AIに生きる価値を奪われる前に…サピエンス全史著者が描く衝撃の未来!『ホモ・デウス』
昨日に引き続き、このnoteを始めた二年前に紹介した、ハラリの本を再び紹介します!
世界中で1200万部以上売れた大ベストセラー『サピエンス全史』をご存知でしょうか。
その著者である歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリが、次なるテーマとして人類の未来を描いたのが本書『ホモ・デウス』です。
前作が「人類はいかにして地球の支配者になったか」という過去を解き明かしたのに対し、本作は「世界を支配した人類は、次にどこへ向かうのか」という未来を予測しています。
タイトルの「ホモ・デウス」とは、ラテン語で神になった人間という意味。
人間が、テクノロジーの力で神のような存在に進化しようとする時、世界に何が起きるのか。
そんなことについて書いてある本です。
人類の新しい目標→不死・至福・神
これまで数千年にわたり、人類にとって最大の敵は飢饉(飢え)と疫病(感染症)、戦争の3つでした。
しかし、現代の科学技術と国際的な協力によって、これらは対処できる問題に変わりました。
たとえば、現代では餓死する人よりも、食べ過ぎ(肥満)による病気で亡くなる人の方が多く、戦争で殺される人よりも、自ら命を絶つ人の方が多いのが現実です。
ハラリは現代では火薬よりも砂糖のほうが多くの人間を殺していると皮肉交じりに書いています。
この3つの課題をほぼ克服しつつある人類は、次にどこへ向かうのか?
ハラリは次の3つの新しい目標を挙げます。
不死(死の克服)
→ 老化や死を医療テクノロジーで解決できるエラーとみなし、寿命を延ばし続けること
至福(永遠の幸せ)
→脳科学や薬などの生化学的なアプローチで、常に幸せを感じられる状態を作ること
神性の獲得
→ AI(人工知能)や遺伝子操作を使って、人間をホモ・デウス(神のような人間)へとアップグレードすること
なぜ人間は特別なのか?
そもそも、なぜ私たちホモ・サピエンスだけが地球を支配できたのか。
それは個人の頭が良かったからではなく、虚構(フィクション)」を信じる能力があったからです。
お金、国、法律、会社は、物理的には存在しない人間の頭の中だけの虚構(作り話)です。
しかし、見知らぬ大勢の人が同じストーリーを信じることで、人類は世界規模で協力できるようになりました。
そして現代社会を動かしている最強の宗教が、人間至上主義(ヒューマニズム)です。
これは、人間の感情や自由な意志こそが、世界で一番価値があるという考え方。
政治では有権者の意志(民主主義)が尊重され、経済では消費者の欲望(資本主義)が市場を動かします。
AIの進化と無用者階級の誕生
しかし、テクノロジーの進化が、普通の人が信じている人間至上主義をぶち壊そうとしています。
最新の科学では、人間の感情や意思決定も、結局は脳内の化学物質による単なるアルゴリズム(計算処理)に過ぎないと考えられています。
そしてここからが重要なのですが、人間よりもはるかに優秀にデータを計算できる存在が現れました。それがAIです。
これまで、高度な作業をするには意識(感情や主観)が必要だと思われてきました。
しかしAIは、意識をまったく持たないまま、人間をはるかに超える知能を発揮し始めています。
AIが人間の医者より正確にガンを発見し、人間のドライバーより安全に車を運転するようになればどうなるでしょうか?
社会システムにとって、意識を持つ生身の人間はコスパの悪い存在になってしまいます。
その結果、仕事だけでなく、社会的な価値すらも失ってしまった無用者階級(社会の役に立たない人たち)が生まれるとハラリは書いています。
データ至上主義
人間至上主義が終わった後、次に世界を支配するのはデータ至上主義(データイズム)だと言われています。
これは、すっごく簡単に説明すると、宇宙のあらゆるものはデータの流れであり、価値があるのはデータを処理することだけだ!という極端な考え方です。
この世界では、人間は巨大なネットワークの単なるデータ処理チップとして扱われます。
象徴的な例として、ハリウッド女優のアンジェリーナ・ジョリーの決断が挙げられます。
彼女は当時ガンではありませんでしたが、遺伝子検査(データ)によって「将来乳ガンになる確率が87%」と出たため、自分の健康な感覚よりもデータを信じ、乳房の切除手術を受けました。
就職、結婚、健康管理まで、私たちは自分の直感や感情よりも、GoogleやAmazon、AIのアルゴリズムの方が自分のことをよく知っていると信じ、あらゆる決断をAIに任せるようになります。
こうして、人間は静かに主導権を失っていくのです。
人工知能ディストピア…
ってことで、二年ぶりにもう一度紹介した『ホモ・デウス』いかがだったでしょうか。
この本で描かれるディストピアは、絶対に起こるわけではないけど、まあ間違いなくホントに起こる未来でしょう。何もしなければね。
じゃあ、なんでハラリはそんなことを書いたのかというと、世界中に警告して、それぞれの国が規制する法律を作ったり、国際社会が強力して、そうならないように何かすることを望んでいるわけです。
AIがなんでも合理的な正解を出してくれる時代だからこそ、データに表れない非合理的な感情や、泥臭い人間関係といった人間らしさにこそ価値が生まれるかもしれません。
人間は、単なるデータの処理装置になってしまうのか。
それとも、テクノロジーを使いこなしながら人間としての尊厳を守るのか。
せめて後者になりたい、という人は、いますぐこの本読んだ方が良いと思う…
ユヴァル・ノア・ハラリの他の本の紹介はこちら。
全ての著作の記事、書いてます。
サピエンス全史
21 Lessons
人類の物語
NEXUS
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これからも毎日、本を紹介したいのですが、このnote、ずっと赤字状態です。もし本好きの方がいらしたら、チップを送っていただけると嬉しいです。