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大腿骨骨折で寝たきりになった40代が再び走り始めた話② 手術までの5日間

9月12日に骨折して初めて、「普通にトイレへ行ける人生」は贅沢だと知った

2025年9月13日

大腿骨転子部骨折の翌日

ようやく少しだけ頭が冷えてきた。

でも右脚はまったく動かない。

少しでも動かそうとすると、
骨の奥がズレるような嫌な痛みが走る。

「これは本当にヤバいやつ」

その時ようやく現実感が出てきた。

手術までは絶対安静。

つまりベッドから動けない。

当然、トイレにも行けない。

看護師さんに渡されたのは、
ベッドの上で使う排泄用のトレーだった。

排泄トレイ

47歳、会社員

毎朝走って、投資して、普通に仕事していた人間が、今は、自分ひとりでトイレにも行けない。

病院の食事は健康的だったが、健康的すぎて、狂ったように走っていた私の身体には少々物足りない

野菜中心、薄味、低脂質、低塩分

明らかに「身体に良い食事」

でも、食べ終わるのが一瞬

それなのに、次の食事までやたら長い。

今まで普通に食べていたものが、
どれだけ自由だったか思い知らされた。

ラーメン、焼肉、コーラ

健康に悪いと言われるものも、
「自分で選べる自由」があった。

でも病院では、それすらない。
食事だけじゃない。

起きる時間も、寝る時間も、
移動も、排泄も、全部「助け」が必要だった。

初めて「健康って、自由なんだ」と思った。

時間が進まない

天井を見て、スマホを見て、また天井を見る。

その繰り返し。

SNSでは普通にみんなが走っていた。
朝ラン。ポイント練習。レース結果。数日前まで自分もそっち側にいた。なのに今は、ベッドの上で動けない。

たった数秒で、人生って変わるんだなと思った。

それでも、不思議と諦めなかった

不安はかなりあった。「また走れるのか?」というより、「普通に歩けるのか?」そっちの方が近かった。

でも、
不思議と完全には折れなかった。

むしろ、
「ここからどこまで戻れるか試してやる」
みたいな感覚が少しずつ出てきた。

普通に歩けること。普通にトイレへ行けること。普通に走れること。健康だった頃には、そんなこと一度も考えなかった。

人間は、失って初めて分かる。


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