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支配者が追い求めた古代の超科学②~飛行技術~

支配者が追い求めた古代の超科学①~聖杯~のつづき。


 ナチス・ドイツの中にはアーリヤ人の故郷を真剣に探していた者もいたようだが、探検隊に出資していた側が求めていたのは戦争に利用できる古代の超科学ではないだろうか。

 彼らが欲した技術のひとつが優れた飛行技術である。
 ナチスがUFOを開発していたという噂はオカルト界隈ではよくささやかれる話だが、実際に完成させたかどうかは不明である。

 もし完成させていたとしても、それは過去からの技術継承であり、とくにオカルトと呼ぶべきことではないのかもしれない。


 なにしろ、UFOはシュメール時代から存在した。


 イランの神話時代の王タフムーラスは戦車に悪魔をつないで空を飛び、ジャムシードはガラスの戦車で空を飛んでシュメールの地に降り立った。

 インド神話でも「ヴィマナ」と呼ばれる戦車、あるいは宮殿が空を飛ぶ。

 知らない人が見れば、これらはみなUFO(未確認飛行物体)である。


 江戸時代の常陸の国の海岸には「うつろ船」と呼ばれた円盤型乗り物が漂着した。漂着場所は現在の神栖市波崎舎利浜に比定され、うつろ船から出てきたのは身なりの良い美女で、顔色は青白く眉毛と髪は赤かったと書いてある文書もある。

屋代弘賢の『弘賢随筆』にある絵
文書によって挿絵のうつろ船と美女のデザインが違う



 また、中世ヨーロッパの絵画には、たびたび空飛ぶ円盤が描かれている。

マソリーノ、『サンタ・マリア・マッジョーレ聖堂の建立』1430年頃
カポティモンテ美術館

 ……この絵は雲に乗って現れるキリストを描いたようにも見えるので、円盤に見えるものは雲かもしれないが(ほかの部分に比べて雲だけへたっぴ説)……。



 この絵はもっとUFOっぽい。……いや、天が開いたイメージかもしれない。

 ほかにも、『UFOのマドンナ』と呼ばれる絵画など、いろいろあるよ。


 1561年にはニュルンベルクでそれこそ未確認飛行物体同士の空中戦が目撃されている。



 19世紀末にはアメリカで謎の空飛ぶ船騒動が起きたが、この頃にはもう飛行船が完成しつつあったので、開発中の試作機が飛行していたと考えられなくもない。




 このように、飛行技術は何も20世紀以降の文明特有のものというわけではない
 うつろ船から出てきた美女も宇宙人ではなく、異国人である。グレイ型エイリアンを見て美女とは言わないだろう。

 現代もそうだが、いつの時代でも科学技術には地域差がある。

 21世紀になっても電気を使わない昔ながらの生活を送っている人々がいる一方で、オール電化が流行っている地域もある。

 それに、今も昔も発展した科学技術を持っていたとしても、ローテクとハイテクが入りまじった暮らしを送るものである。
 現代日本だってスマホをいじっていたかと思えば、鍬でジャガイモの畝たてをしたりする。

 古代も同じ。飛行機が空を飛ぶ現代でもまだ土器を製造しているように、古代でも土器をつくりながら飛行機器も製造していただけのこと。

 ではなぜ、近代に入って文明が突如発達したかのような印象を現代人は持っているのかというと、現代は飢饉と災害が多発する小氷期の悲惨な時代からの回復期にあり、だから文明は右肩上がりに発展するものという感覚を持つことができるのだが、歴史を通して右肩上がりがつづいてきたという事実はない。
 発展のあと、大災害や戦争による破壊、人口減少によってインフラ維持が不可能になり、複雑な都市システムは放棄され、文明が衰退するということが幾度となく繰り返されてきた。


 明らかに発展のピークを越えた時代に生まれた現在の若者たちならば、この先の文明衰退を肌感覚として理解できるのではないだろうか。

 現代日本の大規模インフラは、戦後の短期間に大きく拡張した。そのときいっせいに作られたインフラが、今まさにガタが来はじめている。
 埼玉の下水管崩落事故はこれから各地で起きることの先例でしかない。
  
 国全体が衰退すると、大規模事業が行えなくなる。

 石油の掘削や飛行機の製造は大規模事業である。

 このまま衰退が進めば、飛行機がない時代がまたやって来るということである。
 

 
 我々はヨーロッパ人の支配する時代に生きているため、世界の辺境であったヨーロッパの歴史に重きを置いた教育をされているが、彼らが台頭したのはせいぜい16世紀以降、世界のスーパーパワーとして君臨するのは19世紀からのことである。
 
 それ以前の世界の王といえるスーパーパワーはみなメソポタミアを手に入れた国家である。そこが世界の先進地域だったからだ。
 アレクサンドロスのマケドニアしかり、アラブしかり、モンゴルしかり、オスマントルコしかり。そして、どの民族よりも長いあいだメソポタミアを領有していたのが古代イランの勢力である。


 天の岩船に乗ってヤマトに飛来したニギハヤヒも、天の鳥船に乗って葦原中国に飛来したタケミカヅチも、彼らは「高天原」からやって来た神族である。

 彼らはインド神話でヴィマナを所有していた人々、さらにはシュメールにガラスの戦車で降り立ったジャムシードと同じ種族である。


 そう、高天原は日本にはない。

 飛行技術をもつ神族は、もとはイランの一地域に住んでいた。



 * * *

 14世紀、中央アジアから瞬く間に中東一帯を征服したティムールは、サーヒブ・キラーン(星座の支配者)とも呼ばれていた。
 これはイランの占星術思想が由来の称号であって、吉兆の星の合のもとに生まれた覇王を意味していた。

 古代バビロニアでは占星術が盛んであった。そのバビロニアを長らく支配していたイラン世界でも占星術は盛んであった。
 占星術は個人に星座を割り当てるだけではなく、国にも割り当てがある

 現在の割り当ては抽象的になり、ひとつの星座に割り当てられる国の数は複数だが、国の数が少なかった当初はどの星座がどこの地域あるいは民族を表しているのか、よく知られていたのではないかと思う。 


 20世紀初頭のドイツでヴリルの淑女たちに接触したという、自称「牡牛座のアルデバラン星系のプレアデス人」。
 
 プレアデス(すばる)は古代中国では王者農耕を象徴する星であった。

 
 谷村新司さんは『昴~すばる~』の歌詞「さらばすばるよ~」について、すばるは財の星だから物質文明にサヨナラという意味だと述べていたようだが、本人曰く「降りてきた」というこの歌詞、日本人にとってはそれ以上の意味をもっているのかもしれない。

 ニギハヤヒとニニギが出発した土地、高天原。
 彼らは王者として王者を輩出する土地からやって来た。
 まさに、古代中国で王者の象徴であった星、すばる。二十八宿の西に割当てられた星。

 大和朝廷の先祖はすばるにさらばして東へ旅立ったのだ。



 つづく。


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