ふたりの昼下がり 【介護の詩】
自分の部屋でスマホを見ながら、
私はつい、
ウトウトと寝落ちていました。
ヘルパーさんが、
妻のお風呂の介助をしている間に、
お昼の準備をするつもりでした。
気づくと、
もうヘルパーさんは帰ったあと。
急いで妻のいるリビングに行けば、
妻はパジャマ姿でベッドに座り、
自分の洗濯物をネットに入れていました。
『寝ちゃった』と言えば、
妻もニコニコしながら、
『良かったね』と。
『これからお昼準備するから、
洗濯してて』
『うん』と。
妻はゴトゴトと杖をつきながら、
大きめのエコバッグを肩に掛け、
中身をゴソゴソと取り出して、
洗濯機に入れました。
そして、バタンと蓋を閉める音。
洗濯コースを選び、
ピピッと電子音が鳴ると、
洗濯機はグルッグルっと動き出しました。
その音を確認しながら、私は──
レタスを小さくちぎり、
それを一枚ずつ水に浸していました。
トマト、きゅうりを
食べやすいように切って、
よく水を切ったレタスに、
それらを乗せました。
トッピングには、
ブラックオリーブ、フライドオニオン、
ベビーコーンなど。
──少しだけ華やかな
ミックスサラダが完成しました。
加えて、妻が食べやすい大きさに切った
フランスパンに、
ガーリックトーストのペーストを塗り、
トースターへ。
冷蔵庫にあった
ジャガイモのヴィシソワーズを
カップに移せば、
──お昼も完成しました。
食後の果物には、
ブルーベリーと、
カットしたグレープフルーツを用意しました。
ダイニングテーブルに並んで座り、
『いただきます』
いつもより30分以上、
遅いお昼になりました。
私が、
『ブラックオリーブ嫌いなんだよねー』
と言いながら、
妻のサラダに乗せていくと。
『えー、そうなの? 私は好きー』
前から何回も伝えていましたが、
妻はいつも、
それを初めて聞いたような
顔をしていました。
しばらくすると、
ピーピロピーと洗濯が終わった音。
お昼も食べ終わり──
『おやつに、
とうもろこし茹でるね』
と言えば、
ニコニコしながら、
『うん』と。
私はキッチンで、
鍋にお湯を沸かし、
妻はゴトゴトと杖をつきながら、
洗濯物を干しに行きました。

ふたりの昼下がり 【介護の詩】
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