あざと可愛いすぎる猫
我が家は20年以上にわたり、
猫を飼っています。
先に話した
チンチラシルバーの『りぼん』は、
ペルシャの血を引いて、
その最期まで、
気高く、美しく、生きた猫でした。
しばらくは、
りぼんのいない生活を続けていましたが、
私の心には、
ぽっかりと穴が空いたような寂しさが残っていました。
スマホを見ていても、
猫の動画やSNSばかりに目が行き──
いつしか私は、
ブリーダーのもとを訪れるようになっていました。
お別れがつらいから、
飼う気はない。
でも、見にいくだけなら、
いいだろうと。
……飼うつもりは、ありませんでした。
手足が短い猫が好きだった私は、
マンチカンかミヌエットに絞り、
その子たちを扱っている
ブリーダーをネットで検索していました。
そのブリーダーは、
車で15分ほど──
え? 家から近くない?
そこは猫カフェも
併設されたブリーダーの施設でした。
マンチカン、ミヌエット
その他たくさんの種類の猫たちが、
そこで自由に遊んでいました。
りぼんの長い毛には、
悩まされることも多かったため、
……次に迎えるなら、短毛がいいな
などと考えながら、
私はその猫たちを眺めていました。
その中で──
やたらと私の目を惹く、
ミヌエットがいました。
一番小さいのに、一番偉そう。
どの猫よりも、
ヤンチャで人懐っこい。
私を見ても、
まるで前から知っていたかのように。
わざわざ近づいてきて、
ニャア…
まさにその可愛いさは、
あざといほどで──
私の心は完全に、
鷲掴みにされました。
それからは、
他の猫には、もう、
私の目が行くことはありませんでした。
ブリーダーに、
『すいません。
この子を連れて帰ります』
そう伝えていました。
命名:ポロン
(ミヌエット・男の子)
もうペットは、
要らないと言っていた妻も、
ポロンを連れて帰った時は、
そのあまりの可愛いさに、
泣きながら喜んでいました。
家に入ったとたん、
妻の椅子の枠に寄り掛かりながら、
ポロンはニャア。
そして今なお、そのポロンの、
あざとすぎる可愛いさと、
ヤンチャさは変わらず──
我が家に、
たくさんの笑顔を運んでくれています。
──けれど…
ミヌエットは短毛とはいえ、
毛量がすごく。
りぼん以上に、
毛には悩まされています…

あざと可愛いすぎる猫 【完】
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