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トラウマ級の生理用品




妻の介護で、
いちばん心が折れかけたこと──



それは、生理用品を選ぶことでした。



脳出血により、重い後遺症を負った、
妻の介護をしていて、

困ったことは数知れず──



その中には、

“女性を介護する上で、
困った話”がいくつかあります。




これは、そのひとつ。




私自身が体験することのない、
まさに未知なる領域──



“妻の生理”に関する話です。








それまで私は、
生理用品を買ったことがありませんでした。



それが普通か否かは別に。





脳卒中で倒れ、

半身麻痺・失語症の後遺症を負った
妻の身の回りの必要なもので、


一番困ったのは──




"生理用品"でした。






当初は妻も、
体の感覚が戻っていなかったためか、

生理用品にまで意識が行くことはありませんでしたが。




リハビリが進むにつれて、
自らの生理用品に対する要求は高まっていきました。




しかも、それは──

 

とびきり高い要求と、
いっさいの妥協もない形で。





その後遺症には、
“こだわり”というものがあり。


一度気になると、
納得するまでは受け入れないという。



生理用品も
例外ではありませんでした。







1週間前後に及ぶ、
生理期間において。


その都度ぴったりの大きさや、
気に入った素材や厚さでない──



いわゆる妻の意にそぐわない様な、


生理用品は、
ことごとく弾き返されていきました。









困ったことに、
元気だった頃に使っていたものすら受け入れず、


タンポンも早々に嫌がったため、
選択肢から消えている状況でした。





生理未経験の私が──





そのときの妻に。



微妙な肌感覚にマッチする素材や、
ぴったりの大きさのものを選択するというのは、



まさに、
"トラウマ級の試練"でした。





生理のタイミングで、

妻にとってのベストな生理用品を私が選択できるようになるまでに、



実に1年もの時間を要し。




今思えば…、


妻の介護の中で、
一番大変なことだったと思います。





*参考までに、

生理用品のナプキンのラインナップは、150種類以上あるようです。



ちなみに元気な頃の妻が使っていたナプキンは、2〜3種類程度。









それから──


妻にとってベストな生理用品を
模索し続けていました。




妻には、
そこに一切の妥協は許されず──



気に入らないものは、
首を振り、泣き、そして不機嫌に。



──そんな日々を過ごしていました。











試行錯誤の末──



少しずつ分かってきたのは、


• 生理が近づくと便秘になりやすい
• 不機嫌な日が増える
• 肌が荒れる(特に顔と手)
• 化学繊維のナプキンはかぶれる
• 蒸れが嫌なので、ジャストフィットが必須


ということでした。






ドラッグストアに通っては、
周囲にも意見を聞きつつ、



ただひたすら──



妻にとっての、

"ベスト・オブ・ナプキン"を
私は追求していました。









◆その試行錯誤の記録


ドラッグストアの店員:
『これが一番売れてます。誰にでも合いますよ』

→誰にでもは、ダメでした。


看護師さん:
『病院ではこれを使っています』

→サイズも素材もイマイチ。



長女:
『ママ、前はこれ使ってたけど?』

→一部は当たり。
でも今の妻には、それだけでは足りず。





私は何種類ものナプキンを買っては、
失敗し、再び買いに行き。



合わなかったものは、

長女に譲ったものの、
それでもナプキンは積み上がり──


気づけばクローゼットの半分は、
生理用品で埋め尽くされていきました。




それでも毎月のように、
ドラッグストアに通い──



"やさしい肌ざわり"だの、
"多い日も安心"だの、

パッケージを信じて袋いっぱいに購入。




それを一つずつ試し、
合わなければまた買い直すという、



──まさに、
無限ナプキンのトライアル。




そして、ようやく、
たどり着いたのが──



• 生理前は17cm以下のナプキンで、
いつなっても大丈夫という安心感を得る
• 生理初日は29〜32cm
• 最も多い2〜4日目は32〜42cm
• やや減る5〜6日は32〜23cm
• 終盤は21〜17cm以下
• 昼と夜で厚さを変える
• 素材はオーガニック or 化学繊維が少ないもの
• 羽あり必須



──という。








そのうちに私は、


妻の表情や手肌の状態や、
ちょっとしたしぐさを見るだけで、


『生理が近いな』と、
分かるまでになり。



気づけば、
何も考えなくても──



ドラッグストアの棚で、
5〜6種類のナプキンを選べるようになっていました。







けれど──



そうなってしばらくしてから、
妻の生理は上がりました。









トラウマ級の生理用品 【完】







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