創作大賞の落選を妻に話してみたら──
仕事を終えて帰宅すると──
妻はひとりで、
晩ご飯を食べていました。
息子が作ってくれた豚キムチが、
辛過ぎたらしくやや不穏な空気。
どうやら息子は、
作った料理に文句をつけられて
不機嫌に。
息子を怒らせた妻は少し、
しょんぼりしていました。
何となく──
その日に発表があった
"創作大賞の中間選考"に、
落選したことを、
妻に伝える雰囲気ではありませんでした。
食事を終えた
妻の食器を片付けていると──
ネットで下着を検索していた妻から、
『この下着のサラッとインナーと、
サラッとインナーじゃないのは、
何が違うの?』と。
『どうだろ、サラッとするか、
しないかじゃないかな』
と、テキトーに返せば、
『ふーん』と言いながら、
妻もほぼスルー。
そのまま、
スマホで黙々と検索。
──残った豚キムチをつまんでみれば、
たしかに辛い。
また妻から、
『サイズはLが良いのかな?
もう一つサイズが大きいのが良いの?』
『とりあえず、
大きいので良いんじゃない』と言えば、
それもスルーして、
またスマホを黙々と。
……。
食器も片付け終わり、
私からスマホを見てる妻に、
『前に話した
創作大賞って覚えてる?』
と聞けば、
『あー、うーん』
どちらとも言えない反応。
『ほら前に、
応募するって言ったでしょ。
その結果が今日でたんだよねー』
と言えば、
『へー』
こちらを向いて、
聞く耳を示したので。
──間髪入れずに、
『結果は、落選だった…』
『へー』
……どうにも理解してなさそうな
──試しに、
『創作大賞ってわかる?』と聞けば、
『うーん』
そのままスマホに目を向け、
下着の検索を再開。
……。
再びこちらを向いて、
『綿100だとサイズが縮むみたい。
やっぱり、
大きいのが良いよね?』
──創作大賞の結果には、
少し気落ちもしましたが、
いつもの妻とのやり取りが、
そんなことを
どうでもいいと思わせてくれます。
もしかしたら、それは──
落選した私に対する、
妻なりの優しさだったのかも知れません。
──それはないか。

創作大賞の落選を
妻に話してみたら──【完】
創作大賞に向けて、これまで、
たくさんの応援を本当にありがとうございました。
来年も頑張りたいと思います。
2025年9月吉日
何ごともお気楽に
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