異星人アリサと閻魔さまのトリセツ第53話「真由美の風水仙台ひとり旅(後編)」【連載小説】
真由美が宿泊したホテルは、宿泊サイトから予約したもので、仙台駅から徒歩10分程度。街の中心部にあって、凄く便利だった。
ホテル近くのアーケード街は人通りが絶えず、真由美に馴染みのある吉祥寺のアーケード街をスケールアップさせた感じだった。
今回のひとり旅は方位学にも詳しいドクター・ミネルバに勧められた方位。
旅行で運気アップを最大限にするコツは、その土地の食べ物を味わい、温泉につかるなどして、できるだけローカルのものを身体に取り入れることだ。
そのほか、真由美はドクター・ミネルバから、こんな事もアドバイスされていた。
「一つだけ注意してほしいことがあるわ。1日目は朝8時半までに家を出て。それから、どこにも寄らずに一直線で仙台に行ってね。もしもどうしても用事があるなら、30分以内に済ましてスグに東京駅に向かうのよ。そうじゃないと、上から見て(!?)真由美さんの目的が分からなくなるの」
更に、
「2日目は自由にしていいけど、初日は夜8時以降はホテルの部屋から一歩も出たらだめよ。風水の効果を最大限に活かすためだからね。ちゃんと守ってね」
というものであった。
真由美は一人で夜中にどこかへ出かけるタイプではない。ホテルの部屋でテレビなり、動画なり、記事を書く為の構想を練るなり、誰にも邪魔されない空間を持てる方が有難い。そんな事を考えるだけで嬉しくなっていた。
そんなこんなで、初日は夜8時までに部屋に入ると、翌日の朝食を食べにホテルのレストランに行くまで部屋から出なかった。
翌日、真由美は朝8時半にレストランでバイキング形式の朝食を取った。
ここでも大切なのはローカル色の強い食べ物を選ぶことだ。笹かまや仙台味噌を使ったお味噌汁、緑茶などは絶対に外せない。そのほかにも、その土地ならではの料理をほぼ制覇してから観光に出かけた。
観光バスに揺られながら仙台の街を何となく眺めていた真由美だったが、青葉城跡以外にはあまり興味が湧かなかった。ただ、バスの窓から見えた有名なショップが、自分が長年愛用していたナップサックのMont-bellで、そのお店が仙台にあるとその日初めて知り、驚いた。<ここは余談です:残念ながら、シンガポールから日本に戻る際、現地の引っ越しスタッフ(日本人やシンガポールのスタッフではない)の中にいた超怪しい外国人に盗まれてしまった可能性大。というのも、其の人が担当した場所のモノが数点消えており、引っ越し二日目に其の人だけ来なかったから。また、日本人スタッフが其の人が急に休んだことを当日知った時の顔が、まさにそれを物語っていた!😿>
仙台の街は京都のように外国人観光客が多くはなく、その代わりに4人ほどの日本人女性のシニアグループが目立っていた。
そして、最終日。
真由美はホテルから徒歩3分の老舗デパートに足を運んだ。出かけるなら、やはりローカル色の強い場所が良い。
ホテルの案内人によると、創業200年の藤崎百貨店は地元の人々に愛されているとのことだった。
開店時刻に訪れると、開店を待つ多くの人々の姿が見られた。

開店すると同時にお客さんが次々と店内に入っていく。ほとんどが地元の人たちで、観光客らしき人はあまり見かけない。
真由美はデパートに入ると、入口近くのハンカチ売り場へ向かい、お土産としてマリークワントのショッピングバッグを購入した。

藤崎百貨店の黄金のエスカレーターは有名で、1971年に設置されたものである。世界で二番目に古いエスカレーターであり、日本の百貨店では初めて導入されたものだ。
真由美が百貨店の店員さんにエスカレーターについて尋ねると、ベテランの店員さんはその派手さを少し恥ずかしがりつつも、とても誇らしげに語っていた。
その後、真由美は仙台駅でお土産のお弁当などを購入した。
風水で旅行に行った以上、家族にも恩恵がなければならない。
吉方位で買ったものや食品は、家族に食べてもらい、みんなで運気を上げるのが一番の近道だ。



◇
夕方、真由美が家に帰ると、玄関にリッチーが待っていた。
ほっとしたような、安堵感に満ちた表情ではあったが、何となく寂しそうな顔をしていた。
対するチビワンコたちはワン🐶キャン🐕吠えながら、真由美をとり囲んだ。
そして、
真由美が旅行から帰った二日後に、リッチーが虹の橋を渡ることとなった。
第53話へ続く
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つり革広告のようにご覧ください🐶🍀
