウェイゲームとなる。
札幌と同じ4-2-3-1布陣だと予想すると、磐田の守り方は、札幌戦と同じくある程度マンマーク気味に前からプレスに来ると思われる。シルバら前線のプレスを、パス&ゴーでうまくいなしてもらいたいですね。
磐田のDFラインでのビルドアップに対しては、大宮得意のハイプレスが有効。札幌戦では磐田のDFラインでのパス回しにエラーが散見され、SBのところで奪われるシーンを何回か見受けられたため、大宮も得意の圧縮からサイドで奪い切ってカウンターに繋げたい。
一気に裏を狙うロングボールでのシルバの裏抜けには、西尾が目を光らせてくれるハズ!
後は、クロスの起点となる両SHにはSBがべったりついて、深いところに侵入はさせたくないっすね。低い位置からアーリークロスも上げてくるので、SHにはスペースを与えなくないところ。
前々節磐田と対戦した藤枝は、幅を狭めて守る磐田に対し、サイドチェンジを有効に活用したり、フリーになるファーへのクロスを上げまくっていたため、攻撃時の際の参考にしてもらいたいですね。
