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名詞の不可算・可算(単数・複数)⑧-1:単位1(数えるvsはかる)[科学英語]

副題:可算不可算の理想と現実(英文法の理想と現実)

名詞の不可算・可算(単数・複数)[UC(SP)]の深掘り版23

「可算不可算・単複で混乱が生じる英語の名詞」の深掘り。この⑧シリーズでも、引き続き自然科学分野の英語表現を整理していきます。まずは単位の世界をご紹介しますが、実は名詞の不可算・可算(単数・複数)概念のかなり高度な応用。英語の「可算不可算」名詞観の限界が露呈するとまで言うと大袈裟かもしれませんが、その背景にある「数える・数えない」の二項対立がいかに単純で不完全な名詞観であるかをお伝えできれば幸いです。すでに④シリーズ「助数詞&単位」で軽く取り扱っている内容ですが、それを科学英語の視点でさらに深掘りしていきます。

この記事に対するコメントは不要です。ご質問はUNIPAのQ&Aからお願いします。

★以前の④シリーズ「助数詞&単位」の検証内容【復習】

❶ 英語の数と量の表し方を自然科学の視点で整理:数えるはかるの違い
❷ 「主語と動詞(述語)の単複一致」問題(be動詞現在形は単数isか複数areか?)
 数の一致を改めて考察する必要があるのが英語(学習者にとって難易度Up)
 ※名詞の単複と動詞の単複が一致しないケースが頻発する問題を正しく認識することで英語上級者への道が開ける、と言ってもいいくらいの大きな課題
 可算名詞を単複変化させることで、「数えている」と必ず言える?
 学術英語や学校英語の一部でも指摘される問題
 英語は全ての具象物・抽象概念数えられる数えられないの2つに分類
 英語の「可算・不可算」二項対立名詞観:本当に矛盾なく整理できている?
 ※こうした二項対立に基づく世界観は西洋文化の特徴と言ったら言い過ぎ?
❺ 学術英語や学校英語における「助数詞&単位」の取り扱いを整理
 助数詞については、距離・時間・金額を特にピックアップするのが定番説明
 ※「距離・時間・金額が主語の場合は複数形でも動詞が単数呼応」が有名
 他は、物質名詞とまとめて整理して説明(形・容器・単位

★今回の「科学英語」深掘り第一弾の検証内容

❶単位を表す名詞は不可算U・可算C(単数S・複数P)のどれに相当?
❷そもそも単位は数える対象? 数える対象ではない?:具体例で検証
 小学〜中学レベルの科学的な基礎知識が必要、あとは思考力
❸名詞のCU二項対立は言語的に普遍か特殊か?:日本語では?
これまでの記事でも検証してきた視点
 1. 『英語名詞は「C:数える・U:数えない」のシンプルな二分類』が定番説明
  英語名詞やそれが表すモノは本当に全て2つに分類可能?
 2. なぜ英語U・C(S・P)の使い分けはこんなに面倒なのか?
  U・C(S・P)の区別があることで英語は簡単になっている? 逆に面倒?
※単位も病名と同様に理系用語なので、文系の学問である学術英語ではどうしても扱いが小さくなりがちですが、理系・文系に関係なく単位(長さ/距離・時間など)に触れる機会は多いはず。意外と整理が難しい複雑なジャンルだということが少しでも伝われば幸いです。

★④シリーズから復習問題

復習問題1:以下の和文を英訳
(鶏chicken(C)と鶏肉chicken(U)の英語での数え方+α
① 鶏1羽、鶏2羽、、、
② 鶏肉1切れ、鶏肉2切れ、、、
鶏肉1グラム、2グラム、、、【実はこれが科学英語】
④ 上の①〜③、それぞれbe動詞現在形は単数isか複数areか?(主語と動詞の単複一致問題)

復習問題2:以下の和文を英訳
① 100ドルは大金だ。(one hundred, dollar, a lot of を使うこと)
20キロ(メートル)はとても長い距離だ。【科学英語】
③ 100年は「1世紀」と呼ばれる。

復習問題3:可算・不可算の定番説明「数えられる・数えられない」二分類について(理系的な視点で考察)【科学英語】
① 日本語で液体や距離・時間・お金は数える? 数えない? 英語では?
② 「数えられるもの」と「数えられないもの」は何が違う? どこが違う?
③ 「数える」と「はかる」の違いを思いつく限り列挙【頭の体操】
 ※学術英語や学校英語の一部でも指摘されている問題(繰り返し言及してきた点ですが、可算・不可算が一筋縄ではいかない理由が少しでも伝われば幸いです)
 ※学校英語や学術英語の定番説明は一度捨てたほうが身のためかも(理論としては素晴らしくても、実際には例外が多数)

復習問題4:以下の英語名詞リストで「単位」とは何かを考察【科学英語】
acre, barrel, bottle, carat, century, cup, day, decade, degree[温度], dollar, foot, gallon, glass[杯], gram, hour, inch, liter, loaf, meter, mile, minute, month, ounce, percent, piece, pint, pound, quart, second, sheet, slice, spoonful, week, yard, year, yen(中には曖昧なものもあるかもしれませんが、全てを理解する必要はありません)
① 容器単位それ以外の4つに分類(学校英語の定番説明の範囲内+α)
② 数えるはかる(量る/測る/計る/図る)それ以外の3つに分類(どこまで①の分類と一致するか:学術英語や学校英語の一部では解説あり)
③ 実際に数えるモノ数えない非科学的な単位(日用品やヒトの体が基準)・数えない科学的な単位それ以外の4つに分類(大まかな法則性が分かればいいので特に調べる必要はありませんが、分かりにくい場合は語源を調べれば何となく理解できる単語もあるでしょう)
④ "two XX"とした場合に、単複変化を起こさない名詞(=単複同形名詞)はどれ?
⑤ "two XX"という形で主語にした場合、be動詞現在形が単数isなのはどれ?
⑥ 今から英文法のルールを変えられるとしたら、単位を表す英語名詞(日本語では「助数詞・単位」という名称で名詞とは別分類)は、(a)不可算(b)可算で単複変化(c)可算で単複同形のどれが理想?【頭の体操】
 ※これを機に、このリストの英単語と日本語「助数詞」との類似点と相違点についても考察しておきましょう。英語を学ぶことで日本語の理解も深まる、が理想。


★化学物質の質量の表し方

問題1:文法的に正しい表現を選択【同じ番号からどちらか一つを選択】
 1a. zero gram
  b. zero grams
 2a. one gram
  b. one grams
 3a. two gram
  b. two grams
 4a. zero point four gram
  b. zero points four gram
  c. zero point four grams
  d. zero points four grams
 5a. four hundred milligram
  b. four hundreds milligram
  c. four hundred milligrams
  d. four hundreds milligrams

問題2:文法的に正しい表現を選んで和訳【選ばなかったものについては文法的な問題点を指摘】
 1a. ten gram salt
  b. ten grams salt
  c. ten gram of salt
  d. ten grams of salt
 2a. each gram salt
  b. each grams salt
  c. each gram of salt
  d. each grams of salt

問題3:「1日あたり3g少ない量の塩を摂る(≒塩の摂取量を3g減らす)」を英訳【文法的に問題があるものを指摘し除外】
 1. take three gram less salt per day
 2. take three grams less salt per day
 3. take three gram of less salt per day
 4. take three grams of less salt per day


 今回の元素・化学物質も、「不可算可算の理想と現実」問題の一例。英語の名詞を使う際に毎回のように出てくる「文法的に可算名詞なのか不可算名詞なのか?」問題(「数える・数えない」の二項対立)は、日本語では問題にならないのに英語では大問題。

 いわゆる学校英語や学術英語で実は整理しきれていない英語の「名詞の不可算・可算(単数・複数)の理想と現実」問題を考えてもらうための教材。④シリーズも含めて段階的に説明を進めてきましたが、「実用科学英語」というタイトルにふさわしい解説になっていれば幸いです。

 授業ではちゃんと解説しますが、一般公開はここまで。あちこちにヒントを散りばめてあるので、非受講生の方は辞書を引いたり自分で調べたりして考察してみてください。

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