山の暮らしの物語13 夜の魚獲り
ある夏の夜、晩ごはんが済んでから
ゆきちゃんは 父さんに連れられて 夜の川に出かけた。
父さんが手に持ったガス灯が山道を まぶしいくらい 明るく照らしている。
家のそばにも 湧き水が流れているが
今夜行くのは 山道を下った もう少し大きな川だった。
この川の上流にお友達のまあちゃんの家があるのだ。
しばらく行くと ザァザァ どぷん どぷん と 水音が聞こえてきた。
あたりは真っ暗なので、ぎゅっと 父さんの手を握って顔を見上げる。
暗くて顔は見えないけど 大きな手が握り返して来た。
道のそばの藪を踏み分けて 水辺に下りると 川の匂いがする。
冷たい水が気持ちよくて、ゆきちゃんは怖いのなんか忘れてしまった。
父さんがガス灯を高く上げて、川面を照らしながら浅瀬を歩いて行く。
ゆきちゃんも ドキドキしながら 転びそうな足どりで後に続く。
大きな岩があって 流れが淀みになっている所で
父さんは足を止め 岩陰の深みを照らした。
何匹かの魚が じっと固まって 眠っている。
ゆきちゃんは 息を飲む。
とうさんは 右手に持っていたウナギバサミを構えると、そっと深みに差し入れ、寝ぼけた一番大きなヤツを つかみ上げた。
「夜 寝てる魚は 動きが鈍い。こうやって捕まえられるんだよ」
と ゆきちゃんは教わった。
数匹の魚を獲ると、それを小枝に刺して ぶら下げ
二人は 来た山道を登って家路についた。
ちょっと疲れたゆきちゃんは 途中から おんぶしてもらった。
田んぼのとこまで 帰ってくると ほたるが あちこちを ふわ~と飛んでいる。
母さんが 心配そうに 庭先に出て 二人の帰りを待っていた。
「寝てしもうた」
父さんから ゆきちゃんを受け取った母さんは 先に家の中へ 入って行った。
この「山の暮らしの物語13 夜の魚獲り」を 原作として
下記を創作しました。
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