『結婚前夜』──フリーターだった、ふたりの決意
仕事も貯金もなかった時代──
でも、ふたりには「一緒に暮らしたい」という気持ちだけがあった。
バブル崩壊直後の『就職氷河期』。
教員を目指していた大学生ふたりは、
夢破れ、就職活動もせず、
ただ一緒に暮らすことを選んだ。
卒業式の日に、
婚姻届を提出。
親の理解も得られなかったが、
それでも私たちは、
"ふたりで生きていく"ことを決めた――
これは、
30年前のそんな
「決意」
の記録です。
それは、
30年以上も前の話。
妻と出会ったのは、
大学一年生のときでした。
当時の妻には、
何度も振られた末に――
「じゃあ、1週間だけね」と言われ、
お試しで付き合い始めたのが、
すべての始まりです。
その後の私たちは、
それぞれ一人暮らしをしていたこともあり。
自然と、
どちらかの部屋で過ごすようになり、
大学生活の後半2年半は、
実質的な“同棲生活”を送っていました。
ふたりとも小学校の教員を目指しており、それ以外の進路はまったく考えていなかったため、
「就活」らしいことも一切、
していませんでした。
当時はバブルが弾けた直後──
私たちのような
“氷河期世代”にとって、
就職活動は厳しい時代でしたが、
教員採用試験以外の選択肢は、
そもそもありませんでした。
けれど、採用試験の結果は――
ふたりとも不合格。
それでも、
「まあ、そのうち受かるよね」と、
のんきなもので、
私たちが、
就職を真剣に考えることはありませんでした。
そんな中、私はふと思いました。
卒業後、教員を目指しながらフリーターを続けるにしても、
また別々に暮らすのは嫌だな…
だったら、一緒に暮らす方がいい。
それなら
――結婚してしまおう。と。
ある日、
彼女とファミレスで食事をしていた時に、私は切り出しました。
「結婚しよう。
そしたら一緒に住めるし、
生活にも無駄がないし」
彼女は少しも考えず、
「うん。いいよ」
と笑って答えました。
それが、
私たちのプロポーズでした。
授かり婚でもなく、
定職もない『フリーター同士の結婚』。
当時としても珍しかったようで、
周囲の反応はそれなりにありました。
最も動揺したのは他でもない、
妻の父親でしたが──
それでも、あの日の『決意』が、
いまの私たちを
支えてくれている気がします。

『結婚前夜』──フリーターだった、
ふたりの決意【完】
▼この話は、『結婚後夜』へ続きます。
▼このシリーズの全編は、
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▼『若若介護の夢とリアル』の全体構成【目次】は、こちらからご覧になれます。
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