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車中泊300泊。自炊を続けるための5つの工夫|父娘の1年半キャンピングカー旅

僕と娘のキャンピングカーで食べるご飯は、豪華絢爛な食事とは程遠いものでした。

ざっくり言えば、とても質素です。

朝昼はパンや卵にバナナ。トマトやきゅうりを丸かじり。
夜は米を炊いて、インスタント味噌汁を入れ、肉と野菜を食べる。

簡単に言うと、そんな質素な感じでした。

前回の前編では、僕らが「ご飯をどうしていたか」を、実体験のまま書きました。

ただ、車で暮らすときのご飯は、料理だけの話じゃありません。

車生活ならではの制約もあるし、自炊したら後始末があります。

場所のルール、水、電気。
そして、臭いとゴミ。

キャンピングカーで自炊をし続けるには、この5つの問題をどう対処していくかが大事でした。

そこで今回は後編として、僕らが1年半の車生活で、自炊を続けるためにやっていた工夫や実体験をまとめます。


場所のルール:車中泊する場所で作る。迷惑をかけない

車で暮らしていると、ご飯を作る場所は毎回変わります。

どういうケースが多かったかというと、「移動して、寝る場所が確定し、そこで自炊を始める」というもの。

結局、基本になるのは「車中泊する場所で作る」ということになっていました。

そのとき、強く意識していたのが迷惑をかけないことです。

たとえば駐車場。
道の駅でも、スーパーでも、広い場所はたくさんあります。

たまに問題になっているのは、広くて空きがあるからといって、外にテーブルや椅子を出してキャンプ感を出している人たちです。

僕はやらないと決めていましたし、やったことはありません。

正直、車中泊は「歓迎される場所」と「そうでない場所」が混ざっています。
たとえ車中泊OKな場所でも、迷惑は絶対にかけてはいけないし、静かに泊まっているから成り立っている面もありますよね。

だから当然、料理も食事もすべて車内で完結させることが大事です。

臭い問題。魚を避けた理由と、換気扇なしのキャンピングカー対策

車生活の自炊は、作る前から「臭い」を計算に入れておくべきです。

前編で書いたとおり、僕は最初から魚料理を封印しました。

本当は、旅先で買った魚を焼けたら最高です。満足感も一気に上がるのは確実。
でも車生活で一番怖いのは、あとに残る臭いなんです。

魚を焼いたフライパンや皿、魚を切ったまな板や包丁を洗えば、当然、流し台に水を流すことになりますよね。
その水が排水タンクに入ると、魚の臭いがついて取れなくなるわけです。

もちろん漂白剤などでなんとかすることはできても、それには大量の水が必要だし手間もかかる。

だから僕は最初から、魚は作らないと決めたんです。

とはいえ魚が食べれないわけではなく、スーパーや道の駅で、すでに焼いてある魚や刺し身を買って車内で食べることはできます。

換気はどうしたか

ただ、魚を避けたからといって、匂い問題が消えるわけじゃありません。

肉を焼く。卵を焼く。野菜を炒める。
これだけでも、車内には臭いが残ります。また蒸気や煙が充満します。

そこで次に必要になるのが「換気」でした。

でも、僕のベントラ(ベンツのバン)には、天井に換気扇(ルーフベンチレーター)が付いていませんでした。

だから僕がやっていたのは、かなり原始的な方法です。

調理する位置の窓を開けて、そこに小型の扇風機を置く。換気扇代わりにする。
これだけで十分でした。匂いも煙も、ほとんどこもりませんでした。

もちろん完璧ではありません。
窓を開けるので、虫が車内に入ってこないかの心配があります。

虫は光に寄るので、窓を開けるのは最小限にしました。
車内はできるだけ暗くして、フライパンの手元だけ明るくする。
そして窓の近くには虫除けの「どこでもベープ」を置きました。

実は旅の途中に、窓に取り付ける換気扇を自作したかったのですが断念。

で、旅が終わってから、強力な換気扇を作ることができました。

この4連の冷却ファンを2セット買って、1つは排気用、もう1つは吸気用にして、窓にはめられるように制作。

必要なときに取り外して使っています。

車の中で暮らすなら、換気って本当に大事なポイントだと自炊をすると特に感じますね。

ゴミ問題。捨てられる場所があるだけで救われる

車で暮らしてみて、想像以上に気になり続けるのが「ゴミ」でした。

僕は旅の途中、ずっと思っていました。

ゴミは、有料でもいいから捨てられる場所があるだけで救われる、って。

旅をしていると、何かを買うたびにゴミが出ます。
惣菜や弁当を買えば、容器や包装が増えます。

しかも車内のスペースが限りがあるので、ゴミ袋ひとつ置くにも邪魔になるし、特に夏場は匂いも出る。
置いておけば置いておくほどストレスが増えるんです。「今日はどこで捨てられるか」が分からないのも嫌でした。

だからこそ、ゴミ問題は本当に切実でした。

まず、僕らが基本にしていたのは、すごく現実的なやり方です。

できるだけ買った場所で捨てること。

道の駅で買ったものなら、道の駅で。
スーパーで出たものなら、スーパーで。
コンビニで買ったものなら、コンビニで。

もちろん全部が全部、都合よくいくわけじゃありません。
ゴミ箱がない場所もあるし、置いてない店もある。

だからこそ、捨てられるタイミングが来たら、その機会を逃さない。
車生活ではこれがけっこう重要でした。

あまり多くないですが、ガソリンスタンドにゴミ箱があれば必ず利用するくらいチェックしていました。

水と後始末。洗い物を減らす工夫

家にいるときは、水は蛇口をひねれば当たり前に出るし、使ったらそのまま流せます。

でも車で暮らすと、節水が当たり前になります。

まず、水の確保が大変。
どこで汲めるかを探して、ポリタンクを運んで、補給して……それだけでひと仕事です。

このあたりは、水の話として別記事にまとめました。

そして、食器をすすいだ水が排水タンクに溜まります。他には、手洗い、歯みがきみたいな、ちょっとした水です。
とはいえ、タンクの水を捨てるのは場所を選びます。

基本的に、ダンプステーション(RVパークやキャンプ場などの排水設備)や、管理者が許可している場所でしか捨てられません。
滞在先や旅先の知人に処理できるか確認して、お願いすることもありました。

捨てられる場所が見つからないと、タンクの水は溜まる一方。
だから、本格的に自炊を始めてからしばらくして、洗い物を出さない方向に寄せていきました。

最初は、普通に食器を買って使っていました。
家と同じ感覚で、洗えばいいと思っていたんですよね。

でも洗い物は思った以上に水を使うし、排水も増えることが分かりました。

紙の食器とラップ

そこで途中から、次のように切り替えたのです。

まずは百均で紙皿や紙コップ、割り箸を調達しました。

これだけで、洗い物が一気に減りましたし、本当に楽になりました。

正直、紙皿よりも、お気に入りの食器で食事をした方が気分はいいです。
でも、キャンピングカー生活では、切実な水の問題や手間が省けるという精神的な面の方が重要でした。

次に、ラップを使うことです。

暖めて食べたいときは、食器皿を使います。(百均には、レンジで使える紙皿もありますが、コスパが低いので保険としては積んではおきます。)

皿にラップを敷いて、その上におかずを乗せる。食べたらラップを捨てる。
たったこれだけで、皿を洗わなくて済む日が増えます。

そして最後の工夫は、食器を使った場合でも、軽い汚れの場合はキッチンペーパーで拭くだけにしました。

できるだけ洗わなくて済む形を、優先するようになっていきました。

水が限られているからこそ、洗い物を減らすことが、そのまま生活のラクさにつながりました。

車での自炊では、料理の工夫も大事ですが、こういう後始末の工夫がもっと効きました。

後始末まで計画していると、リラックスしてご飯が食べられるのです。

電気で食が変わる。冷蔵庫の現実と選び方

家にいれば、コンロも電子レンジも冷蔵庫も当たり前に使えるものですよね。
でも車で暮らすと、とにかく毎日電気の残量が気になります。

肉を焼くにはIHコンロ、惣菜を温めるには電子レンジ、といった電気は絶対に確保しておかないといけません。

電気が残っていれば作れる。残っていなければ作れない。
そんな暮らしは、やっぱり困ります。

そして、もっと大きかったのが冷蔵庫です。

生活の中心の冷蔵庫

普段ならそこまで感じませんが、冷蔵庫って、実は生活の安心そのものなんですよね。
肉も卵もヨーグルトも、基本は冷蔵庫がある前提で成り立っています。

でも僕らの旅では、冷蔵庫をずっとつけっぱなしにできませんでした。
冷蔵庫は連続運転の家電なので、電気をかなり使うんです。

そうなると、食材の選び方が変わります。
冷蔵庫前提の買い物ができないので、早めに食べ切れるもの中心になります。あるいは、冷蔵保存が要らないものです。

また、夏はさらに厳しくなります。

たとえば、夏のチョコ。
車内に置いておいたら溶けます。というか、溶けて当たり前です。

暑さで食材がやられるので、冷蔵庫以外は避けるしかない。

唯一置いていたのは、それでもできるだけ車内の一番の冷暗所にですが、パンやレトルトもの、缶詰類でした。

それが車生活のご飯の難しさで、僕らのリアルでした。

電気については別記事にまとめました。

旅が終わってからは、小電力の冷蔵庫を追加で買いました。
温度調節ができるので、冷蔵も冷凍もできます。

設定温度まで冷えると省エネモードになるタイプで、電気の不安がかなり減りました。
連続で電気を使い続ける冷蔵庫と比べると、車中泊ではこの差はかなり大きいです。

冷凍ができるだけで、ご飯の選択肢は一気に増えます。

最初から冷凍食品を買うのもありだし、残り物を冷凍できます。
また、アイスクリームも好きなときに食べられます(特に子どもが喜ぶ)。

車生活のご飯は、電気の残量と冷蔵庫の運用で決まる。
そう言っていいくらい、電気と冷蔵庫はご飯を根っこから変えるものです。

父娘のご飯の定番セット。機嫌と栄養の最低ラインを守る

僕ひとりの旅なら、今日のご飯は適当でいいか、が時々あってもいいでしょう。

でも子どもがいると、それではいけません。
体調が崩れ、病気でもしたら大変です。

旅先の車生活は、ただでさえ環境が不安定です。
だからこそ、食事は最低限のラインを守る必要がありました。

それを考えていたら、僕らには自然と「定番セット」ができました。

僕らの定番セット

まずはバナナ。
安い、簡単、腹がふくれる。
朝でも移動中でも、迷ったらこれでいける。

次にパン。
これも同じ理由で、調理なしで成立するから強い。

たまにヨーグルトも買いました。
デザート風で口当たりがいいものを入れたいときに便利です。

そして、定番の中心はやっぱり米でした。
水も手間も減らせるので、米は必ず無洗米でした。

僕が買った小型の炊飯器で、その都度炊いていました。

20分ほどで炊けるので、急いでいるときでも安心ですし、移動しながら炊いていたこともよくあります。

そのご飯にインスタント味噌汁を合わせるだけでも満足。

さらに、娘が好きなふりかけは常備。
これがあるだけで米が食べやすいし、美味しく感じる。

ただ、車内は温度差も湿気もあるので、米の保管だけは気を使いました。

そこで使っていたのが密閉できる米びつです。
これのおかげで、1年半の旅で、米が湿気るトラブルを避けられました。

これを2つ買って、5キロの米を分けて入れました。少しだけ余るので余った分を先に使ってました。

あと、季節物ではありますが、旅先でスイカを食べたのが印象的でした。
やはり夏にスイカは最高で、水分補給や体を冷やす食べ物としてもありがたったです。

また、娘はミニトマトやきゅうりが大好きで、道の駅で安いのを見つけたらよく買っていました。
洗えばすぐ口に入れられるし、トマトは栄養、きゅうりは水分補給といった安心感もありました。

本当は毎日のように果物は食べたかったのですが、基本的に果物はあまり買いませんでした。
冷蔵庫を頻繁に使えなかったし、果物は高価な物が多く、食費に響くからです。

4つに分けて栄養を考えた

僕らは最低限、下のように4つに分けて栄養を摂ってました。

まず、たんぱく質。
卵と肉。これはできるだけ切らさないようにしました。

次に野菜。
ミニトマト、きゅうり、キャベツあたりが中心です。
扱いやすくて、食べやすくて、車内でもなんとかなる野菜です。

そして炭水化物。
米かパン。重要なエネルギー源です。

最後に、ビタミンやミネラル。
野菜や果物以外に、サプリやビタミン系の飲料水、ミネラルウォーターを意識して飲んでました。

この最低ラインを守れれば、車生活でもなんとかいける。
逆に言えば、ここが崩れるとまずい。
そんな感覚でした。

僕らの車生活のご飯は、この「定番セット」と「4つの栄養」で支えられていました。

広島の24時間スーパーで注意された夜

最後に、忘れられない広島での話をします。
24時間営業のスーパーの駐車場で、注意されたのです。

広島の24時間スーパーに寄って、肉と野菜、それからパンとお菓子を買いました。

夜だったので、買い物をしながら、「車に戻ったら、軽く焼いて食べよう」って考えました。

駐車場は広くて、周囲には車もほとんどいない。

だから大丈夫だろうと判断して、車内でフライパンを出し、IHコンロで肉を焼き始めました。
換気のために窓を開けました。

しばらくすると、警備員さんが来て、こう言いました。

「ここで食事はしないでください。」

一瞬、びっくりしました。
「え、食事は駄目って、買った弁当やパンもダメなの?」
と咄嗟に思ったんです。

キャンピングカー生活って、意外と大変

でも、冷静に考えてみました。

車内でやっているとはいえ、「肉を焼く」みたいな行為はアウトなんだろうな、と。
匂いも出るし、煙も出る。火を使っているようにも見える。

僕が迷惑のないようにと、どれだけ気をつけていても、見た目の印象は悪い。

相手は警備員さんで、その場所のルールを守る役目の人です。

僕は「すみません。すぐ出ます。」とだけ言って、ほぼ焼けていた肉を皿に移し、駐車場から出ました。

このとき、強く印象に残ったんです。
「キャンピングカー生活って、意外と大変だな」と。
そして「家がない」って、やっぱり少し辛いな、と。

車内で完結させているつもりでも、迷惑かけてないとは言い切れない。
それだけでは足りなくて、その場所のルールってものがある。

分かっているつもりでも、あの夜があってから、「どこで、どこまでやっていいのか」の感覚は、一段シビアになったと思います。

車で暮らすご飯は、美味しいとか工夫とか以前に、まず許される範囲の中でこそ続けるものなんだと、身をもって知った出来事でした。

おわりに

今日の空。

場所のルール、水、電気。
そして、臭いとゴミ。

この5つの仕組みができれば、車生活でもご飯は続けられる。
1年半の旅で、そう実感しました。

次回は、車生活で致命的となる「車トラブル」の話を書きます。

続きはこちら。
👉 車が壊れたら、家がなくなる。家なし父娘の1年半、6つの車トラブル

最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。

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よければ、最初に書いた自己紹介の記事も読んでみてください。

せきたつや

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