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不妊治療を再開しようとしたら、甲状腺ホルモンが高すぎて断念

不妊治療をする上で大事な要素であるものの、見過ごされがちなものに、甲状腺ホルモン値があります。

甲状腺ホルモン値は平均的な健康診断・人間ドックでは検査されず、有料のオプションで検査できることが多いです。数千円から1万円くらいかかるものもあります。

私は数年前に偶然甲状腺ホルモン値が良くないことを知り、その後経過観察中でしたが、不妊治療を再開しようというタイミングで、また値が悪くなってしまい、再開を中止せざるを得ませんでした。その流れについてまとめます。


不妊治療開始時は、甲状腺ホルモンは安定していた

私は不妊治療を開始する約1年ほど前に甲状腺ホルモンの値が異常になっていました。とはいっても正常値を若干越す程度で、自覚症状も少なめで(ある程度はあった)、薬も飲まない経過観察で正常値に戻り、検査は半年で良いと言われていました。

しかし、不妊治療を開始したころは、検査をさぼっている時期でした。今考えると、絶対に検査をしておくべきだったと反省です。

不妊治療を開始してすぐ、卵管造影検査をすることになりましたが、この検査は甲状腺の値が正常でないとできないということで、不妊治療クリニックでは、TSHという甲状腺刺激ホルモンの検査が行われました。こちらが正常範囲であれば、卵管造影検査はできました。

そのあと、ようやくサボっていた検査を1年ぶりにしたところ、FT3、FT4といった甲状腺ホルモンの値は正常の範囲内でしたが、橋本病の抗体である、TgAb(抗サイログロブリン抗体)、TPOAb(抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体)が正常範囲を大幅に超えて、完全に橋本病の範囲でした。

ついでに、TRAb(抗TSH受容体抗体)という、甲状腺ホルモンを過剰に作らせてしまう自己抗体も高く、バセドウ病でもおかしくない数値。私は橋本病もバセドウ病も併発していても全くおかしくない状態なのです。

なのに甲状腺ホルモン値は正常…という謎の状態。医師的にはやはり経過観察、ということで、半年に1度の経過観察になりました。

不妊治療開始から約半年後も正常値

次の検査も正常値なので、問題はないのかな、と思っていました。

私は無痛性甲状腺炎という、薬を使わず経過観察をして甲状腺ホルモン値の値が正常になるのを待つしかない病気です。この病気は1回だけのこともあるし、繰り返すこともあるし、発症後にバセドウ病や橋本病に移行することもある病気です。

甲状腺トラブルのない人に比べたら大変だけど、それでも、甲状腺の他の病気よりはかなり軽いんだろうな、と楽観視していました。

心が安定してきたので、不妊治療を再開することに

不妊治療そのものへのストレス、さらに不妊治療と仕事の両立することへのストレスで疲れ果て、退職にとどまらず、不妊治療もお休みしていた私。

退職から3ヶ月経とうとするころ、ゆっくりと休んだことでかなり心身ともにリフレッシュできたため、予定よりも不妊治療を早めに再開し、少しでも出産の可能性を高めたいという気持ちになりました。夫とも話し、治療を再開することにしました。

不妊治療クリニックを受診すると、私の生理周期の関係で、次の周期の移植時期がちょうど年末年始に被り、移植ができないことがわかりました。年末年始の休みが頭から抜け落ちていたのでショックでした。1周期でも早く再開したいと思ったら、できないなんて…。早速不妊治療の心のストレスをまた味わうことになったのでした。

それでも立ち直り、1周期は休んで、次の周期は移植に向けてピル(プラノバール)を飲み、調整していこう、と気合を入れました。

不妊治療再開を決めた直後、甲状腺ホルモンの値が悪化

次の移植時期がある程度決まった頃、内分泌科での半年に1度の検査の時期になり、受診しました。すると、甲状腺ホルモンであるFT3、FT4が2年半前のように正常値をはみ出して高くなっていました。

無痛性甲状腺炎が再発する可能性があること、またはバセドウ病や橋本病になる可能性があることはわかっていたはずなのですが、2年は安定していたのでその可能性を忘れてしまっていたため、かなりショックを受けてしまいました。

不妊治療をしていることを伝えていたので、「安定するまで妊娠は避けてください」とはっきりと言われてしまいました。しかし、「何ヶ月数値が安定したら、治療が再開できるのですか?」と聞いても、「明確には言えません」としか言われません。

前回の数値悪化時には薬の服用はありませんでしたが、今回は不妊治療中ということで早めに数値を良くするため、薬を服用することになりました。ヨウ化カリウム丸とチウラジールを処方されました。

甲状腺ホルモンが高い場合の第一に選択される薬はメルカゾールですが、こちらは妊娠初期は避けるべき薬であり、妊娠中も安全だとされているチウラジールを処方されました。

いつ再開できるかわからない…。せっかく心を立て直し、不妊治療に向き合おうとした直後、いつ治療が再開できるのかわからない状態になり、絶望しました。帰りの車の中で、号泣し、涙が止まりませんでした。

不妊治療のクリニックでも治療中止と言われる

内分泌科での検査結果を持って不妊治療クリニックを予約、診察を受けましたが、やはり内分泌科でのゴーサインが出るまでは、治療はできないと言われました。

不妊治療クリニック側でも、どのくらいの期間数値が安定したら大丈夫、という明確な指針はありませんでした。

ひとまずバセドウ病ではなかった

甲状腺ホルモン悪化から2週間後の検査で、すぐに値は正常値に戻りました。薬がこれだけ早く効く場合は、バセドウ病ではない可能性が高いようなので、またおそらく無痛性甲状腺炎であると判断されました。

正常にはなりましたが、これですぐに不妊治療が再開できるわけではありません。ここから安定すれば治療できます、というくらいで、結局治療再開のめどは立ちませんでした。

2026年は不妊治療に専念するために、フルタイムの仕事を退職。妊娠を第一に望んでいるからこそ、容易に新しい仕事を始めることは難しい。その状態で不妊治療の中止を言い渡され、私は何もすることができず、絶望に陥りました。これからどうしたら良いのか、途方にくれました。

まとめ

私は不妊治療開始前に偶然甲状腺のトラブルを発見できた、幸運な方だと思います。治療後だいぶ時間が経ってからトラブルが発覚する人の体験談を、いくつも見聞きしました。

全編漫画で甲状腺の病気を学べます。3年近く不妊治療をしたが妊娠できず、甲状腺刺激ホルモン(TSH)の以上にようやく気づき、橋本病と判明。甲状腺治療から9ヶ月後に妊娠、という体験談が載っています。

最初の体外受精をした病院ではTSHを検査せず、転院後でようやくTSH、AMHを検査、専門病院で橋本病と診断される体験談です。不妊治療専門クリニックでも見過ごされることがあるようです。

こちらの不妊治療体験記でも、橋本病と診断され、治療ののちに出産されています。

甲状腺のトラブルは治療法が確立されており、寛解できることは多いです。ただ、不妊治療に関しては、甲状腺ホルモンは正常でも、甲状腺抗体(TPOAb(抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体)、TgAb(抗サイログロブリン抗体))が高い場合は流産のリスクが2倍、反復流産のリスクは4倍になるとの報告もあるようです。

私が今回流産したのも、甲状腺ホルモンは正常だったが、甲状腺抗体が高い値であったため、その影響の可能性があります。そうすると、普通の人の2倍妊娠しないと、出産には至らないかもしれませんね。

なかなか厳しい現実に心が折れかけていますが、私はこの後、いろいろ決意し、行動し、一度妊娠をし、流産をします。私の人生はこれからどうなっていくか謎ですが、次は「自分が出産することを信じられるか」、の話をしたいと思います。

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