りぼんと過ごした18年
うちは20年以上にわたり、
猫を飼っています。
最初に飼ったのは、
チンチラシルバーの女の子。
名前は、『りぼん』
名付けの親は、
当時6歳の長女でした。
飼った当時は、
今ほどペット販売の規制が厳しくなく、
本来は売られるべきでない──
まだ生まれて間もない頃に、
片手に乗るほどの体の大きさで、
我が家の家族になりました。
りぼんとは、
18年間一緒に暮らしました。
あの日から、
もう4年が経とうとしていました。
未熟児で生まれた
りぼん──
ほかのチンチラより、
ひときわ小さかった彼女に、
たまたま立ち寄ったペットショップで、
私は出会いました。
もともと飼うつもりはなく、
店に入った私でしたが、
そのあまりにも愛おしい姿に、
運命的な出会いを感じて、
即決で家に連れて帰りました。
チンチラのりぼんは、
ペルシャの血を引く、
気高くプライドの高い猫でもありました。
自分の弱みを見せることを、
甚だ嫌うようで、
痛くても、つらくても、
ほとんど泣く姿を見せることはありませんでした。
また、誰に対しても、
媚びるようなことはなく、
甘えるときでさえ、
あくまで、
自分の気分次第
──というお姫様ぶり。
可愛がられているときですら、
『まあ仕方ないから、
可愛がらせてあげるよ』
くらいの上から目線でした。
けれど、
その性格はとても優しく。
普段なら誰にも、
寄りつかないのに、
家族の中で誰かが弱っているときは、
その人のそばに、
ずっと静かに寄り添っていてくれました。
家族のみんなが、
そんな、りぼんを大好きでした。
単身赴任中だった時の私は、
毎日のように、
りぼんの様子をLINEで家族に聞いたりもしていました。
そんなりぼんも、
家族になってから、
18年が経っていました──
人間の年齢にして、
およそ90歳くらい。
腎臓が弱って、
体はつらかったはずなのに、
それでも泣くことすらせずに──
さいごの最期まで、
りぼんは、
気高く、美しく、生き続けました。
それから間もなくして、
りぼんは、
その生涯を終えました。
──りぼんとの最期の夜。
たぶん朝までは、
持たないだろうと感じた私は、
『今まで、ありがとう。
本当にお疲れさまでした』
とだけ、
声をかけて寝ました。
──その翌朝
目が覚めて、
様子を見にいくと、
既にりぼんは、
旅立ったあとでした。

りぼんと過ごした18年 【完】
▼この作品は、創作大賞2026 エッセイ部門にエントリーしています。
その他の応募作品は、こちらからご覧になれます。
▼この話のシリーズのマガジンはこちら
▼この話は、若若介護シリーズの一編です。その他の話は、全体構成【目次】から見ることができます。
いいなと思ったら応援しよう!
よろしければ応援とフォローをお願いします。
チップはクリエイターとしての活動費にいたします!