【プレビュー】第12節 藤枝MYFC VS RB大宮アルディージャ
藤枝の主なデータ
3位 5勝4分2敗
15得点 13失点
得点数:15位
ゴール期待値:15位
チャンスクリエイト数:12位
シュート数:24位
パス数:29位
ドリブル数:5位
1VS1勝利数:6位
ボール支配率:19位
失点数:21位
被ゴール期待値:32位
被シュート数:31位
クリア数:6位
タックル数:6位
ファウル数:14位
空中戦勝利数:24位
こぼれ球奪取数:29位
*順位はいい方から
槙野新監督の下、現在EAST-Bで3位につけている藤枝。得失点差は+2ながら、PK勝利も含め、効率よく勝点を稼いでる。
パス数が想像より少ないのと、逆にドリブル数が多いのは意外だった感じ。
シーズン序盤に数試合見た時は、結構ブロックにこもるやり方をしていたため、被ゴール期待値と被シュート数の悪さに比べ、実際の失点数は減っている感じ。
また、槙野監督はインテンシティを重視していて、昨年と比較してタックルも増えている。また去年多かったファール数も減っており(3位→14位)、クリーンに奪えている感じかな。
前回の対戦
第6節
2026/3/14
大宮VS藤枝 1-2
大宮得点: 80'カプリーニ
藤枝得点: 35'松木、57’松木
@NACK5スタジアム大宮
*現地観戦*
試合開始からハイプレス等で前に圧力をかける藤枝だったが、15分過ぎくらいからは5-4-1ブロックを組む時間が長くなり、大宮がボールを握って藤枝のブロック崩しに四苦八苦する展開。*開始15分ぐらいを全力で来るやり方を、この時期の藤枝は何試合かしていた。
そんな守備重視の藤枝だったが、前半にCKからの松木のヘッドで幸先よく先制。更に後半にロングスローからまたも松木がゴールをあげて、セットプレーから効率よく2点のリードを奪う。
リードしてから、よりブロックに引きこもるようになった藤枝に対し、カプリーニのロングシュートで1点を返すも、最後までブロックを打ち破れずに1-2で大宮が敗戦。
当時は結構守備に重きを置いた戦い方をしていた藤枝だったけど、それからどんな感じで進化しているのか…?
前節の藤枝のやり方 (VS ヴァンフォーレ甲府)

基本陣形は3-4-2-1。
去年のエース矢村が復帰も、大卒ルーキーの真鍋がFWのスタメンを続けている。177 cmの真鍋は相手を背負ったプレーであったり、前線からのプレスであったり、1トップのスタメンで使われているのも納得の働きをしていた。ここまで3得点だが、もっと取れるポテンシャルはあると思う。
その真鍋を支えるのが、浅倉と菊井という個人的に大好きなテクニシャンコンビ。ガイナーレ鳥取時代も含め大宮キラーの松木はこの試合は黄累積で、出場停止とのこと。
ボランチは岡澤と大卒ルーキーの三木。今の藤枝のビルドアップにおいて、この二人の役割が非常に重要になってくる(後述)。
CBの真ん中にはU-23代表にも飛び級で参加している20歳の永野 (FC東京からレンタル)。去年在籍していた鳥取に続き、藤枝でも主力となっている。
また、右CBには森、左CBには鈴木というSB脚質を持った2人を配置し、藤枝の可変システムに対応する。
足下の技術が要求されるGKは19歳の栗栖。北村は左足の疲労骨折の全治12週間の大怪我とのことで、早くよくなってほしい・・・。
須藤監督の時から可変攻撃が得意な藤枝。ポジトラ・ネガトラの流れで、この3-4-2-1のまま攻める事も勿論多くあったが、この試合ではまた特徴的なビルドアップをやっていた。

それはいわゆるミシャ式ビルド。
GKなどから繋いでいく場合、DMF岡澤が最終ラインに入って、左右両CBがSB化し、DMF三木がアンカーになる。またCBに押し出されたWBは高く上がって、サイドに張るため、結果、4-1-2-3 (というか2-3-5)の陣形に。槙野監督としても師匠のミシャからこのビルドについては徹底的に教え込まれていたはずで、それをこの藤枝で落とし込んでいる感じ。
この時、永野と岡澤の間に入ってビルドアップに加わる事も要求されるため、足下のうまい選手がGKに抜擢されている(ジョーンズ・レイも頑張れ!)。
試合前のコメントで槙野監督が「甲府の嫌がる事をする」と述べていた通り、甲府の3-1-4-2に対するミシャ式ビルドの有効性は高く、特に甲府のアンカー脇をIHの二人で使えたり、相手のWBの前後をSBとWBで挟んでサイドで優位性作れたりといったとこが利点。
藤枝はこのミシャ式ビルドを3-4-2-1ビルドと並行して使うため、相手はプレス相手を捕まえに行くのが中々に難しいんだろうなーとか思って見ていた。
この試合、前半は結構ロングボールを多用していて、FW真鍋か右WB中村涼 (182 cm)目がけて放り込んでいた。
ただ試合が進むにつれ、ショートパスを使った後ろからの繋ぎが増える。アンカーに入った三木にボールを入れ、甲府のサイド裏をWBに突かせたり、甲府のアンカー脇に浅倉や菊井を落としてボールを受けさせたりと、いい狙いを見せていた。
一方の守備はハイプレスはすれど、どちらかというとミドルブロックよりといった感じ。ただこれはあまり後ろから繋いでこない甲府だったからかも。

ハイプレス時は浅倉が最前線に上がった5-3-2で規制をかけ、ある程度運ばれると5-4-1ブロックに移行する感じ。ブロック移行の設定ラインは結構高く、そこまでハイプレスで立ち向かうというわけでなかったかな。
今年の藤枝はインテンシティの強化にも努めており、ミドルブロックの網は中々に固く、サイドでのゲーゲンプレスなども戦術に組み込まれている感じ。
例えば29分のサイドでボールホルダーに4人で囲んで奪ったシーンや、71分の左サイドのネガトラゲーゲンで奪い返してシュートまで行ったシーンなど、寄せの速い素晴らしいプレスからのポジトラカウンターを見せていた。
前節の藤枝の試合展開 (VS ヴァンフォーレ甲府)
試合前半は両チームともミドルブロックを組んで、固い様相の展開。
ショートパスが中盤で潰される事が多く、互いにゴール前まで簡単に持ち運べない感じ。
そんな中でも藤枝は真鍋の縦突破からのチャンスや、相手WB裏を使ったサイド攻撃でチャンスを作る。序盤はロングボールでのサイド狙いが多かったが、徐々にミシャ式ビルドによる前進が増えていった。
一方の甲府もしっかり5-4-1で守ってカウンターを狙い、太田のポストや、こちらも藤枝のWB裏を突いたサイド攻撃などからシュートまでつなげる。
前半のシュート数は「甲府: 3 VS 藤枝: 7」と、やや藤枝が押していた感じであった。
後半開始から藤枝はST菊井→矢村の交代で、浅倉が左ST、矢村が右STに。
去年は1トップを張っていた矢村だったけど、真鍋が前線に張れる今年はSTでの出場が多いのかな?相手背負ったり裏抜けもできる矢村だけど、1トップよりも2列目の方が適正ある気がするんだけど、実際はどうなんだろ?
甲府も後半、右CBの遠藤をSB化させた4バック可変でビルドアップする事が増え、攻撃の打開を図る。
後半の途中からはミシャ式ビルドから藤枝が押し込む時間が続き、そのいい時間帯だった71分に、相手ゴールキックの跳ね返りを左サイドの中村優斗が運んで真鍋に縦パス。パスを受けた真鍋は素早い反転から右足を振り抜き、これがゴールに突き刺さって藤枝が先制。藤枝は押し込めていた時間に、きちんと得点を取りきった。
前回対戦したシーズン序盤の藤枝は、リードしてからブロックに引きこもる事が多かったが、この試合では引き続き中盤で潰しに行く感じの守備で対応。
終盤はビハインドの甲府がサイドからクロスを上げまくってゴールに迫るも、DF陣が跳ね返し続け、無失点で試合終了。
藤枝の試合運びのうまさが光り、1-0での勝利となった。
支配率は共に50%、シュート数「甲府;7 VS 藤枝:12」、ゴール期待値「甲府:0.82 VS 藤枝:1.19」と、全体的には藤枝がやや押していた試合となった。
大宮 展望
前節のジュビロ磐田戦では、カウンター合戦の賭けに敗れた大宮。2連敗の中、勝ち点差2上回っている3位の藤枝に挑む。
松本山雅戦・磐田戦と、いずれもカウンターから複数失点しているため、カウンターケアに関しては再考の余地あり。
ただ、前線からのハイプレスと密集ゲーゲンで奪いに行く現在の守り方だと、どうしても密集抜けられてからのカウンターリスクは負うことにはなってしまう。
個人的にはもう少しポゼッションは捨ててもいいので、相手にボールを預けてカウンターを狙ったりするって時間も作ってもいいのかなぁとは思うんだけど、その辺りのバランスはどう調整してくるのかな?
藤枝は甲府戦ではミシャ式ビルドをメインに、3-4-2-1ビルドと使い分けていたけど、他にも左右CBの片方を上げたビルドアップなんかもできるはずなんで、大宮相手にはどんな方法を取ってくるかな?
3-1-4-2の甲府と違い、4-2-3-1の大宮相手にはミシャ式4-1-2-3ビルドはある程度噛み合わされてしまうため、どちらかと言うと3-4-2-1のまま来るんじゃあないかな?後は左右のCBの上がりによる4バック可変か。
とにかく試合が始まったら、可変のキーマンであるDMF岡澤がどこに位置取るかにまず注目。
甲府戦ではショートパスでの前進を図っていたけど、大宮にボールを預けたブロック守備で、カウンター狙いをしてくるかも。前回はブロックに引き込まれてしまって大宮が攻めあぐねたので、あまりやってほしくはない方法 (試合的にも面白くなくなってしまう…)。
また、ロングボールのターゲットとして右WBの中村涼を使ってもくるため、マッチアップする聖のとこのケアも考えておきたいところ。同じく右WBの小田の高さにサイドでやられてしまった松本戦の再現は避けたい。
