インド由来の言葉いろいろ✭コミックエッセイ✭
インド起源の言葉についてです!
語源はインドの言葉だった✭

この漫画は夫と結婚したばかりの頃、ヒンディー語を全然知らずに描いたもので(今も分かんないけど!)。夫はヒンディー語の「森」の意味で「ジャンガル/jangal」と話していたのですが、私はいつも「ジャングル」だと思っていました(笑)。
ジャングルというとアマゾンの熱帯雨林地帯が思い浮かぶため、知らない意味があるのかな?と思い、「ジャングル」という単語について調べたというわけです。他にも様々なインド言語由来の言葉が判明しました。
インド由来の日本語の言葉
日本語に取り入れられた日常的に馴染み深いインド言語(主にサンスクリット語やヒンディー語など)由来の言葉をいくつか紹介します。これらの言葉は、歴史的な交易や植民地時代を通じて英語などを介して日本語に入ったものが多いようです。
1.インド→英語経由の言葉
・ジャングル
由来:ヒンディー語「jangal」(ジャンガル、荒野や密林の意味)。サンスクリット語の「jangala」(荒れ地)にも関連する。
日本:英語を経由して日本語に入り、熱帯の密林や雑然とした場所を指す。
・シャンプー
補足:ヒンディー語「champo」(チャンポー、頭皮をマッサージする行為)。
日本:18世紀にインドから英語圏に伝わり、頭を洗う行為や洗剤を指す言葉として日本語に定着。
・ベランダ
由来:ヒンディー語「baranda」(バランダ、バルコニーや縁側)。ポルトガル語や英語を通じて広まった。
日本:建物外部の屋根付きの開放的なスペースを指す。
・サリー
由来:サンスクリット語「sati」(サティ、布)。
日本:インドの伝統的な女性の衣装で、そのままの名称が日本語に。
・パジャマ
由来:ヒンディー語「paejama」(パエジャーマ、足を覆うズボン)。ペルシア語「payjama」(足の衣類)に由来。
日本:インドのゆったりしたズボンが英語「pajama」として広まり、寝間着全般を指す日本語に。
・カシミヤ
由来:ヒンディー語「kashmir」(カシミール)。カシミール地方(インド北部、現在のジャンムー・カシミール州)に由来し、サンスクリット語「kashmira」(カシミールの地名)とも関連。
日本:カシミール地方は、高級な羊毛(カシミヤヤギの毛)や織物の産地として有名。この羊毛が英語「cashmere」を通じて日本語に「カシミヤ」として入った。
・チュニック
由来:ヒンディー語「tunika」(トゥニカ、長い上着)またはサンスクリット語「tunna」(織物、衣服)に由来。英語「tunic」経由で日本語に。
日本:インドの伝統的なゆったりした長めの上着(クルタやクルティなど)が、英語で「tunic」と呼ばれ、日本語で「チュニック」として定着。
・バンダナ
由来:ヒンディー語「bandhana」(バンドハナ、結ぶ布)。
日本:頭や首に巻く布製品を指し、英語経由で日本語に。
・バングル
由来:ヒンディー語「bangri」(バングリ、腕輪)。サンスクリット語「bhujangari」(曲がったもの)に由来。
日本:インドの伝統的な硬い腕輪(特にガラスや金属製)が英語「bangle」を経て日本語に。装飾品として女性がよく着用。
・カレー
由来:タミル語「kari」(ソース、汁)。ヒンディー語の「ターカリー(Turcarri)」(香り高いもの、美味しいもの)を語源とする説もあり。
日本:英語を通じて日本に入り、スパイスを使った料理全般を指すようになった。
・ラッカー
由来:ヒンディー語「lakh」(樹脂)。サンスクリット語「laksha」(樹脂、10万)に由来。
日本:インドで貝殻虫の樹脂(シェラック)を使った塗料が「lacquer」(漆塗り)として英語に伝わり、日本語で「ラッカー」に。西洋の漆器や光沢塗料を指す。
補足:インドの独自数体系「Lakh(ラーク)」は10万(लाख / lākẖ)の意味で、語源として、標的、男らしさの象徴、またはギャンブルでの賭けを意味するパーリ語のlakkhaにも由来すると言われる。
デーヴァナーガリー文字での綴りは、樹脂だと「लाख 、またはलाह」、10万は「लाख」と同様だが、語源的に異なる背景から生じている同音異義語。発音が似ていたため、サンスクリット語からヒンディー語への変化で、同じ「lakh」に収束した可能性が高い。サンスクリット語「laksha」は、貝殻虫の樹脂が「無数に集まる」様子から「多くのもの」を連想させ、数詞の「10万」と結びついたとする説もあり。
😳「因みにインド独自単位で「Crore」は1,000万。ラークもクロールも、インド人の夫と会話していると非常によく出てくる数字単位です!」
・ポロ
由来:ヒンディー語「polo」(ポロ、球技)。チベット語「pulu」(球)に由来し、インド北部のマニプール地方で発祥。
日本:馬に乗って球を打つ競技が英語「polo」を経て日本語に。転じて「ポロシャツ」(競技のユニフォームに由来)も関連。
・チーク(木材)
由来: タミル語「tekku」(テック、チークの木)。マラヤーラム語「tekka」にも関連。
日本:インドや東南アジア原産の堅い木材(チーク)が英語「teak」を経て日本語に。家具や船の甲板に使われる高級木材。
・チーター
由来:ヒンディー語「chita」(チーター、斑点のある豹)。サンスクリット語「chitraka」(斑点のある)に由来。
日本:インドに生息するチーターの名称が英語を通じて日本語に。
・アバター
由来:サンスクリット語「avatara」(アヴァターラ、神が地上に降臨する姿)。
日本:ヒンドゥー教で神(特にヴィシュヌ神)の化身を意味し、英語を通じて「avatar」としてコンピュータやゲームの分身の意味で日本語に。
・ダルマ
由来:サンスクリット語「dharma」(ダルマ、法・義務)。
日本:ヒンドゥー教や仏教の「法」「真理」「道徳」を指す概念。中国経由で日本語に「ダルマ」として入り、達磨大師や赤い達磨人形(起き上がり小法師)に転用。
・カルマ
由来:サンスクリット語「karma」(カルマ、業)。
日本:ヒンドゥー教や仏教の因果応報や行動の結果を指す概念。英語「karma」を経て、または仏教用語として日本語に。
・マントラ
由来:サンスクリット語「mantra」(マントラ、聖句)。「man」(心)と「tra」(道具)の合成語。
日本:ヒンドゥー教や仏教の呪文や祈りの言葉。英語「mantra」を経て、現代では標語やスローガンの意味でも使われる。
・ニルバーナ
由来:サンスクリット語「nirvana」(ニルヴァーナ、涅槃)。「nir」(否定)と「vana」(欲望)の合成で、欲望の消滅を意味。
日本:仏教の悟りや解脱の状態。中国経由で「涅槃」として日本語に定着し、英語「nirvana」経由でも使われる。
2.ペルシア→インド→英語経由の言葉
・バザー
由来:ペルシア語「bazar」(市場)がヒンディー語やウルドゥー語でも「bazar」として使われ、インドの市場文化と結びついた。
補足:インドや中東の賑やかな市場を指し、英語「bazaar」を経て日本語に。現代ではチャリティーやフリーマーケットの意味でも使われる。
・ショール
由来:ペルシア語「shal」だが、ヒンディー語やウルドゥー語でも「shal」(肩に掛ける布)として使われる。インドの織物文化と関連。
日本:インドやペルシアの伝統的な肩掛け布が英語を通じて「shawl」として広まり、日本語で「ショール」に。
・ライラック
由来:ペルシア語「nilak」(青紫の花)がヒンディー語「lilak」(ライラック)に転じ、英語「lilac」を経て日本語に。
日本: インドや中東原産の紫色の花(ライラック、モクセイ科)の名前。花や色の名称として使われる。
・カーキ
由来:ヒンディー語「khaki」(カーキ、土埃の色)。ペルシア語「khak」(土)に由来。
日本:インドの土のような黄褐色が、19世紀の英印軍の制服の色として採用され、英語「khaki」を経て日本語に。軍服やカジュアル服の色名。
3.インド→英語経由で意味が拡張した言葉
・パンチ
由来:ヒンディー語「panch」(パンチ、5)。サンスクリット語「pancha」(5)に由来。
日本:英語の「punch」(5つの成分からなる飲み物、例:ラム酒、砂糖、レモン、水、香辛料)に由来し、これが日本語の「パンチ」(飲み物や打撃の意味)に繋がる。インドの「5」に由来するが、打撃の「パンチ」は英語での意味拡張によるもの。
・タンク(戦車)
由来:ヒンディー語「tankh」(タンク、水槽)。サンスクリット語「tadaga」(池)に由来。
日本:インドで水を貯める人工の池や貯水槽を指す言葉が、英語「tank」を経て日本語に。第一次世界大戦で「戦車」のコードネームとして英語で使われ、軍事用語に転じた。日本語の「タンク」は貯水槽と戦車両方の意味で使われる。
インド→英語だとこのような単語もインド起源です。

70 words of Indian origin Resource pack for teachers.
夫の故郷、ウッタラーカンド州
夫の故郷は、「The Land of Gods/神々の国」と呼ばれる北インドのウッタラーカンド州の山岳地帯です。ウッタラーカンドのヒマラヤ山岳地帯には、ヒンドゥー教徒の4大巡礼地「Char Dahm/チャール・ダーム」があります。ヒンドゥー教徒にとっては、一生のうちに少なくとも一箇所は行きたいと言われる場所であります。江戸時代のお伊勢参り的場所ですね。
夫の家のそばの密林には豹もいます。子どもの時に自宅の庭で目の前にいたこともあるそうです(幸い襲われなかった)。豹が子どもを襲い食べてしまう被害も度々ある為、夫はよく無事だったなと思います(全身の毛が逆立つ程の恐怖で、その日は一日声が出なくなった)。
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# 初出・更新履歴
本記事は「インド言語由来の言葉いろいろ 〜ジャングル、シャンプー、パンチ etc...〜(初出:2024年1月16日)」をnote用に本文を書き直しまとめたものです。
2025年5月19日:ラッカーの項目にヒンディー語「lakh」の二つの意味とその理由について追記。
# 当サイトについて
当サイトは、インド人夫が語るインドカルチャーやニュース、私達国際結婚夫婦の日常をメインに綴っています(夫がネタ放出、私妻が編集作画)。
夫は北インド出身です。「インドでは――、」とよく語りますが、インドは広い上に多民族多宗教多言語国家のため、南インドなど地域により異なる場合があります。その点ご留意いただき、北インドの某インド人はこういう感覚なのか〜という感じで読んでいただけると幸甚であります。基本的には楽しんでもらえるような記事を発信していますが、真面目な題材も扱います。参考文献を併せてご覧いただくとより詳しく知ることができます。
# 参考文献
1) British Council: 70 words of Indian origin Resource pack for teachers.
2) 110cities: チャール・ダーム.
3) Wikipedia: लाख (लाह).
4) Wikipedia: लाख.
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