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父娘の車中泊300泊、ご飯事情のリアル|1年半のキャンピングカー旅

「キャンピングカー旅」と聞けば、各地で美味しいものを食べながら、優雅な旅を楽しんでいる様子が目に浮かびませんか?

いきなり期待を裏切ってすみません。

僕と娘の1年半の旅では、ご飯は旅の楽しみというよりは、もっと現実的なものでした。

車で暮らしていた僕らは、優雅とはまるで真逆の生活。

どこで寝るか。水と電気がどれだけ残っているか。暑さや寒さをどう避けるか。
それらをクリアして、やっと「今日、何を食べるか」が決まる。

この記事(前編)では、僕と娘のキャンピングカー生活で、ご飯をどうしていたのかを、実体験のまま書き残します。

今回の前編は、最初のキャンピングカー「AtoZ」時期から、ベンツのバン「ベントラ」に乗り換えて自炊が本番になるまで。
後編では、ゴミ・臭い・水・電気など、ご飯を続けるための工夫をまとめます。

車中泊やキャンピングカー生活に興味がある方や、いつか災害や何らかの事情で「車で暮らすかもしれない」と感じたことがある方に、僕の経験が何かのヒントになれば嬉しいです。


AtoZ時期、本格的な自炊は後回しだった

AtoZで走り出した最初の頃、僕らはキャンピングカー旅そのものが初めてでした。

だから何よりも優先したのは、「移動できる状態を保つこと」と「ちゃんと寝られる場所を確保すること」。

まだ車の旅に慣れない僕らは、生活を整える以前に、まずは毎日を回すだけで精一杯だったんですよね。

だから車内で食事をすることはあっても、自炊の優先順位はかなり低かったです。

AtoZにはレンジと電気コンロが設備されていたので、「温める」ことはできました。
でも電気をかなり食う。しかもサブバッテリーは心もとない。だからほぼ使えない状況でした。

キャンピングカーの電気の話は、別記事にまとめました。

ご飯を炊いて、何かを買ってきて温める

当時、ひとまず僕が買ったのはこの小さい炊飯器だけです。短時間で普通に炊けるので、今でも車に積んでいます。

ご飯だけでも炊ければまずは安心です。僕らの食事の軸にもなりましたし、娘はふりかけをかけて食べるのが大好きなので。

ただ、料理をするための鍋やフライパン、包丁、まな板も何もありません。

つまり「料理する」というより、「ご飯を炊いて、何かを買ってきて温める」が現実的なラインでした。

なので食事は自然と、惣菜や弁当、パンといった、車内でそのまま食べられるものが中心になります。

スーパーでおかずを買って、レンジで温める。パンやおにぎり、サンドイッチみたいに調理ゼロで完結するものは本当に助かりました。
割引になったお寿司なんか見つけた日には、ふたりで大喜びしてました。

ファミレスは落ち着きの場所

また、移動が多いと、食事に時間も手間もかけにくい現実があります。
だからファミレスに寄ることも多かったです。

外食は楽をするためでもあるけど、それ以上に「確実に美味しいものが食べられる」「確実に落ち着ける」という意味が大きかったです。
特に、ずっと子どもと一緒だと、この一息できる時間は精神的に何度救われたことか。

当然、娘がいる以上、ご飯は適当にはできません。

体調も機嫌も、ご飯で変わります。
旅先での生活はただでさえ不安定になりやすいからこそ、毎日のご飯だけはできる範囲で気を使っていました。

とはいえ、この時期の僕にできたのは、まず「動けること」を最優先しながら、その日のご飯を確保することでした。

ベントラに乗り換えてから、自炊が本番に

AtoZに乗ってから半年後、ベントラに乗り換えたとき、僕の中ではひとつ区切りがつきました。

AtoZでの旅は、正直「移動して寝る」だけで精一杯だった。でもそれにはもう十分慣れた。

そのときには、家がなくなっていた僕ら。ここからは、ただ旅をするんじゃなくて、本気で「車で暮らす」生活になる。

そもそもベントラでバンライフを始めるのは、元々の予定でした。

AtoZはつなぎでもあり、まずは走りながら生活を立て直すための時間。乗り換え後のベントラこそが、生活の軸になる車だったのです。

だから、自炊もここからが本番でした。

炊飯器だけは、AtoZの時期に買った小さいものをそのまま使い続けました。

そしてベントラに乗り換えてから、ようやく調理の道具を揃えました。

小型のIHクッキングヒーター(dretec)、16cmのフライパンと鍋(ともにツヴィリング)。

そして、車内の雰囲気に合うToffyのレンジ。

まな板と包丁はひとまず使えるものを百均で調達。

このセットが揃ったことで、車の中でもある程度の自炊できる環境ができました。
これで、ちゃんと食材を買って、調理して、食べられる。

食材を買う場所

食材は、現地のスーパーや道の駅で買うことが多かったです。

旅をしながら、その土地のスーパーに寄って、その日の食材を揃える。道の駅で野菜を買って、車に戻って、必要な分だけ作る。

もちろん、凝った料理なんてできません。
正直、旅先の車内生活で、毎回そんな余裕はなかったのです。

でもそれでいいと思っていました。

必ず自炊した例外のADDress拠点

キャンピングカー生活の食事には、例外がありました。

旅の途中で利用していた、多拠点居住サービスのADDressの拠点に滞在したときです。

ADDressは拠点によって設備に差はありますが、ほぼキッチンがあります。これが、僕らにとっては本当に大きかった。

近所のスーパーに食材を買いにいき、必ず自炊をしました。

現地のスーパー巡りは楽しかったですね。肉や野菜が驚くほど安いスーパーだと胸が高まりました。

車内だと、調理器具も限られるし、スペースも狭い。さらに作るより後始末の方が大変になる。
だからキッチンが使える日は、迷わず自炊しました。

車では炊飯器が小型だし、冷蔵庫も頻繁に使えないので一回分しか炊けません。おかずの作り置きもできませんでした。
でも、ADDress拠点では一気に2食分を炊いて冷蔵庫に入れることもできるので、時間の節約にもなります。おかずも余分に作ればそれができました。

普段当たり前に住んでる家だけど、家がなくなったからこそ、家のありがたみって痛いほど心に染みました。

同じ自分なのに、環境が変わるだけで、感じ方がこんなに変わるんだって思うと不思議でした。

作るのはシンプル料理

ベントラで自炊を始めたとはいえ、やっていたことは本当にシンプルでした。

基本は、米を炊く。
肉やソーセージを焼く。野菜を炒める。生野菜をそのまま食べる。
そして、卵。目玉焼きかスクランブルエッグ。

それだけで、十分食べた感覚になるし、栄養も最低限は摂れます。

車で暮らす生活に必要なのは、豪華さや優雅さではなく毎日をちゃんと回すこと。
料理のレパートリーを増やすより、続けられる形を作るほうが大事でした。

魚料理はやらないと決めた

ただ、ひとつだけ。
これはやらないと決めていたものがあります。

魚料理です。

本当は魚料理もしてみたかったし、旅先で買った魚を焼いたりさばけたりしたら、それだけで満足感はかなり上がると思います。

でも魚料理をやらなかった理由はシンプルで、排水タンクが臭くなって後始末が大変と聞いたから。取れない臭いは、車内生活では致命的です。だから最初から決めました。

その代わり魚は、スーパーや道の駅で、すでに焼いてある魚や刺し身を買って食べることにしました。

このように車で暮らす食事は、栄養面のほかに、続けられるかどうかを大事にしました。

道の駅の野菜は宝庫。でも旅は思うほど優雅じゃない

僕らのキャンピングカー旅では、道の駅がもっと重要な場所でした。

1年半の旅で、100箇所以上の道の駅にお世話になりました。

道の駅の「ご飯」に関することで最も驚いたのが、野菜の安さです。

場所によっては「え、こんなに入って100円?」と信じられないほど安く売っている野菜を何度も見かけて買いました。
見つけるたびにテンションが上がったのを覚えています。

娘が一番好きだったのは、ミニトマト。
これはもう、見かけたらほぼ買っていました。安い時は何袋も。
さっと水に流せば、そのまま食べられる。車生活だと、満足がかなり高かったです。

ミニトマトと同じくらい、きゅうりが安い道の駅に当たったときは、さらにご機嫌です。

買って、洗って、塩につけながら、そのままふたりで丸かじり。

切る必要もなければ、料理の手間もない。なのにちゃんと「食べた感」がある。夏場なんて、水分補給にもなるので本当に助かりました。

本当は、料理の腕がもっとあったり、料理に使える時間の余裕があったなら、道の駅に並ぶ新鮮な野菜で、いろんなものを試せたと思います。

道の駅では多くの地元野菜が並び、旬のものも豊富です。ああいうのを使いこなせたら、旅のご飯はもっと面白くなったはずです。

思うほど優雅じゃない旅

でも、僕らの現実は違いました。

キャンピングカー旅って、イメージするほど優雅じゃない。
この連載を読んでくれている人なら、たぶんもう分かると思いますが、10代前半の子どもを育てながら、車で移動して暮らすというのは、かなりサバイバルに近いです。

これがひとり旅だったら、気楽だったと思います。
また、大人ふたり旅なら、協力し合えるから、落ち着ける時間が増えるはずです。

でも僕の場合は子育てしながらだったので、24時間ずっと気が抜けません。

しかも女の子だから、なおさらでした。体調や気分の波もあるし、安心できる環境を保つのも親の役目になる。
旅先でも生活は続くし、「今日はのんびり料理しよう」なんて余裕がいつもあるわけじゃありませんでした。

だから、うちのご飯はどうしてもシンプルにならざるを得ません。
肉と卵、そして野菜は、トマトときゅうり、キャベツを確保。
あとは米を炊ければ、とりあえず回る。

派手な旅グルメじゃないし、映える食卓でもまったくないけど、それが一番現実的でした。

食費の現実。外食は高いから基本は自炊

ご存知のように、道の駅には名物の定食やご当地グルメが並ぶレストランがあります。
キャンピングカー旅だったら、そういう現地の美味しいものを食べながら、移動する印象を持つ人が多いのではないでしょうか?

僕もそれには憧れました。
でも現実は、ほとんど利用しませんでした。

理由はシンプルで、外食はお金がかかるからです。
子どもとふたりになると、1回の食事でも金額が跳ね上がります。

それにもうひとつ、気持ちの問題もありました。

僕は、バンライフにこだわりたかったんです。
車で暮らすなら、外食に頼らず生活する。そういう「生き方としての旅」をバンライフとして実現したかった。だから、基本は自炊中心にしたのです。

ただし、例外がありました。

夏です。

夏は標高の高いところを除いて、日中は車内にいれません。
前に書いたように「避難」を優先しました。

冷房が効く場所に移動して、そこで食事も済ませる。それが効率的でした。

お金がかかりますが、当然、夏だけは命を守る行動が第一でした。

おわりに

今日の空。

車で暮らすときのご飯は、料理だけの話じゃありませんでした。

匂い、ゴミ、水、電気、そして場所のルール。
そこまで含めて、はじめて「ご飯が続く、続かない」が決まります。

次回の後編では、僕らがご飯を続けるためにやっていた工夫をまとめます。

続きはこちら。
👉 車中泊300泊。自炊を続けるための5つの工夫|父娘の1年半キャンピングカー旅

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初めて僕の記事を読んでくださった方へ──
よければ、最初に書いた自己紹介の記事も読んでみてください。

せきたつや

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