若若介護という働き方改革
私は有給をふんだんに使いながら、
"介護"という名のもとに、
──平日の真っ昼間から堂々と、
妻とデートを重ねています。
まだ人がいないカフェのテラス席で、
ゆっくりコーヒーを飲みながら、
『春って、いいよね〜』
などと話したり。
おそらく、
妻の介護がなければ──
こんな時間は、
過ごせなかったと思っています。
──およそ10年前
脳出血により、
身体の半分以上の機能を失った妻は、
在宅介護をしている今も、
毎日のように体の不調を訴えています。
50歳を超えて、
年齢的なものも否めませんが、
それ以前よりも、むしろ体の不調には敏感になった気がしています。
年に2〜3回は、
てんかん発作による救急搬送も加えて。
妻から目を離すことは難しく、
その心配が尽きることはありません。
波はあるものの──
妻のことで、
私がやらなければならない事は、
こと欠くことがなく。
『巻き爪になった』
『目ヤニが酷い、目がかゆい』
『歯石がたまった』
などなど。
それが、どんなに些細なことでも、
私はその都度、
『じゃあ医者に行こう』と。
妻に付き添うために、
会社を休んでいます。
そうした日々の中で──
これまでに、
ほぼ毎週のように有給を使い続け。
およそこの10年でいえば、
私より有給を使ったサラリーマンもいないのでは?と思うほど。
こうして──
“介護”という名のもとに私は、
堂々と平日の真っ昼間から楽しんでいます。
働きながら妻を介護する利点は、
"必然的に妻と過ごす時間が増える"
──ということ。
我が家の“働き方改革“は、
介護によって、
間違いなく進んだと思います。
ある朝──
花粉症で目が痒いと言うので、
上司に、
『妻を病院に連れて行くので、
休みます』
と連絡。
『了解です。奥さん大丈夫?』
『ご心配ありがとうございます。
大丈夫です』
そうして、
介護という名の“有給”が始まる。
──昼前には診察も終わり、
『早く終わったし、
何か美味しいもの食べに行こうか』
と言えば、妻もニコニコと。
花粉症のおかげで、
その日ものんびりと。
この昼間から堂々と、
妻とデートができる
“働きながらの介護生活”
今の私には、
それ以前と比べても──
まんざらでないと思っています。

若若介護という働き方改革 【完】
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