観戦記 第2節 FC今治 VS RB大宮アルディージャ 26/27
概要
2026/8/15
今治VS大宮 2-3
大宮得点: 12'カプリーニ、27’カルリーニョス、90+1’小島
今治得点: 6’森、68’持井
@アシックス里山スタジアム
*現地観戦*
大宮のやり方

Sub: 笠原、イヨハ、木寺、小島、バンク、エドワード、日髙、健勇、マギー
今季初のAWAYゲーム。
開幕アルビレックス新潟戦で担架交代だった山本はおらず、右IHには中山が入った以外は同じメンバー。山本はももを抑えながらの退場だったので、肉離れとかじゃあなければいいんだけど・・・。
とにかく大宮のゲーゲンを支える山本の不在は大きいが、百年構想からずっと出場を続けている中山のIH守備に大注目していたこの試合。
期待に応えて中山は、16分のゲーゲン合戦に勝ってカルリのシュートに繋げたスルーパス、(時間は失念)ファールになったけど出足が速かった潰し、36分のパスミスをすぐさま自らのプレスで取り返しに行ったシーン、43分の奪取からのクロス等々、攻→守の切り替えが本当に速くなった事をこの試合でも沢山見せてくれた。
自分はそこまで重視してないんだけど、得点・アシストといった目にわかる数値もつけてあげたいんだよね。

新潟戦で見せていた3バックビルドはこの試合でも継続。
聖が後ろに残り、カプがハーフレーンに絞って、関口がサイドに開く形。ただ新潟戦では右IHの山本がトップ下みたくなっていたが、中山は少し下がり目で2ボランチでのビルド参加みたいなのもしていて、トップ下という感じではなかった。豊川・中山・玄で逆「く」の字を描く感じが多かった印象。
勿論4-1-2-3のままビルドで、カプが外に張る事もあり。
宮さんの3バック可変ほど明確に3と4を切り替えてる感じではないんで、ぱっと見わかりづらいんだけど、少なくとも聖が下がり目・関口が上がり目というところは基本的構造なのかと。
宮さんの3バック可変だと、後ろに残った聖のスーパークロスが活きないのがもったいないなぁとずっと思っていたのは、ここで何度も書いていた事。
一方でナダル監督の3バックにおいて、聖は低い位置からアーリークロスを入れる事を推奨されていて(*多分)、後ろに残ることでのデメリットが大分解消されていた。この2試合、敵陣に入ったら迷わずアーリーを入れている聖を数多く見せてくれていて、実際に多くのチャンスを創造してくれている♪
また、中央にクロスに強いカルリーニョスがいる事、逆サイドにカプor関口を張らしてフィードでのサイドチェンジをさせやすくしている事など、聖のクロスをしっかりと活かせる構造にしてくれているのは、なんとも嬉しい限りなんだぜ(シーズン前にそれを強く願望していた)。
今治の印象

開幕いわきFC戦から一人交代で、元アスルクラロ沼津の持井が右SHに入ってきた。
また、ボランチの中井と新井の位置を左右交代してきてたけんだど、これの理由はよくわからず。ビルドアップ安定化のため?
開幕戦ではマンマークプレスの鬼であるいわき相手に特に序盤はうまくいっていなかったが、やはり今治はパスで繋いで前進したいポゼッションサッカー志向。
序盤は菊地残しの3バック可変ビルド、途中からはCBを開く開かした4バックビルド、後半は4バックビルドで更にSBとSHを張らした形など、手を変え品を変えてパス前進の最適解を導き出していて、特に後半大宮は大いに苦しめられた。
また、ビルドに困った時の出口はCFエジガル。西尾や尾崎を背負いながらも、びくともしないポストプレーで、何度も前線で基点になっていた。ポゼッションチームにおいて、トップにキープできる人材がいると本当に助かるんだよね。
そして今治のストロングはサイドで、左の森晃太と右の梅木の攻撃力は格別。特に今日は森の仕掛けやクロスから何度もチャンスを構築しており、福島時代もそうだったけど、やっぱりいい選手だよなーとしみじみ思った。ちなみに今日の今治の攻撃の57%(!?)が、森のいる左からだったとのこと。
後はOMF駒井が2トップ気味になったり、サイドに流れたり、ボランチの位置まで落ちたりと、色んな所に顔を出して、黒子的に今治のパスを潤滑化していたのが印象深かった。
*その他各選手の特徴などはプレビュー参照
試合展開 前半
開始早々の6分、森のクロス気味のFKが、誰にも触られずゴールに吸い込まれ、今治が幸先よく先制に成功。

そんな今治は、いわき戦で見せてたような菊地を残したこんな3バックでビルドアップを試みる。森と梅木というストロングな2人でサイド攻撃を活性化させると共に、後ろ3枚でカウンターに備える形。左SBの菊地が上がると、ボランチが落ちてきたりして、後ろ3枚を極力残そうとしていた。
一方の大宮も関口を右に張らすと共に、いつものゲーゲンプレスからのショートカウンターを狙い、12分にその形から同点に追いつく。
スローインは一度は奪われるが、関口のインターセプト&玄のゲーゲンで即時奪取に成功!すぐさま攻撃モードにシフトチェンジし、カルリのフリックと豊川のスルーパスでフリーになった泉からの折り返しを、カプが中央で合わせてゴール!
チームとして狙っているポジトラゲーゲンカウンターからの速攻で、且つ様々な選手が持ち味を発揮したという、非常に美しいゴールだったかと!う~ん、2試合目にして早くもシーズンベスト級のゴールが飛び出してしまったんだけど、どうしましょう。
試合開始から3バックビルドが中心だった今治だが、15~20分ぐらいからは4バックビルド(4-2-3-1)に変更したと思われる。この時、2CBが結構開いて、その分ボランチ2枚がぐっとGKに近づいてきていた。
試合開始からロングキックを選択していたゴールキックも、ショートパスで開始するように。この時2CBがGKを挟むのが普通なんだけど、DMF中井とCBでGKを挟んで始めるっていう中々面白い試みもしていた。(CB櫛引は右サイドに開く)。
この辺の切り替えは、大宮のゲーゲンを見ての修正だったのか、はたまた試合前からのシナリオだったのか?
そんな今治の攻撃で魅せていたのが左SHの森晃太。
今治はチームとして大宮の守備を右に寄せ、その後アイソレーションさせておいた森にボールを預けて、空いたスペースで勝負させまくっていた。そんなお膳立てを作ってくれるチームの期待に応え、森は2分、18分、20分、34分など、前半だけで何度も得意な形から得点好機を演出していた。
*今治は裏抜けも結構狙っていたが、尾崎を中心に監視の目は怠っていなかった
一方の大宮は同点後もカウンターからチャンスを幾度か構築して、悪くない流れ。
すると27分、カプとポジションチェンジして大外に張っていた関口の持ち運びから、豊川がらしい反転によるシュート!これはDFにブロックされるが、セカンドを回収した聖のアーリークロスを、中央でカルリが頭で合わせて逆転に成功!
先述した大外に張る関口の位置取り、聖のアーリー、中央で待ち受けるカルリという、チームのしっかりとした土台設計によって生み出された得点だった。
その後も裏抜けと森での勝負 (後はエジガルのポスト)が中心のポゼッション今治と、ショートカウンターを狙う大宮のがっぷり四つの展開で進み、前半は1-2と大宮のリードで終了。
大宮の支配率43%、平均ボール奪取も41.9 mという事で、やはりデータ上でもポゼッションVSカウンターといった構図の前半。全体的には大宮が押していたかなといった印象通り、ゴール期待値は「今治:0.36 VS 大宮:0.76」という結果に。
大宮の攻撃は左:51%、右:23%という事だったが、カプの持ち運び&崩しと、関口の攻撃参加といった点では、右からの方がいい攻撃が出来ていた印象だった(左が駄目だったってわけじゃあないです)。
試合展開 後半
後半は今治の展開に
前半から引き続きショートパスでのポゼッションを継続する今治だったが、前半以上にボールが繋がるようになり、大宮のミドルプレスをするりするりとかわしていく。
おかげで後半開始から大宮はボールをほとんど保持できなくなり、今治のパス回しに後手後手の対応を余儀なくされる。
暑さから大宮の運動量が落ちたってのは勿論ある中、4バックビルドの今治のSB(特に左SB)の位置取りが後半変わっていた印象。逆サイドにボールがある時でもSBはボールサイドに寄らずにハーフレーン辺りに位置し(SHはサイドレーン)、位置取りも上がっていたように見えた。おかげで前半脅威だった森へのフォローが早くなって、より分厚いサイド攻撃ができるようになっていた印象が強い。
*ただ確信は持てないんで、全然見当違いかも…
51分のエジガルの飛び込みは聖がスライディングブロック、同じく55分のエジガルの裏抜けは尾崎がカバー等、守勢に回る大宮。52分のカプ突破からの、泉のシュートがバーを叩いたシーン以外はゴール前に迫れない。
攻勢が続く今治は60分に孫・駒井からガブリエル・安部の交代。先述の通り駒井は色んなとこに顔を出していて、今治のパス回しを円滑化していた (後は前線でのプレスも)。そして代わりに入ったのは元バルサの安部。マドリー中井&バルサ安部コンビ結成という事で、こちらも今夏話題になった移籍加入の一人。
66分には幅を使った完璧な崩しでゴールに迫られ、またその直後にはエジガルに枠外シュートを撃たれるなど、いつゴールを奪われてもおかしくない状況がずっと続く。
劣勢を跳ね返すため、プレスの運動量を回復させようと大宮が3人交代の準備をしていたが、その交代が一手遅れてしまう。68分、CKの跳ね返りを持井にミドルで決められ、同点に追いつかれてしまう。
セットプレーの跳ね返りという事で運のない失点でもあったが、あれだけ押されていた中だったので、ある意味必然の失点だったかな、とも。
失点直後、運動量が落ちた泉・カルリ・豊川を下げてバンク・マギー・小島を投入。本当に交代が一手遅れてしまった。
マギーがCF、小島が左IHに入り、バンクは初の左WGでの出場となった。
交代により前線でのプレスの運動量が増えて、悪い流れをある程度押し返すことができるように。特にマギーは前線でパスコースを切りながらGKやCBにハイプレスをかけてくれて、チームとして大分助かっていた。
あ、臨場感あふれるさとやまスタジアムで間近で見てみると、本当にマギーの足が速い事を実感した!体躯を活かしたポストだけでなく、裏抜けなんかもできる万能型ストライカーになりうる大器の片鱗の匂いがプンプンしてくる…!
74分にエジガル・中井→古山・山田の交代。
80分にはお疲れの中山から健勇の交代。健勇は前節のようなCFではなく、左IHに入り、小島が右IHに移った。
共に勝ち越しを狙う中、前線の運動量が復活した大宮は81分のカプのオシャレヒールパスからのバンクシュートや、83分の小島の奪取からのクロス、85分のカプのカットインミドルなど、やっと攻勢にも出られるように。
対する今治の、90分の古山のシュートをブロックした西尾のスライディングは熱かった!
このままATに入り、同点決着かと思われたが大宮に好機。
逆サイドの高い位置に上がった関口へ、聖がピンポイントフィード。これを90分走り続けて疲れ果てているはずの関口が、最後の力を振り絞って縦突破。折り返しは一度は跳ね返されるも、ペナ内に入り込んでいた小島が回収し、絶妙なトラップからGKのニアを冷静に狙い撃ちし、勝ち越しに成功!
これも2点目と似たような、両SBの長所を活かすよう組み立てられたチームの土台から生まれた得点だった♪
あ、観客席の目の前での劇的逆転劇に、大宮サポ達は興奮のるつぼでした。

得点後、ナダル監督は迷わずにカプ→イヨハの交代で5-4-1ブロックでの逃げ切りを遂行。西尾がCBの真ん中に入り、健勇がボランチ(?)の位置にいた!
5-4-1ローブロックでの逃げ切りっていうと、テツさんの顔が思い浮かぶ。。。(去年のHベガルタ仙台戦とか)
*同点で投入しようとしていた日髙の交代は寸前でとりやめに
ラストの古山のヘッドやCKもなんとか5バックで凌ぎきり、2-3でタイムアップ!
真夏のシーソーゲームを、ギリギリのところでモノにした!
最終的な大宮の支配率は40%と、後半ほとんどボールを握られていたため、百年構想では考えられないほど滅茶苦茶低い数値に。
シュート数は「今治:18 VS 大宮:12」と、後半押し続けていた今治が上回り、期待値も「1.48 VS 1.25」と僅かに今治が高くなった。
大宮は後半あまり奪取が出来てなかった印象だったが、試合全体の平均奪取位置は45.5 mと、前半よりも高くなっていた。これは数少ない奪取できた位置が高かったから数値が上がったって事なのかな?それとも自分の印象違い?
ともあれ45 m超えは中々の数字★
雑感
激闘決着
大宮としては、特に前半ゲーゲンが活きていたり、聖と関口を活かした狙いからの得点だったりが見られ、何より何より。
今治に押されていたの中で失点してしまったとはいえ、流れからの失点ではなかったのは、DFが最後のところで踏ん張れていたと言えなくもなく、特に西尾と尾崎の両CBは今日も体を張ってくれていた。エジガルの対応は相当疲れたハズ。
まぁでも、今日はともかくそういった事より、劇的なAT逆転弾の喜びが一番ですかね。クタクタの中でスタンドで観戦してたんだけど、そんな疲れも吹っ飛びました。
一方の今治。
監督交代したばかりにも関わらず、しっかりパスサッカーを植え付けて、試合の中で試行錯誤しながら最適解を見出して、後半は大宮を圧倒する事に成功。前節いわき戦もそうだったので、監督の采配や指示・修正が偶然うまく行ったってわけではなさそう。
エジガルのキープ、梅木の突破(カットインも!?)、駒井のポジション取り等、各選手のいい攻撃が多く目についたが、特に森がボールを持つと常に何か起こしそうな雰囲気を醸し出してて、本当に危険な選手だった。森を活かすチームシステムを構築しているのも◯。
いわき・大宮と、J2の中でもプレス強度が1・2位を誇るチームとのいきなりの開幕2連戦では白星はあげられなかったが、あのパスサッカーが他のチームにどのくらい脅威を与えられるのかは楽しみなところ♪
次回対戦では今治がどんな進化を遂げているのかも見ものだけど、大宮も負けじと進化して、また今日みたいな好ゲームを見せてほしいですね。
おまけ

今治戦の前日に、来年J1に上がった時の予習のため、対戦相手になるかもしれない広島の試合を密かに視察。@MAZDA Zoom-Zoom スタジアム。

広島の守備は扇形になる3-4-1-1で、徹底したゾーン守備 (ボールが自分のゾーンに入った時に各自で対応)。ピンチの際は、インフィールドの4人が極端に前に位置取る可変も見せていた。
この日は日本代表でエースの森下が躍動。インサイドをえぐる高速シュートや、無回転のブレ球などを駆使して相手の脅威となり続ける。森下は120分過ぎにベンチに下がったが、自ら1得点を挙げるなど攻守の活躍を見せ、結果、6-1と広島が勝利した。

広島市内で一泊し、翌日6:00に自転車で出発。しまなみ海道を通って今治を目指します。
しまなみは6回目の訪問という事で、初訪問の時ほどの感動は無いものの、やっぱり何度来ても走ってて気持ちがいいっす。

ということで170 kmほど走ってさとやまスタジアム到着~。暑いは暑かったけど、35℃超えるほどじゃあなかったのはよかったよかた。
*今治市内のホテルでシャワーを浴びてからの参戦

さとやまスタジアムは去年に続く訪問。今季からゴール裏に2階席が設けられて、収容人数も大幅アップ。
さとスタといえば、ゴール裏席が選手の目線とほぼ同じ高さで、更にピッチにも近い、滅茶苦茶臨場感と迫力感があるスタジアム。去年は間近で見たヴィニシウスの力強さに圧倒されたっけ。

ただ俯瞰しては見られないので、試合全体の選手の動きや陣形などを確認するのには、ゴール裏席は不向き…。おまけに今日は大旗の後ろの席だったので、本当にピッチ上で起こっている事象が過去一レベルでわからなかった・・・。
だので、前半の早い段階でその辺の理解は諦めて、何も考えずにこの試合の雰囲気を楽しむことにシフトチェンジしてました。
ただ、今日の試合展開的にはそれはそれでOKだったかな、と。逆転弾の時の盛り上がりは凄まじかった!
*あの高さの目線から、ピッチ全体を俯瞰して、空いたスペースを見つけたり、他選手の動きを認識できるプロのサッカー選手って本当に凄いんだなぁとも思い知らされた

激闘終了!お疲れ様でした~
