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40年前に構想したボードゲームをAI時代に完成させたら、作者がAIに勝てなくなった話

昭和63年——40年近く前、私は新しいボードゲームを作っていました。
構想だけではありません。ベニヤ板を切って73マスの星型の盤を作り、駒も揃えて、実際に遊べる形にまでしました。

手作り73マス盤

ただ、このゲームには欠点がありました。盤が大きく、1局に1時間ほどかかったのです。
「いつか世に出したい」と思いながら、盤は押入れで眠ることになりました。
時は流れて2026年。AIの力を借りてアプリを作れる時代になりました。「いまなら作り直せるのではないか」——そう思い立って完成させたのが、リバーシと囲碁を融合させた星型ボードゲーム「ReverStarGo(リバースターゴ)」です。
73マスから37マスへ。1局1時間から、1〜3分へ。40年越しのリメイクです。

ゲームのトップ画面

どんなゲームか


ルールは名前がすべて表しています。
Rever(se):リバーシのように、相手の石を挟むとひっくり返る。6方向に挟めるので、一手で大逆転が起こる
Star:37マスの星型ボードで戦う
Go:囲碁のように、相手の石を完全に囲むと盤上から取り除ける
Rever + Star + Go = ReverStarGo。1局はわずか1〜3分で終わります。

ReverStarGoの盤面

ブラウザで無料で遊べます → https://play.reverstargo.com


ひとつの不安


完成が近づくにつれ、ある不安が頭から離れなくなりました。
40年前に作った盤は73マスでした。それをスマホ時代に合わせて37マスへと、ほぼ半分に小さくしたのです。
「この小ささでは、コンピューターで先を読めば最善手がすぐ決まってしまい、結局"底の浅いゲーム"になってしまうのではないか?」
作った本人として、これは確かめずにいられませんでした。


AI同士を30万局戦わせた


そこで、3つのゲームを同じ条件で比較する実験をしました。
6×6リバーシ(36マス)……ReverStarGoとほぼ同じサイズの対照群
ReverStarGo(37マス)……本命
8×8リバーシ(64マス)……いわゆる普通のオセロ
3つのゲームすべてに同じ仕組みのAIを実装し、強さを10段階に変えながら、各レベルで1万局ずつ、合計30万局の自己対戦をさせました(実験全体では約200万局になりました)。個人のPCで回し続けたので、深い先読みの設定では1条件に56時間かかったこともあります。
測ったのは「同じゲームを1万回やったとき、毎回どれくらい違う展開になるか」。言語学で使われるHeaps'(ヒープス)の法則を棋譜に応用した、β(ベータ)値という指標です。
深く読むほど展開がワンパターンになる → 戦略の幅が狭い=浅いゲーム
深く読んでも新しい展開が出続ける → 戦略の幅が広い=深いゲーム


結果:不安は杞憂だった


結果は、予想以上に面白いものでした。
3つのゲームとも、AIの先読みを深くしていくと、β値が「一度下がってから、再び上がる」という共通のパターン(J字型)を示しました。そして、そのJ字の「大きさ」がゲームごとにはっきり違ったのです。
8×8リバーシ:大きなJ字型(深く読むほど新しい戦略が広がる)
ReverStarGo:中程度のJ字型
6×6リバーシ:小さなJ字型(深く読んでも展開があまり広がらない)

β 値グラフ(3 ゲーム比較)

注目してほしいのは、ReverStarGo(37マス)とほぼ同じサイズの6×6リバーシ(36マス)が、まったく違うグループに分かれたことです。
ゲームの深さは、盤面の大きさだけでは決まらない。 星型という盤面の形と、「囲んで取る」「中央マスの色を宣言する」といった独自ルールが、戦略の幅を大きく広げていました。
盤面が8×8リバーシの約58%しかないのに、深さの性質は8×8側のグループに入る——「小さくしても、底の浅いゲームにはならなかった」。これが、30万局のデータが出した答えです。
詳しい方法と数字はすべて研究レポートとして公開しています。
https://play.reverstargo.com/report/


作者はAIに勝てません


こうして「深さ」を確認できたのは良かったのですが、困ったことがひとつあります。
このゲームにはCPUレベルが7段階あるのですが、作者である私が、上から2番目の「MAX」に勝率21%しかありません(18勝66敗)。最強の「FINAL」には、まだ挑む勇気すら出ません。

戦績画面

40年かけて形にしたゲームに、作者が勝てない。悔しいような、嬉しいような、不思議な気持ちです。

あなたはFINALを攻略できますか?


というわけで、挑戦者を募集しています。

オセロが得意な方なら、「挟んで返す」感覚はそのまま通用します。そこに「囲んで取る」の読みが加わったとき、あなたの棋力がどこまで通用するか——ぜひ試してみてください。


遊ぶ(無料・ブラウザですぐ) → https://play.reverstargo.com

ルールなど詳しくは → https://reverstargo.com

研究レポート → https://play.reverstargo.com/report/

X(進捗を投稿しています)→ https://x.com/ReverStarGo

FINALに勝った方は、ぜひXで教えてください。まだ攻略者はいません。


第2回:オセロが打てる人なら3分で始められる、リバースターゴのルール解説
https://note.com/reverstargo/n/ndccdc64d93cf

第3回:Google Play の審査に3回落ちて、公開まで84日かかった話
https://note.com/reverstargo/n/n5ae0a265ed21

第4回:盤を半分に縮めたら、ゲームは浅くなるのか。AI30万局で確かめた
https://note.com/reverstargo/n/n2313efb31a5b

第5回:読者にコメントをもらってから10日で、その人に追い抜かれた話
https://note.com/reverstargo/n/na900cb184e82


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