なぜハラリはロシア版の原稿を書き換えたのか?『21 Lessons』に隠された衝撃の真実
私のお気に入りの著者で、このnoteを初めた一番最初に紹介した本があるのですが、いま読み返すとぜんぜん良くなかったので、今日と明日は、彼の本、二作を改めて紹介しようと思います!
ユヴァル・ノア・ハラリです。
『サピエンス全史』っていう本で有名になったので、この本しか知らない人も多いかもしれません。
ですが、彼の本は三部作みたいに、実はうまく分けられて書かれていて、サピエンス全史は過去、ホモデウスは未来、21 Lessonsは現在、そしてNEXUSは人工知能について書かれてます。
ということで、今日はその現在について書かれている『21 Lessons』を紹介しますね!
タイトル通り、21世紀の人類のための21の思考が書いてある。
どんなことが書かれているかというと、ハラリは、スマホを見ればたくさん情報がいくらでも入ってくる世界では、物事をはっきりと見極める『明確さ』こそが力になると書いています。
毎日の仕事や生活に忙しい普通の人って、世界の大きな問題についてじっくり考える余裕がありません。
でも一般人が目を背けている間にも世界は変わり続け、その影響からは誰も逃れられません。
じゃあ、どうすればいいんだっていう解決方法が、この本に書いてあります。
テクノロジーの問題(AIに仕事を奪われる的なこと)
AIやバイオテクノロジーの進化により、働き方や生活って根本から変わろうとしてますよね。
ハラリは、2050年には多くの仕事がAIに取って代わられ、経済的な価値を持たない無用者階級と呼ばれる人たちが大量に生まれる危険性があると書いています。
さらに怖いのは、私たちの自由が失われる可能性です。
スマホやパソコンを通じて、私たちの行動データはすべて集められています。
そのデータをもとに、AIが「あなたにはこの仕事が向いている」「この人と結婚すべきだ」と、本人よりも正しい決断を下すようになれば、人間は自分で選ぶ自由意志を失ってしまうかもしれません。
政治の問題(国同士が協力できないジレンマ)
<地球温暖化、核兵器の脅威、AIの暴走>
この問題って、もはや一つの国だけで解決できるものではありません。
それなのに、今の世界では「自分の国さえよければいい」というナショナリズム(国家主義)が高まっており、世界中で協力しづらい状況になっています。
ハラリは、グローバル(地球規模)な問題には、グローバルな協力が絶対に必要だと書いています。
ですが、今のところ正反対に世界は舵を切っているので、ちょっと絶望的ですね。
テロの本当の怖さ
テロリズムや戦争について、ハラリはテロリストを、猛牛(国家)を怒らせて、陶器店(社会の秩序)を壊させようとするハエに例えています。
ハエ(テロリスト)自身にはお店を壊す力はありませんが、耳元で飛び回って猛牛をパニックにさせることで、猛牛自身にお店をめちゃくちゃにさせるのです。
つまり、テロの一番の対策は「私たちがパニックを起こさず、過剰に反応しないこと」です。
また、自分たちの国や宗教が「世界の中心だ」という思い上がりを捨て、謙虚になることの大切さも説いています。
フェイクニュースは昔からあった
ハラリに言わせれば、人類は昔から神話や国家、お金といった、作られた物語(虚構)をみんなで信じることで、見知らぬ人同士で協力し合ってきた生き物です。
つまり、嘘や物語で人々を動かすのは、今に始まったことではないのです。
実は、この本の出版時にも真実をめぐる事件がありました。
ロシア語版を出版する際、プーチン大統領の嘘を批判する文章が、まるごとトランプ大統領の批判に書き換えられていたのです。
これは、ロシアの厳しい検閲を避けて本を出版するためのハラリ自身の苦渋の決断でしたが、結果的に「真実とは何か」というこの本のテーマを現実世界で証明するような出来事になりました。
レジリエンス(折れない心)
これから先、世界がどうなるか誰にも分かりません。
そんな時代に、学校で「ただ知識を暗記すること」は意味がなくなります。
必要なのは、次々と変わる世界に合わせて自分自身を何度も作り直す心の柔軟性(レジリエンス)です。
そして驚くべきことに、最新のテクノロジーや国際政治を語ってきたハラリが、最後に勧めている解決策は瞑想です。
GoogleやFacebookなどのAIが、あなた自身のことをあなた以上によく知り、心を操るようになる時代がすぐそこまで来ています。
そうなる前に、自分自身の心の動きをありのままに観察し、自分のことを深く知ることが、AIから自分を守る一番の武器になるとハラリは言います。
超激ムズ世界の基準になる本
どうしても読んでほしい本だったので、二年越しにもう一度分かりやすく紹介してみましたが、いかがだったでしょうか。
21 Lessonsは、読めばすぐに魔法のような解決策が見つかる本ではないです。
でもこんな複雑でAIが出てきて、理解しづらい世界では、なんというか考える基準になる本は、ほしいですよね。それがこの本なんだと思います。
読み過ぎて背表紙が剥がれて中のページが落ちてきちゃったので、もう一度買って読み返しています。
ユヴァル・ノア・ハラリの他の本の紹介はこちら。
全ての著作の記事、書いてます。
サピエンス全史
ホモ・デウス
人類の物語
NEXUS
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これからも毎日、本を紹介したいのですが、このnote、ずっと赤字状態です。もし本好きの方がいらしたら、チップを送っていただけると嬉しいです。