「恋する社長」と実存合理性
実存合理性 第3回
タイトル絵:じぶんに恋する社長(社長の実存合理性と小話)
こんにちは。
Secondoプロデューサーの内本です。
はじめに事実を伝えます。
経営が上手くいっている社長は、自分に恋をしています。
恋愛している、いう意味ではありません。
もっと正確に言うと、
「自分のことを、もっと知りたい」という状態をいいます。
「あなたに」ではなく、「じぶん」に恋する乙女の状態です。
それが「自分という人間の使い方」を
追求する、きっかけにつながります。
これをわかっている社長は、なぜかブランディングが上手い。
逆に、優秀で努力家なのに
なぜかブランドが育たない社長もいます。
この違いはどこにあるのでしょうか。
それを実存合理性という概念で解説します。
ある女性社長から相談を受けました。
彼女が立ち上げたサービスは、
女性の人生をサポートするオンラインプラットフォームでした。
そこには、
ヨガ講師、整体師、漢方の専門家、ファイナンシャルプランナー、セラピスト、スタイリスト、栄養管理士など、女性のカラダやココロに関わる様々な専門家が参加しています。
利用者は、ビデオミーティングやLINEを通じて、
日々の悩みや生活に関する相談をすることができます。
いわば、女性の人生を見守るオンライン伴走サービスでした。
コンセプト自体は魅力的です。
しかし彼女には、大きな悩みがありました。
「半年やっているのですが、人が集まりません。
プロの専門家から、アドバイスをいただいているのに
集客が思うようにいかないんです。どうしたらいいでしょうか。」
話を聞くと、彼女はすでに様々なことを試していました。
マーケティングの専門家に相談、コンサルタントのアドバイスを実行、ChatGPTで調べて施策を試すなど、言われたことは一通り実践していました。
それでも、結果は出ない。
そこで私たちは、集客方法ではなく
彼女にパーソナルワークをはじめたところ、
すぐに原因がわかりました。
それは、意思決定のプロセスでした。
すると、ある特徴が見えてきました。
彼女は、ほぼすべての判断を他人に委ねていたのです。
誰かの意見やアイデアを聞き、
いい所だけピックアップして、その通りに動く。
しかしうまくいかないと、
また別の専門家の意見を聞く。
このサイクルを繰り返していました。
いわゆる「コンサル難民」です。
つまり問題は、集客ではなく、意思決定の軸の不在でした。
そこで私たちは、さらに深いパーソナルワークを行いました。
ワーク後のセッションを重ねる中で、もう一つの背景が見えてきました。
それは、彼女の幼少期の家庭環境です。
彼女は、親の過干渉と過保護の中で育っていました。
「こうしなさい」
「それはダメ」
「普通はこうするもの」
親やまわりにいる、大人たちの価値観に従うことが求められていたのです。
このような環境では、自分で判断する経験が育ちにくい。
さらに、「自分で決めなさい」と言われながら
同時に「それは間違っている」と否定される。
こうした矛盾のメッセージを
心理学ではダブルバインド(二重拘束)と呼ばれます。
この環境が続くと、人は無意識のうちに
「自分で決めてはいけない」という、強い思い込みを持つようになります。
彼女の場合もまさにそれでした。
本人は自覚していませんでしたが、
人生のどこかで「意思決定の軸を自分で持たない」という
行動パターンが形成されていたのです。
このセッションを通して、
私自身も改めて気づいたことがあります。
それは、「自分を好きになる」ということの重要性です。
多くの人は、自分を好きになることを
感情の問題だと思っています。
しかし実際には、自分を好きになるとは、自分を知ることです。
自分の性格、思考、価値観、行動パターン
それらを深く理解することで、
はじめて自分の意思決定の軸が見えてきます。
そして、その軸が見つかった時、
人は初めて自分の人生に軸を持って生きることができる。
この最初の経験が、実存合理性の出発点なのです。
自分に恋するとブランドが芽生える
この出来事から、はっきりわかることがあります。
多くの社長は、市場に合わせようとする。
つまり、「売れる自分」を作ろうとする。
しかし、大切なことは、
自分という人間を客観的に受け入れることです。
・自分の性格
・思考
・役割….
それを全て受け入れて「この自分をどう使うか」を決めている人です。
この状態を私たちは、恋する社長と呼んでいます。
87%の経営者にズレがある
当社がプロジェクト開始前に行う調査データ(2022〜2025年実施)をご紹介します。調査内容は、企業やサービスの各制作物やサービス、採用、研修指針などの項目から算出した企業行動のギャップをスコア化したものです。
87%の経営者が言っていることと、やっていることにズレがある、という事実が分かりました。
つまり、軸があるように見えて、実は矛盾があちこちに現れている状態でした。

このズレがあると、社長だけでなくスタッフにも意思決定速度が遅れ、戦略がスムーズに実行されません。
結果、経営スピードが、スローダウンするという影響がみられました。
また、社長や部長、係長、リーダーたちの
部下から見て、上の言っていることに矛盾を感じている、というアンケート結果が出ました。
この影響が大きくなると、「じぶんの軸」を持っている社員は転職を決意するということに…
その結果、指示待ちの社員が会社に残ります。
これは感覚的なお話ですが、どちらが優秀か、どちらが必要な人材か、という話ではなく、会社の成長段階や経営方針で、その欲しい人材獲得のバランスが決まってくるようです。
御社のバランスは意図してますか?
反対に軸が明確になると
・意思決定速度 2.8倍
・戦略実行率 約5倍
というデータも出ています。
次回予告
「意思決定を外注する社長」と実存合理性
なぜ軸を作ると経営が加速するのかについて
気になりませんか?
次回は、これにふれてみようと思います。
「社長と実存合理性」シリーズは、日付順から読むと
思考がつながり、社長の頭の整理に便利です。
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