誰がための介護 【介護の詩】
誰かのために──
私が生きてきたのは、
妻や家族のためではなく、
自分のためです。
それは、
10年してきた
妻の介護に関しても、
変わることはなく──
ふと振り返れば、
介護や仕事、
家事に明け暮れる中で、
したいことや、欲しい物も、
私には、
ほとんどなくなっていました。
人から見れば、
頑張ってるように見えるのか、
これまでにも、
気遣いの言葉以外を
掛けられることはありませんでした。
──果たして、そうなんだろうかと
介護を背負う人間は、
頑張ってるように映りやすい
気がしています。
ただ──
おそらく私は、
人が言うような人間ではないと思います。
介護に関わらず、
夫婦や仕事の大変さは、
変わらないはずなので。
妻の介護は、
妻のためであるのは、
間違いないものの──
それは、
妻が嫌がるような生活を、
私が避けたいというだけの話。
単に私の好きで、
これまでは、
介護や仕事をしてきただけのような
気もしています。
そして、
それを妻が望んでいたのかも
分からずに。
──結局は、
私が満足するため
だったのではないかとも。
誰かのために──
妻の介護が、
妻だけのためであれば、
きっと続けられなかったと思います。
これまで介護の中で得てきた
喜びや嬉しさは、
"自分だけ"のためでは、
得られないものばかりでした。
私が妻の介護をしてきたのは、
妻のためではなく、
きっと──
自分のため。
たしかに、
大変なことばかりでした。
けれど、
その生活には、
それを遥かに上回る
喜びや嬉しさがありました。
そして、
これからも──
それだけは、
変わらない気がしています。

誰がための介護 【介護の詩】
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