観戦記 第6節 RB大宮アルディージャ VS 藤枝MYFC
概要
第6節
2026/3/14
大宮VS藤枝 1-2
大宮得点: 80'カプリーニ
藤枝得点: 35'松木、57’松木
@NACK5スタジアム大宮
*現地観戦*
大宮のやり方

Sub: 笠原、村上、関口、中山、神田、和田、日高、松井、サンデー
陣形は4-2-3-1。前節出場停止だった小島がボランチに帰ってきたのと、1トップに健勇が入ってきた。ブロック守備がメインの藤枝相手での、FW健勇抜擢は予想通り。健勇以外の前線は、高さ成分が不足な並びに。
今日も左SBに聖を入れて、3バックではなく4バックでビルドアップ前進を図るやり方。
プレビューで書いた通り、ブロック守備の藤枝相手にボールを握る予想通りの展開になった今日の試合。ビハインドになってからは、色々と今までになかった攻めの形を見せてくれて、そこが今日観戦していて一番面白かったポイント。詳細は後述の巻。
藤枝 印象

3-4-2-1継続も、前節のジュビロ磐田戦からまたまた大きくメンバーが変わり、5人が入れ替わっていた。試合後の松木のコメントによると、この1週間で体調不良者及び怪我人が出たとのこと。
まず何より目を引いたのが、藤枝の攻撃を引っ張る浅倉と菊井のST2人の不在。菊井は前節のレッドでの出場停止だが、菊井不在の中で攻撃を引っ張ると一身に期待されていた浅倉までいなくなってしまっていた(怪我?体調不良?)。
代わりにSTに入ったのが、前節ボランチをやっていた大卒ルーキーの三木と、一昨年ガイナーレ鳥取で大宮戦*において2得点を挙げた松木。
*大宮が4点取った後、鳥取が後半から3-1-4-2に陣形変更し、マークの混乱から形勢逆転し、一旦追いつかれた試合
そして藤枝の絶対的守護神GK北村も謎の不在。藤枝のビルドアップを支える北村の不在は、必然藤枝の攻撃のやり方も変えざるをえなくなるぐらいの影響を与える。
北村の代わりに、大宮ユース出身のジョーンズ・レイが見られるのを期待したが、抜擢されたのは高卒2年目のリーグ初出場の栗栖だった。北村ほどのビルドアップ参加などは見られなかったが、泉のシュートの好セーブや、ハイボール処理等、落ち着いて試合を完結させた。
他にも、同じく元大宮ユース出身の右CB森も不在で中川に交代。また、右WBには去年右CBから右SBによく可変していた久富が入ってきた。
元々、矢村、世瀬、川上らが怪我(?)でいない中、更に怪我人が増えてしまっい、中々に苦しい台所事情になっている感じ。槙野監督は誰が出ても同じサッカーができると言ってはいたが、ここまでメンバーが変わってしまうと同じサッカーをするのは中々に難しく、ある程度割り切ったやり方も必要になってはきてしまうと思う。
守備はハイプレスを(ほぼ)せずに、ミドルブロック構築を何より優先!あとはサイド圧縮での奪取に主眼を置く感じ。
攻撃面では、プレビューで書いたような、バリエーション多いビルドアップは今日はそこまで見せなかった。大きな可変は少なく、左右両サイドのCBの上がりくらいだった印象。
守備・攻撃のやり方の詳細は後述するけど、メンバーが多く欠けている中、全体的に守備重視のサッカーであった。
試合展開 前半
開始早々、トップギアで藤枝が攻撃を仕掛ける。
3分、左からのクロスをファーで久富が受けて折り返すも、シュートは枠外。また、8分には大宮のDFラインのパスミスからボールをかっさらわれてフリーでシュートを撃たれたが、これも枠外で難を逃れる。
また、守ってはハイプレスを仕掛け、ビルドアップしてくる大宮を前から規制をかけていく。
磐田戦やいわきFC戦ではブロック優先でハイプレスをあまりやってなかったんで、大宮相手にやり方を変えてきて、面白い試合になりそうだ!って強く思った………
……んだけど、その序盤が過ぎて試合も12分ほど過ぎると、藤枝はやり方をスパッと変える。ハイプレスをやめて、WBもDFラインまで完全に下げ、5-4-1ミドルブロック構築に舵を切り、引いて守るやり方を徹底してくる。
とにかく今日はこの強固な5-4-1に閉じこもる時間が長く、大宮も最後まで苦戦させられた形に。
あ、そういえば磐田戦も試合開始直後は一気に攻勢をかけてたけど、15分過ぎくらいから5-4-1ブロック守備に移行して、相手にボールを預けるやり方をやってたんだった…。
一つ付け加えると、ボールの取りどころとしてはサイドに置いていた感じ。大宮がサイド攻撃の暁には、サイド圧縮して、ボールホルダーに複数人を当ててボールを奪い取る狙いを見せていた。
似たやり方は去年の須藤監督もやっていたけど、去年と比較してインテンシティが上がっており、奪取成功率もUPしてたんじゃあないかな?大宮の攻撃をサイドに誘導する狙いも随所に見られた。
だので、ここからの展開も、前節の藤枝VS磐田のような展開に。
前から来ない藤枝に対し、大宮の最終ラインはノープレッシャーでボールを回せる状況に。そのため大宮が圧倒的にボールを握り、藤枝陣地まで押し込むも、隙を伺えず、5-4-1ブロックの外側でパス回しする時間が増える。
縦パスを入れようにも藤枝にスペースを埋められて、通す穴を見つけられない。横幅を使ってブロックのズレを生もうとしても、5レーンを埋められて横ズレも中々作れない。また、健勇へのロングボールをうまく使う事もできなかった…。
とにかく藤枝の5-4-1の壁を打ち破れない時間が続く。
そんな中でも、前線でのゲーゲンプレスはある程度有効に働いており、特に今日は山本のプレスが効いていた。何度もボールを奪ってたんだけど、例えば22分には、高い位置での山本のプレスでボール奪取後、泉のミドル(GKがナイスセーブ!)まで繋げた素晴らしい攻撃を見せていた。
守備を固める藤枝はボール保持は放棄するも、攻撃時は大宮に中々尻尾を掴ませず、ショートパスとロングボールを織り交ぜて縦に速く攻めてくる。
特にカウンター気味にロングボールで、両SB裏に真鍋らを走らせるシーンが多かったんだけど、対応していたイヨハが何度か1対1で負けてしまい、真鍋に基点を作られてしまっていた・・・。
*29分には大宮のクロスをカットされた後、前掛かりになってたところを一気にひっくり返され、ロングカウンターをくらったりも
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そんなこんなで藤枝のブロックを破れない中、34分、CKを松木に頭で決められて藤枝に先制を許す。いや、後ろに下がりながら、ゴールから離れた所からの難しいシュートを、あそこまで威力を保ったヘディングできたのは純粋にあっぱれだった。
藤枝はCK時、ゴール前に選手を集めてごちゃごちゃさせてたんだけど、その混乱に乗ずる形で、蹴る瞬間にノーマークの松木がファーから中に入っていっていた。おかげでほぼフリーでシュートできていたんだけど、動きから見て、藤枝が用意していたサインプレーだったかと思われ。
その後も藤枝のブロックに苦しむ大宮ではあったが、39分の小島の浮き球スルーからの山本のシュートだったり、43分の小島のペナ侵入シュートだったり、44分のショートCKからの西尾のファーからのヘディングだったり、単発ながら惜しいシーンは作る事には成功。が、ゴールは割れずに、0-1のビハインドで前半終了。
プレビューで予想した通り、大宮がボールを圧倒的に握るも、5-4-1ブロックで固める藤枝を打ち破れずに時間だけが進む、じれる展開になった前半。大宮のボール支配率は59%となった。
前節の磐田と似たような展開ではあったが、序盤以降は藤枝の決定的な攻撃は単発に抑え、惜しいシュートシーンは作れてはいた。シュート数は「大宮:11 VS 藤枝:6」。一本でも決まって同点になれてたらなぁといった内容だった。
試合展開 後半

ブロックを崩しきれなかったことと、藤枝が前掛かりに来ない事を踏まえ、攻撃に少し手を加えてきた大宮。守備時4-2-3-1は変わらないが、攻撃時の立ち位置を修正。
聖を若干後ろ目にし、右SBの茂木を高く上げて、左の泉と共にサイドに張らすように。そしてカプリーニを内に絞らせ、山本との2シャドーの形にしてきた。
結果、3-4-2-1をベースにした3-2-4-1みたいな陣形に。
藤枝のWBが守備時に上がってこないので、茂木と泉でサイドを押し込んで、前半孤立がちだった健勇の周りにカプと山本を置いた感じ。中央で健勇が潰れたところを、カプと山本で仕留めきりたい。
*聖も必要とあらば前線に上がる
前への攻撃の意図を打ち出してワクワクしながらの後半序盤、攻撃の修正が功を奏したか、47分のCKからの西尾・茂木の連続ヘディングシュート、55分のカプのスルーパスから抜け出した山本のクロスからの健勇シュート等、押し込んだ形でのいい入りを見せる。
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しかし57分、大宮の左からのロングスローを真鍋にキープされ、パスを受けた松木に今日二点目のゴールを決められ、リードを許してしまう落とし穴が。。。松木は一昨年の鳥取時代と同じく、Nack5で2得点を挙げて大宮キラーっぷりを披露。
流れの中で2回股抜きされたのは運がなかった部分もあったが、今日の試合展開的に、本当余計な追加点となってしまった。
2点リードしたことで、今まで以上に割り切って5-4-1ブロックに引きこもりを図る藤枝に対し、攻勢に出ざるを得ない大宮は65分に、泉・茂木・玄→日髙・関口・サンデーの3枚替え。

どう点を取ってくるのかなと興味深く見てたところ、立ち位置を大きく変更。中盤がダイヤモンドの4-3-1-2にし、サンデー・健勇の2トップ、OMF日髙、右CMFカプ、左CMF山本、アンカー小島の、今まで見たことのない並びに!
これまでの4-3-1-2の場合、攻撃時は3-4-1-2に可変する事がベースだったが、今日はアンカー1枚のまま、両SBが上がる形の新しい4-3-1-2であり、実質2バックとなる初お披露目の超攻撃的陣形だった!
中盤のダイヤモンドで中央に人数をかけて藤枝に警戒させておいて、サイドにスペースを作り、そこを両SBに突かせてクロスを上げさせる狙いも。特に左SBの聖がクロスをバンバン発射し、チャンスを構築する………が、藤枝の中央の山は高く、大宮の選手の頭に合う前に何度もCBに迎撃されてしまっていた。
*聖は最終盤だけでなく、試合通してクロス(とCK)を上げまくってた
時には2CBの西尾やイヨハの攻撃参加も許可し、藤枝を一方的に押し込んで、ここでは書ききれないくらいの惜しいシーンを作ってシュートまで持って行くも、どうしてもゴールを割る事ができないじれた展開が続く。
79分のペナ内で山本をノーファウルで止めた永野の素晴らしい対応など、藤枝DF陣も必死で守っていた。
しかし80分、今日もシュートを撃ちまくっていたカプリーニが意表をついて、長距離からシュートを放つと、これがグラウンダーでゴールに突き刺さり、やっとやっと1点を返す事に成功。ゴール前に選手が沢山いたので。GK的にはブラインドになってしまったのかも。
残り時間がわずかの中、押し込み続ける大宮。両SBからアーリークロスを何本も上げて、ゴール前に放り込みにかかるも、最後までゴールネットはゆらせず、そのまま1-2で終了。
大宮は今期初黒星を喫した。
後半も一方的にボールを握っていたため、大宮の支配率は63%という非常に高い値に。ある程度ボールを握る事は予想していたが、ここまで高くなるとはって感じだけど、割り切っていた藤枝としてはこの辺は織り込み済みだったかと思われる。
そしてシュート数の比較だと「大宮:26 VS 藤枝:11」と、こちらも圧倒的に大宮が撃ちまくった結果に。今日はカプリーニだけで8本撃っていたとのこと。
またゴール期待値は「大宮:2.35 VS 藤枝:1.09」ということで、こちらも試合を見た感じの大体想像通りの数値になっていたが、どうしても同点に追いつくまでいかなかった。
雑感
ブロック守備に引きこもった相手を最後まで崩せないまま、2つのセットプレー(セットプレー崩れ含む)で効率よくやられてしまった感じの試合。とにかく去年のAヴァンフォーレ甲府戦みたく、撃てども撃てどもゴールが遠かった。本当に2点目が余計な失点だったんだよなー。
宮さん指揮下で、ここまで引いて守る相手は初めてだったかと (昨年のAブラウブリッツ秋田戦でも引かれたけど、あれは退場者が出たからのため除外)。
ただまぁ、試合の主導権の有無に関わらず、こういった相手にリードを許す展開はよくあることで、そういった状況下でブロック崩しのための攻撃の引き出しの一端が見られたという観点においては、個人的には結構楽しめた試合。
サッカーにおいて、適切な処置を打ったとしても確率論的に得点に繋がらない事は多々あるもんなので、今日のやり方をブラッシュアップして、次は得点という結果が実ればって感じ。相手が引きこもった中でも、特に後半はゴール前のチャンスを多く作れていたってのはあったわけだしね。
一方、今日は聖を中心にサイドからのクロスが本当多かったけど、中央で合わしきれなかったシーンばかりだった印象は強い。
スタメンの1・2列目を見ればわかるけど、中央で高さ勝負できるのが健勇だけで、ベンチにも代替選手がいないんだよね。どれだけいいクロスが上がっても、中央での勝率をもう少し上げないと、宝の持ち腐れになってしまう感じ。
シーズン前にも書いたんだけど、ラッソがいなくなってしまい、若いマギーと磯崎がまだまだ試合に出られない中、高さで勝負できる選手の層がちょっと薄いのが実情。
例えばあれだけクロスを上げられていた今日の試合展開だったら、村上をCBに入れて、西尾かイヨハを前線に上げてパワープレイするってのも選択肢としてどうだったのかなとは思う次第。宮さんがあまりパワープレイしなさそうではあるんだけど、去年のPO千葉戦では吏音でやってたしなー。
あとボールを握り過ぎてしまっているのかなぁとも。
得意のハイプレスからのポジトラカウンターの機会を、自ずから捨ててしまっている懸念がどうしても拭い去れず、今日のような展開だったら、もう少し藤枝にボールを預けちゃってもいいんじゃあないかなぁとは、観戦中何度か思った次第。
だけどまぁ、次は得点取れるさ、きっと。
一方の藤枝。
怪我人が多く出ている中で、ある程度の割り切りが必要な状況下ではあったんだろうけど、ちょっと守備に振りすぎたサッカーだった感が…。結果的には1失点に防ぎきった形になったんだけど、今日だけでなく磐田戦やいわき戦も、複数点取られてもおかしくはない内容ではあったんで、5-4-1ブロックの万能さに頼りすぎるのもどうなのかなと思ったのが正直なところ。
個人的に去年の須藤監督の超攻撃的可変ポゼッションパスサッカーのファンでもあったんで、もうちょっと攻撃の姿勢や、磐田戦の前半にやっていたようなファーからファーへサイド幅をうまく使った攻撃や、数種類の可変を使った前進みたいな面白い攻撃を見たかったんだよなぁ。
ただ、う~ん、どうしても敗戦後だと負け惜しみに聞こえちゃう。。。。
ともあれ、次回対戦でしっかり借りは返さないとですね!
